UPLINQ 2014
クアルコムCEO、「ありとあらゆる機器がオンラインに」
LTE Broadcast SDK、Vuforia for Digital Eyewearを紹介
(2014/9/19 10:16)
クアルコムは、9月18日~19日にかけて米国サンフランシスコ市内で開発者向けイベント「UPLINQ 2014」を開催している。オープニングの基調講演には同社CEOのSteve Mollenkopf氏が登壇し、「The New Network Edge」と題した講演を行った。
Mollenkopf氏は、同社のチップセット「Snapdragon」シリーズを搭載したAndroid端末が10億台を超え、1350種類以上の端末が登場していることなどをアピールした上で、これはまだ始まりに過ぎないと語る。同氏は、無線通信の活用はスマートフォンやタブレットといった枠を飛び出し、ウェアラブル機器や自動車、さらにはヘルスケアや教育など、さまざまな分野に拡大していくという見通しを示した。
そうした将来を見据え、同日付で発表された2つのSDKが紹介された。
1つは「LTE Broadcast SDK」。LTE Broadcastは、LTEネットワーク上で一斉配信(ブロードキャスト)を行うことでネットワークの利用効率を高めながら、インタラクティブなサービスの実現を目指した技術。スポーツ中継やOSのアップデートなどは、ユーザーがそれぞれ通信するよりも、同技術を用いた方がネットワーク全体への負荷が小さくなると期待される。今回公開されたSDKは、こうした機能をAndroidアプリに組み込むために利用されるものとなる。
2つめは「Vuforia for Digital Eyewear」。カメラを使ったAR(拡張現実)アプリを開発できるライブラリ「Vuforia」を、サムスンがIFAで披露した「Gear VR」やエプソンの「BT-200」、Snapdragon 805を搭載したOsterhount Design Group(ODG)の「R-7」といったメガネ型のウェアラブルデバイスで活用するためのSDKとなる。
プレゼンテーションでは、500m程度の範囲にいるLTE端末同士で基地局を介さずに通信する「LTE Direct」も紹介された。同技術はSNSやショッピングなどでの活用が期待されるとあって、FacebookのVice President of Engineering、Jay Parikh氏を檀上に招き、応用への期待感が示された。Parikh氏は、Facebookアプリのアップデート時の莫大なトラフィックを考えるとLTE Broadcastが有用とも語る。
このほか、Mollenkopf氏の基調講演では、クアルコムが近年研究開発を進めてきたロボット技術などのデモも披露された。