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ソフトバンクがダクト干渉波の対策装置、MCA無線の新周波数帯向けに提供

 ソフトバンクは、九州や日本海沿岸に到来するダクト干渉波を低減する「ダクト干渉キャンセラー装置」の開発に成功したと発表した。移動無線センター(MRC)と協力し、MCA無線の930MHz帯の中継局に導入を検討する。

 「ダクト干渉キャンセラー装置」は、副受信アンテナと制御装置により、ダクト干渉波の逆位相の信号を加えて、干渉を低減するというもの。北九州市の山で実証実験を行い、ダクト干渉波が15dB以上低減できることが確認された。

 MCA無線は900MHz帯から930MHz帯への移行を進めており、ソフトバンクは移行措置の一環として、同装置をMCA無線の中継局向けに提供する。

 ダクト干渉波は、気象条件により、例年3月~11月の夕方から早朝までにかけて、九州や日本海沿岸に到来する電波。日本海上空の空気の屈折率が変化する影響で、通常は届かない大陸からの電波が届く伝搬現象で、同一周波数帯を利用している無線に干渉妨害が発生する場合がある。

「ダクト干渉キャンセラー装置」
ダクト干渉波
900MHz帯の周波数移行(総務省)