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MVNO「もしもシークス」に25GBの大容量プラン「ギガ放題」

都内初出店は浅草、東海エリアではテレビCMも

 エックスモバイルは、MVNOサービス「もしもシークス」の料金プランで選べるデータ通信容量に、月間で最大25GBまで利用できる「ギガ放題」プランを追加し、4月1日から受付を開始する。「ギガ放題」の利用料は月額3600円(税抜、以下同)。

 「もしもシークス」では、音声通話対応プラン、データ通信専用プランのどちらもで、月間1GB/3GB/5GB/7GB/10GBの5種類を提供してきたが、「ギガ放題」はこれに追加される形。使い放題と一部で案内されているが、月間で25GBが上限になっているという。なお基本プランには月間で500MBの容量が付属する。

 音声通話対応プランであれば、基本使用料が月額980円、「かけたい放題フル」が月額1800円、「ギガ放題」が月額3600円、合計で月額6380円になり、大手キャリアでは2GBや5GBのプランに相当する価格帯で、かけ放題かつ大容量プランを利用できるとしている。

取り扱い端末に「iPhone SE」最新版など追加

 「もしもシークス」で取り扱う端末には、「iPhone SE」の最新版である32GB/128GBモデルを追加する。このiPhoneは、エックスモバイルが独自に調達するSIMロックフリー版で、修理などは「もしもシークス」の店舗で受け付ける。

 このほかにも、Androidフィーチャーフォンの「SH-N01」(ブラック、ホワイト)や、「ハローキティフォン」、「P9 lite」「arrows M03」「Priori 4」「PIXI 4」も取り扱う。

 このうち「SH-N01」は、フィーチャーフォン型で「かけたい放題」も契約できることなどから、個人・法人を問わず訴求していく方針。また、3Gで固定電話型の「スゴい電話」は、テレビに4回も取り上げられ人気になったとし、法人向け需要もあることから販売を強化していく。

直近1年間はサービス・品質改善に注力

 31日には東京・浅草の商業施設「ROX・3G」1階の入口付近に「もしもシークス浅草店」がグランドオープン。この店舗にて新プランや今後の展開に関する説明会が開催された。

エックスモバイル代表取締役社長の木野将徳氏

 説明にあたったエックスモバイル代表取締役社長の木野将徳氏は、ちょうど1年前となる2016年4月1日に、現在の形になる料金プランの刷新を発表してから、(MVNO各社が積極的に展開するのを尻目に)目立ったサービス追加や発表会を開催してこなったことに触れ、サービスの改善や品質の強化に集中してきたと語る。

 具体的には、採用していたMVNEを見直し、この結果全ユーザーを対象にSIMカードの交換を実施するなど、大掛かりな取り組みで、サービス改善の基盤づくりに取り組んだという。また、かけ放題サービスに関連して、海外を経由していた仕組みを国内に切り替え、遅延やクリアさなどの品質を向上させた。この通話サービスの原価は1.5倍になったが、料金は据え置いている。

 これらの取り組みの結果、ユーザー数は倍増し、ARPUも上昇し約4000円になり、顧客満足度が向上、解約率も激減。解約理由も、品質に関するものは無くなったという。

 店舗では、訪れたユーザーに聞き取り調査をして、「もしもシークス」でどれぐらい安くなるかを診断。家族などと相談・検討できるよう、診断結果を紙に印刷して渡すこともしており、「10人中4~5人は再び来店し契約してくれる」とのことだった。

 「(2年契約などの)更新月が近い場合なら、無理に変更してもらわず、『2カ月後にまた電話します』などと案内する。キャッシュバックで煽るとか、押し売りはせず、ユーザーのペースに合わせて提案する」と、地道に提案していく方針を示している。

 「もしもシークス」の契約者数は非公開だが、数万件としている。事業面では増資を実施、2016年の12月は月次で初めて黒字化を達成したとのこと。

都内初出店は浅草

 3月31日にグランドオープンした「もしもシークス浅草店」は、東京都内で初めての出店。都内ではこの春、西新宿店、北千住店、南千住店、新小岩店もオープンする予定になっている。

 都内初となる浅草店は、浅草という場所を「狙って出店した」(木野氏)とのことで、特に「ROX・3G」は観光地でありながらも、近隣住民が生鮮食品や生活物資などを買いに頻繁に訪れるエリアにあり、同社がターゲットとする40~50代が多いことも重視したという。

エックスモバイル代表取締役社長の木野将徳氏、浅草店を運営するHALS 代表取締役の隅内栄晶氏

実店舗、地方重視のワケは

 「もしもシークス」では、地方で実店舗の展開に注力していく方針を当初から掲げており、4年前の時点で、全国650店舗を展開する計画を明らかにしている。「公式ショップ」とする、「もしもシークス」を単独で扱う路面店のほか、ショッピングモールへの出店の2通りで全国に展開していく。概ね20万人の商圏に1店舗を展開できるようにしていく方針という。また、専門店ではない、「もしもシークス」の取扱店も拡大していく。

 現在の路面店は、東海地方に店舗が多く、大阪や九州などでも店舗のオープンが続いている。この日発表された、ユーザーが出演する一連のテレビCMも、まずは東海地方の中京テレビとテレビ愛知で放映される。

 ショッピングモールでは、2016年5月に、イオンモールにMVNOとして初めて出店し、現在までに4つのイオンモールに出店している。イオンモールでは大手キャリアの出店エリアに近い場所をあえて選び、「格安スマホ」として訴求しているという。

 地方を重視する基本方針の理由は、“格安スマホ”のライバルが少ないという環境のほか、首都圏などの大都市部と平均収入が異なることから、格安スマホのインパクトが強いこと、住民のクチコミの影響力が強く、一度信用を獲得すると根強く支持される傾向が強いことなどを挙げている。