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COMPUTEX TAIPEIで見たスマートフォン

5000mAhバッテリーのAcerスマホから、驚きのVR体験まで

 台湾・台北で開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2016」では、台湾メーカーを中心にしたスマートフォンが出展されていた。また、COMPUTEXはPCやPC用パーツ、PC用周辺機器のトレードショーという位置づけのため、スマートフォンの数自体はそれほど多くないが、PCとの親和性が高いWindows 10 Mobile搭載スマートフォンを目にする機会は多い。

 トレンドになりつつある技術として、VRにもフォーカスが合わせられており、サムスン電子やHTCなどのメーカーブースには、長蛇の列ができていた。ここでは、スマートフォンやスマートフォンメーカーが関係するVRの展示内容を紹介していきたい。

5000mAhバッテリー搭載で位相差AF対応の「Liquid Zest Plus」

AcerのAndroid搭載スマートフォン「Liquid Zest Plus」

 ASUSが「ZenFone 3」シリーズを発表し、幕を開けたCOMPUTEXだが、同じ台湾メーカーのAcerもスマートフォンを同イベントに出品した。4月にニューヨークで発表された、「Liquid Zest Plus」がそれだ。同モデルは199ドル(約2万1700円)と安価だが、バッテリーやカメラなどにこだわった1台だ。

 バッテリーは5000mAhと超大容量。会場の説明員によると、「3日間充電せずに使える」ことを売りにしているという。バッテリー容量が多いと充電時間がかかるが、それを解消するために、「QuickCharge」にも対応。1時間以内に50%以上まで充電が可能だという。他のスマートフォンを充電する機能も備えている。

カメラは1300万画素で、3つのオートフォーカスに対応

 背面のメインカメラは1300万画素で、Acerによると、「Tri-Focusing System」に対応しているという。日本語では、3方式のフォーカスシステムといったところだ。具体的には、位相差AFとコントラストAF、レーザーオートフォーカスを併用する仕組みを取っており、撮影時にシチュエーションに応じて使い分ける仕様になっている。説明員によると、最速0.03秒でフォーカスを合わせることができるそうだ。

専用のフリップカバーも用意される

 オプションとしてフリップが一体となった背面カバーも用意されており、フリップを閉じたまま、ある程度の操作ができるようになっている。時間などの確認だけでなく、実機ではカメラやボイスレコーダーを起動できた。このほか、ゲーム利用時に着信などをブロックするアプリが内蔵されている。このアプリ経由でゲームを起動すると、メモリのリフレッシュを行い、ゲームを快適に利用できるという。ゲームをプレイしながら、動画を撮影することもできる。

時刻などの確認ができるのはもちろん、カメラやボイスレコーダーを直接呼び出せる

マイクロソフトブースには日本メーカーのWindows 10 Mobile端末

 昨年よりスマートフォン関連の展示規模は小さくなっていたが、マイクロソフトのブースには、Windows 10 Mobileの端末が一堂に会していた。展示されていたのは、マイクロソフト製の「Lumia 950」「Lumia 950XL」と、Acerの「Jade Primo」、トリニティの「NuAns NEO」、VAIOの「VAIO Phone Biz」、マウスコンピューターの「MADOSMA Q601」。6機種中、3機種が日本メーカー製ということになる。

マイクロソフトの「Lumia 950」(左)と「Lumia 950XL」(右)
「Continuum」のデモには、Acerの「Jade Primo」が使われていた
VAIOの「VAIO Phone Biz」(左)や、トリニティの「NuAns NEO」(右)も展示
未発売の機種として、マウスコンピューターの「MADOSMA Q601」を展示

 未発売なのは、マウスコンピューターのMADOSMA Q601のみ。同モデルは、チップセットにSnapdragon 617を採用しており、ディスプレイに接続してPC風の画面を表示する「Continuum」にも対応する予定だ。ディスプレイは6インチ、メモリー(RAM)は3GBを搭載する。別記事でも触れたように、現在、このモデルは開発の最終段階にあるといい、正式発表も近いことが予想される。デモ機を触れた限りでは、動作もスムーズで、完成が近いことがうかがえた。

VR関連の展示も多数、サムスンやHTCのブースには長蛇の列が

 最新テクノロジーとして、COMPUTEXでは、VRにも注目が集まっていた。ASUSは5月30日の発表会で、「ASUS VR」というヘッドマウントディスプレイを披露。会場にも、中小のメーカーを含め、さまざまなVRヘッドマウントディスプレイや、VR用コンテンツなどが展示されていた。

サムスンは、「Gear VR」の体験コーナーを用意

 中でも、来場者が長蛇の列を作っていたのが、サムスン電子とHTCのブース。サムスン電子は、「Gear VR」を体験できるブースを用意。「4D」対応の装置も置かれており、VRを楽しめる仕様になっていた。

 日本でも、商業施設「KITTE」に設置された「Galaxy Studio」内に6月8日まで、Gear VRを体験できるコーナーが用意されており、ジェットコースターの揺れを再現する4Dのシートや、映像に合わせて動くサーフボードが置かれている。一方で、COMPUTEXに出展されていた4Dは、より“過激”なものだ。

360度回転する4Dの装置

 Gear VR側には近未来の映像が映し出され、乗り物の動きに合わせてシートが360度回転。シーンによっては、真っ逆さまの状態になることもあった。グルグルと回転する様子は、まるで絶叫マシンのよう。VRの映像がなくても、十分“怖い”と感じることができそうだった。なお、同じ4Dの設備は、台北の街中でも見かけた。逆に日本にあるジェットコースターやサーフボードはなく、国によって、展開するコンテンツを変えているサムスンの方針がうかがえる。

【Gear VRの過激デモ@COMPUTEX TAIPEI】
映像に合わせ、激しい動く

 これに負けじと、HTCも「HTC VIVE」で幅広いコンテンツを用意。寝そべった状態で、前から風を送り、空を飛んでいるようなコンテンツや、ボートをこぐような装置、ゲームなどを楽しめるようになっていた。いずれも、来場者は高い関心を寄せており、VRが普及する可能性を垣間見ることができた。