【MWC19 Barcelona】
「Android Oneは250%成長」――グーグル幹部が語るAndroid
Googleアシスタントの新機能も発表
2019年2月26日 19:00
グーグルは、「MWC19 Barcelona」の会期初日にあたる2月25日(現地時間)に、報道陣向けの説明会を開催。Androidの最新状況や、Googleアシスタントの新機能を発表した。
Androidを担当するバイスプレジデントのジェイミー・ローゼンバーグ氏は、「さまざまなイノベーションがAndroidの上で起こっている」と語り、Androidの最新動向を解説。2月20日(現地時間)に米サンフランシスコで発表されたサムスンの「Galaxy Fold」や、スペイン・バルセロナでファーウェイが発表した「Mate X」に触れながら、「折りたたみスマートフォンは新しいユースケースの1つ」と語り、新たなジャンルの製品にグーグルも注目している姿勢を示した。
5Gに対する期待も語り、「最初の5G対応スマートフォンは、Android OSの上で動いている」と競合に対する優位性をアピール。今後、Androidを採用するメーカーから様々な5G対応端末が登場することに期待を寄せた。グーグルは、「インターネット企業とプラットフォーム企業の両方として、5Gにわくわくしている」という。ネットワークが高速化、低遅延化するすれば、グーグルのサービスにとってメリットがある上に、アプリ開発者向けのARコアやML Kit、ニューラルネットワークAPIがより活用されることになるからだ。
Androidの最新動向については、Android OneとAndroid Go Editionについての普及状況が明かされた。ローゼンバーグ氏によると、Android Oneのアクティベーション数は前年同期比で250%拡大。昨年はLGエレクトロニクスやモトローラも、Android Oneブランドの端末を開発した。LG製の端末に関しては、日本でもワイモバイルが採用している。
グーグルは昨年のMWCでAndroid Go Editionを発表したが、その進捗も順調だという。アクティベーション数では、1GB以下のRAMを搭載したエントリーモデルの50%以上がAndroid Go Editionになったといい、「この数字がより大きくなっていることを期待している」とした。
Android 9 Pieに搭載された「Digital Wellbeing(デジタルウェルビーイング)」についても、対応機種を拡大していく方針が示された。Digital Wellbeingとは、スマートフォンの利用時間を把握したり、それに基づいてアプリに制限をかけたりすることができる機能のこと。Android 9 Pieの機能だが、搭載端末はグーグル製のPixelシリーズに限定されていた。
グーグルは、この対応端末を徐々に拡大。すでにサムスン電子が発表した「Galaxy S10」シリーズがこの機能を搭載しているほか、「モトローラと密接に協力し、moto g7ファミリーもDigital Wellbeingに対応することになった」(同)。その他のメーカーにも、この機能を拡大していく意向だという。
CESに続き、Googleアシスタントの最新状況や新機能も発表された。1つ目のニュースが、Googleアシスタントボタンを搭載する端末が増えたというもの。TCLコミュニケーションやシャオミの端末などが、Googleアシスタントボタンを備え、物理的なボタンを押すだけでGoogleアシスタントを呼び出せるようになったという。
CESではGoogleマップ上でGoogleアシスタントを呼び出し、話しかけるだけで簡単に到着時刻などを共有できる新機能が発表されたが、MWCではこれをメッセージに拡大していくことが発表された。また、Googleアシスタントでフライトチェックインする機能も、米国国内線だけでなく、ルフトハンザやスイス航空、オーストラリア航空が対応した。
さらに、KaiOS上での音声入力にも対応する。KaiOSとは、フィーチャーフォン向けのOSの1つで、開発が中止されたFirefox OSの後継になるOSを元に開発されたプラットフォーム。開発はKaiOS Technologiesが行っているが、グーグルもここに出資している。昨年のMWCで注目を集めた、ノキアブランドの「Nokia 8110 4G」なども、KaiOSで動くフィーチャーフォンだ。
ただ、こうしたフィーチャーフォンはタッチパネルを備えておらず、多くの場合、小さな10キーで文字を入力しなければならない。これをより簡単に操作できるようにするため、Googleアシスタントを使った文字入力が開発された。検索やメッセージ作成などが可能で、KaiOSの全ユーザーが対象になるという。