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ドコモの屋内基地局で焼損事故、4月末までに対策

 NTTドコモは、ビルなど屋内に設置している日立国際電気製の屋内専用基地局の一部で、装置カバーが燃える事故が2件、発生したことを明らかにした。詳しい原因は調査中だが、本来、内部を守るべきサージ保護回路が異常な動作をしたため事故に繋がったと見られている。

 ドコモでは設置場所のオーナーへ個別に連絡をして、今後の対策を伝えていく。

全国927施設に3万5500台、昨年11月に最初の焼損事故

 事故を起こした基地局「MOF2007」は、全国927施設、約3万5500台が設置。大きさは約10×35×35cmで、ビルなどさまざまな屋内で導入されている。

 そうした中、2016年11月17日、東京都内で「MOF2007」の焼損事故が発生した。数多く展開するなかで1台だけの事故とあって、ドコモでは当初、事故が起きた機器だけに何か問題があると判断。その後、調査を進めたところ、サージ保護回路周辺で異常な動作をすることがある可能性に行き着いた。そこで予防的な措置として、1月から出荷する分、あるいは故障修理をして再出荷する分に対して、「電源部のカバー素材を、より難燃性の高い素材に変更する」「サージ保護回路に金属製カバーを設置する」という2つの対策を施していた。

 そうした措置を続けていたなかで、2件目の事故が2月17日、石川県金沢市の金沢スカイビルの地下1階で発生した。当日の報道によれば、現場は白い煙が天井から漏れ出してボヤ騒ぎになった。

原因は……

 2件の事故が起きたことで、ドコモでは1月以降の出荷分に行っていた対策を、過去に出荷した分にまで適用することを今回決めた。

 詳しい原因は調査中だが、ドコモでは落雷などにより、電源部に著しい過電圧が発生すると、「MOF2007」のサージ保護回路が作動し続けてしまい、まれに高熱をもたらし、装置カバーが燃えてしまった可能性が高いという。

 対策は、1月出荷分から適用していたものと同じで、「電源部のカバー素材を、より難燃性の高い素材に変更する」「サージ保護回路に金属製カバーを設置する」の2つ。2017年4月末までに全国に設置されている「MOF2007」を改修する。

 さらに設置箇所のヒューズ容量や漏電遮断機能の点検をあらためて行う。またこれまでも、「MOF2007」が高温になれば電源がオフになり、その電源オフはリモートで監視センター側で把握できるようになっていた。しかし今回は、電源がオフになるはずの「MOF2007」で焼損するほど高熱が発生した。ドコモではこれまでの体制をもとに、「MOF2007」をより重点的に監視する対象とする。