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ドコモとエリクソン、5G向けの「ネットワークスライシング」実験に成功

 NTTドコモとエリクソンは、第5世代のモバイル通信システム(5G)に向けた技術のひとつ、「ネットワークスライシング技術」の実証実験に成功した。

 「ネットワークスライシング」は、携帯電話会社のコアネットワークにおける新たな技術で、一言で言えば「機能・サービスごとにネットワークを仮想的に分割(スライス)する」というもの。

 たとえば、IoT・M2Mの機械では、宅内などに設置されるケースが多くなれば、携帯電話のような基地局を渡り歩くためのコアネットワーク側の機能は不要になる。そこでIoT向けコアネットワークは移動通信の機能をオフにして、仮想的なシステムを構築して切り出す、というイメージになる。

 両社が行った実験では、サービス側が要求する条件にあわせて、自律的に最適なネットワークスライスを選ぶ、あるいは作成する機能を新たに追加。複数のサービスごとに最適なスライスを提供することに成功した。

 ドコモはネットワークスライスの選択・作成を行う機能の設計と提案を担当。一方のエリクソンはネットワークスライスのライフサイクルとサービスを管理する技術を開発した。ネットワークスライスが実現すれば、ひとつの端末で複数のネットワークに繋がるようになる。自動車であれば、高セキュリティかつ低遅延な性能が求められる“V2X通信”用のネットワークと、大容量の通信性能によって地図や渋滞情報を参照しながら映像や音楽を楽しむインフォテイメントサービス用のネットワークへ1台の端末で同時に繋がる、という形になる。

 6月28日~30日に英国・ロンドンで開催される「5G World」で紹介される。