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ソフトバンクグループ第1四半期決算、国内通信事業は「先行投資」で減益に

 ソフトバンクグループは、2017年度第1四半期(4~6月)を発表した。売上高は前年同期比3%増の2兆1861億円、営業利益は前年同期比50%増の4793億円、当期純利益は前年同期比98%減の55億円だった。

ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏

 2017年度からソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)の事業の業績が加わることになり、SVFだけで営業利益は1052億円を計上。スプリントも大幅に営業利益を伸ばしたことから前年同期比50%増になった。SVFを除いた場合は前年同期比17%増。

 なお北米の通信キャリアであるスプリントの事業については、業績が向上してきたことから、他社との事業統合について「積極的に考えていく」とし、「複数の事業統合の相手を想定し交渉している。近い将来に発表できると、我々は思っている」と表明している。

 当期純利益が98%減と大幅に減った点に関しては、アリババ株の売却に関連したデリバティブ損失が会計に反映されたものとし、アリババ売却益を加えデリバティブ損失を除いた場合、前年同期比61%増の1833億円になるとした。

 決算説明会にはソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏が登壇した。

 孫氏は、最近の決算説明会ではスプリントや投資案件の説明、ビジョンの解説に終始し、国内通信事業についてあまり触れてこなかったが、この第1四半期は営業利益が2185億円で前年同期比9%減となったことから、最近では珍しく時間を割いて解説された。

 国内通信事業が営業利益が9%減になった要因は、「いくつかの販売促進施策を行った結果」。「目先の利益を追求するよりも、健全な先行投資ができるならしようと考えた」とし、具体的には、「思いの外増えている」という光ファイバーとセットのサービス「おうち割 光セット」の販売促進策や、Yahoo!ショッピングのポイント10倍といった施策に投資、「先行投資として一時的に収益を圧迫した」と解説した。

 光ファイバーについては、利益が出るビジネスモデルになっているとし、モバイルの解約率の低下も起こり、はじめてauを下回るなど効果も出ているとして、有効な先行投資であることを強調した。

ソフトバンクグループ 第1四半期決算について
国内通信事業について

 質疑応答に時間には、ドコモやKDDIが投入している新プランや分離プランといった施策への対抗策が聞かれた。ソフトバンク代表取締役社長兼CEO(ソフトバンクグループ 代表取締役副社長)の宮内謙氏が「1カ月みてきたが、全く影響がない。今のところ方向性を変えることはない」と答えると、孫正義氏は「分離プランは値下げにはなっていない。(導入しても)多くの人が流れ込んでくるとは認識していない。(追随・対抗策は)必要ない」とし、対抗しない方針を明らかにしている。

 ライドシェアビジネスなどでソフトバンクの役割について聞かれると、孫氏は「DiDi、ora、grabなどの筆頭株主であり、『Uberに関心がある』という噂を書いた記事もあった。Uber、Lyftのどちらにも関心はあるが、何も決まったことはない」と回答。「アメリカは大きな市場で重要。どちらも投資などは決まっていないが、関心はある」と、シェアエコノミーの分野で米国での投資にも関心が高いことを窺わせた。

質問に回答する孫氏
ソフトバンク代表取締役社長兼CEOの宮内謙氏
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