インタビュー
「日本のユーザーに究極の体験を届けたい」シャオミ東アジア責任者に聞く、日本市場への熱意と戦略
2025年3月23日 00:00
22日、シャオミ・ジャパンは日本で初となる常設店舗「Xiaomi Store イオンモール浦和美園」をグランドオープンした。
本稿では、Xiaomi 東アジアリージョン ゼネラルマネージャーのアンドリュー・リー氏への個別インタビューの様子をお届けする。
――日本での新しい店舗をオープンされる気持ちをお聞かせください。
リー氏
非常に嬉しく思っています。新リテール(店舗)はいつでもシャオミの重要なビジネスモデルのひとつです。東アジア責任者を担当して以来、最初から日本でMi Home(Xiaomi Store)を作ることを目標にしてきました。日本のユーザーの皆様にすべてのカテゴリーの製品を楽しんでいただくという夢がありますので、今日はその第一歩を実現できたのではないかと感じています。
特に今日は、予想以上に多くの方がお店にいらっしゃったことに、非常に感謝申し上げたいです。
――これまで海外で展開してきたシャオミのストアでは、普段どのような体験が提供されているのでしょうか?デザインや製品ラインナップの特徴について教えてください。
リー氏
はい、Xiaomi Storeは、シャオミの社内で掲げる“新リテール戦略”のプラットフォームです。新リテールとは、究極な効率で究極な体験を提供することです。
この点から、Xiaomi Storeはひとつの店舗ですべてのカテゴリーの製品をユーザーの皆様に提供し、ユーザーの皆様が同じお店の中でワンストップで製品を体験いただけるようにしています。
他のブランドでは、冷蔵庫を買いたい時には冷蔵庫の店へ、別ジャンルの製品を買いたい時にはそれにあわせた店へ、といったように別々のお店に行くことがあると思います。シャオミはスムーズな体験を目指しています。
また、ハイエンド製品は日本における重要な戦略的プロダクトであり、Xiaomi Storeというプラットフォームはユーザーに一番ハイエンド製品をよく体験できる場所です。さらに、すべてのカテゴリーの製品はHyper OSというOSに基づいて繋がっており、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル製品などが連携し、便利な体験を提供しています。
――「究極な効率」とは具体的にどのようなことでしょうか?
リー氏
究極な効率のひとつとして、ECのオペレーションロジックで店舗を管理している点が挙げられます。バックエンドには自動管理システムがあり、将来的にはAIによる管理も視野に入れています。例えば、売上がすぐに手元のスマートフォンアプリで分かります。
製品戦略としては、「爆売製品」という戦略があり、製品の種類を絞り、それぞれの製品を必ず売れ筋にすることで、サプライチェーンの効率を高め、より良い価格で製品を提供できるようにしています。
販売においては、従来のメーカーのように多くの代理店を介さず、直営店を通じて直接ユーザーに製品を届け、直接フィードバックを収集して製品改善に繋げています。
ショップの運営においても同じです。先ほどお話したとおり、非常に完成度の高いショップマネジメントシステムを持っています。自分のスマートフォンからいつでも、どこの店舗の従業員、そしてどんなカテゴリーの製品の販売データも非常に便利に見ることができます。すべてデジタル化された管理システムですので、将来的にはビッグデータとAIによって、製品の選択やメインとなる売れ筋製品のアドバイスなどもできるようになると思います。
――店舗によってはカメラを置いて、顧客の属性を調査し、データ化する小売店が広がってきています。今のお話からすると、スタッフが販売データを見ながらお客様とのコミュニケーションで売上に繋げていくといったことになりますか?
リー氏
そうですね。まずひとつ申し上げたいことは、日本のXiaomi Storeは、すべての日本の法律を遵守しています。特にユーザーのプライバシーに関する情報は、日本の法律に基づいて一切収集しておりません。また、そのほかの収集したすべてデータはシンガポールにあるサーバーに保存しています。
短期的には、店舗の管理はセールスデータ、販売データに注力しており、例えば、ある店舗でノンフライヤーがよく売れていれば、その周辺のユーザー層を考慮して、将来的により多くのキッチン家電を導入するといった製品管理を行っています。もしくは大学の近くの店舗であれば、PCやタブレットといった製品カテゴリーをより多く導入することも検討します。
もちろん、中国で採用しているシステムはより完成度が高く、従業員のトレーニングシステムや、販売スキル、製品知識に関するトレーニングビデオ、従業員間のコミュニケーションを促進するSNSなども提供しています。従業員向けのポイント制、ランキング制度も導入し、店舗の販売額向上に繋げています。
――日本での店舗名は「Xiaomi Store」となりましたが、世界の「Mi Home Store(小米之家)」との違いはありますか?
リー氏
特に何か目的があるというよりも、よりローカルのユーザーの習慣に近づけた名前です。将来的にはダイナミックに調整する可能性もあります。
中国では、ユーザーの皆様にご自身の家に帰ったようにリラックスして製品を体験していただくために「Mi Home」という名前を使用しています。
――日本における今後の店舗展開について、どのようにお考えですか?
リー氏
私たちのミッションは、すべてのユーザーの皆様に技術による楽しさを享受していただくことです。将来的には、ユーザーさんのいらっしゃるところに店舗を展開することになります。
中国ではすでに1万5000店舗以上を展開しており、大都市と地方をカバーしています。日本でも同じ戦略がありますが、どれくらいの時間がかかるかはまだ分かりません。
もちろん、できれば東京都内にも店舗を作りたいと考えていますが、良い場所があるかどうか、テナントとの交渉次第だと思います。
――ありがとうございました。
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