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音声プランが500MB付で月額980円、MVNO「もしもシークス」新プラン

かけ放題もアプリで提供

 エックスモバイルは、MVNOによる通信サービス「もしもシークス」のプランを刷新し、音声通話プランで月額980円(税抜、以下同)からとした低価格なプランの提供を4月1日から開始した。「もしもシークス」の実店舗で受付を開始しており、Webサイトでの提供は4月4日から。

 刷新されたプランは、音声プラン、データ通信のみのプランでそれぞれ基本となる料金が設定され、これに月間のパケット量のプランやオプションを任意で追加していく形になっている。通信はNTTドコモのLTE網を利用する。

エックスモバイル 代表取締役社長の木野将徳氏

音声プラン、500MB付きで月額980円~

 音声通話(回線交換)に対応した「音声プラン」は月額980円で、データ通信量は500MBが付属する。通話料は30秒あたり19.9円。

 任意で追加できる月間のパケット量は、1GBが600円の追加、3GBが1200円、5GBが1800円、7GBが2400円、10GBが3000円の追加というラインナップ。パケットのプランはいつでも変更でき、変更を申し込んだ翌月1日に反映される。

 これにより、パケット量を追加した場合の利用料は、1.5GBで1580円、3.5GBで2180円、5.5GBで2780円、7.5GBで3380円、10.5GBで3980円になる。

国内通話のかけ放題「かけたい放題」

 音声プランのオプションとして、発信時にプレフィックス番号を追加し通話料を安価にする仕組みが「かけたい放題」として提供される。専用アプリ経由で利用する。通話品質は通常の回線交換より劣るとするが、5月ごろをめどに設備の増強などを図り改善していく方針。

 「かけたい放題 ライト」は月額850円で、5分以内の国内通話が何回でも無料になる。「かけたい放題 フル」は月額1800円で、時間、回数ともに制限はない。どちらも、新規契約では最大12日間、MNPは最大7日間、無料で体験利用が可能。

国際電話でもかけ放題の「地球放題」

 「かけたい放題」の契約ユーザー向けに、対象の国・地域への国際電話(日本からの発信)がかけ放題となる「地球放題」も月額980円で用意する。10分までの通話が月300回まで無料。超過時の通話料は30秒あたり19.9円で、国内の通話料と同等。

 相手先地域の固定電話が中心だが、一部は携帯電話宛にも対応する。サービス開始時点で82カ国・地域に対応する。

データプラン、500MB付きで月額380円~

 データプランは月額380円で、データ通信量は500MBが付属する。SMS機能の追加は200円。

 任意で追加できる月間のパケット量は、音声プランと同じで、1GBが600円の追加、3GBが1200円、5GBが1800円、7GBが2400円、10GBが3000円の追加というラインナップ。パケットのプランはいつでも変更でき、変更を申し込んだ翌月1日に反映される。

 これにより、パケット量を追加した場合の利用料は、SMS無しの場合は1.5GBで980円、3.5GBで1580円、5.5GBで2180円、7.5GBで2780円、10.5GBで3380円になる。SMS有りの場合は1.5GBで1180円、3.5GBで1780円、5.5GBで2380円、7.5GBで2980円、10.5GBで3580円になる。

共通の仕様

 データ通信は、月間容量が超過した際の通信速度は200kbps。パケット量を追加購入する仕組みは今後提供される予定。直近3日間の通信量で判定する終日制限は、上記の新プランでは撤廃されている。

 オプションとしてほかに、留守番電話(月額400円)、キャッチホン(月額300円)、同時購入で5万円以下の端末向けの保証サービス「もしも保証600」(月額600円)、5万円以上の端末向けの「もしも保証700」(700円)が用意される。

 端末を同時に購入した場合の初期設定と送料は無料。毎月の通信料の1%は途上国の通信発展のためにNPOに寄付される。

国内メーカーなど取り扱い端末を拡充

 「もしもシークス」のSIMカードの契約と同時に購入できるスマートフォンを拡充し、「UPQ Phone A01X」を1万6800円でラインナップに加える。また、富士通製の「arrows M02」が3万2800円、「Xperia Z5 compact」が6万9800円で新たにラインナップされる。「Xperia Z5 compact」は海外の卸業者を通じて入荷するものだが、日本国内の技適マークは取得済みのモデルになる。

 タブレットでは、新たにASUS製の「ZenPad 8.0」も2万9800円で提供する。このほか既存のラインナップでは「BlackBerry PassPort」が4万4800円に値下げされる。端末はいずれも24回払いも選択できる。

契約の9割は実店舗、リアルを重視する「もしもシークス」の戦略

 1日に都内で開催された発表会では、エックスモバイル 代表取締役社長の木野将徳氏が登壇した。同社の契約比率は実店舗が9割を占めるとのことで、実店舗での展開を中心に戦略を組み立てている様子が語られた。

エックスモバイル 代表取締役社長の木野将徳氏

 「以前から掲げているように、携帯電話業界のLCCを目指している。大手のような大規模な展開はできないので、我々のポジションを明確にして展開していく。それはこれからも同じ。価格は“最安”ではないかもしれないが、先頭集団であればいい。販売店をしっかりと運営できればと考えている。ネットや量販店ではなく、公式のショップで丁寧に展開し、それに必要なシンプルなプランを提供する」と木野氏は語る。

 4月1日に発表された新プランも、実店舗で丁寧に説明する際に、前提として分かりやすいプランが重要ということで、改めて企画されたもの。プランの刷新が比較的短期間で行われた形だが、「今回のプランは、腰を据えて展開していく。最終形態になるのではないか」としている。Webサイトも、料金シュミレーションが分かりやすくなるようリニューアルされた。これは店頭での接客にも利用されるという。

 「もしもシークス」の店舗数は、4月で全国約30店舗になる予定。都心以外を中心に、1カ月に5~10店舗のペースで出店を続けており、2016年度は全国で合計100店舗の展開を目指す。エックスモバイル直営の店舗はなく、すべて地域の販売代理店が手掛ける。

 「店舗では、日に日に来客・契約が増えており、どの店舗も毎日お客さんが来る状態にまでなった。地域に根ざした店舗として、中長期で運営していく。店頭に来るお客さんは、大手キャリアとの比較がほとんどで、他のMVNOと比較されることはほとんどない。50円や10円を競う格安SIM同士での競争はしないし、必要もない。すでに3割は既存のユーザーの紹介。“格安スマホセミナー”も店舗や地域の施設で開催している」と木野氏は、地域密着型で展開している様子を語っている。

 端末ラインナップの拡充については、地域の店舗が多いこともあり「国内メーカーへの圧倒的な信頼感がある。知っているメーカーがいいと言われる」とのこと。また「3万円ぐらいの端末が最も売れる」とのことで、富士通やUPQなど低価格帯の端末が拡充された。タブレットを追加したのも「高齢者から、大きくて電話ができるものが欲しいと言われる」(木野氏)から。

 「iPhone SE」については入荷を画策したものの、4月1日には「間に合わなかった」とした。なお、現在は「iPhone以外は正規ルートで、すべて新品」とのこと。

 今後は、要望が比較的多いというUSBドングル型のデータ通信端末の導入を検討中。また、スマートフォンマニアとしての側面も持つ木野氏は、マニアしか知らないような端末メーカーとも交渉しているとのこと。「ロシアとか?(笑)」とも語っており、今後の展開が注目される。

エックスモバイルの本社。同社のラインナップにはない海外の端末も多数並んでいる

太田 亮三