【MWC19 Barcelona】
LG、5G対応で2画面になる「LG V50 ThinQ 5G」と静脈認証対応の「LG G8 ThinQ」
2019年2月25日 05:47
LGエレクトロニクスは、MWC19 Barcelonaに先立ち、2月24日(現地時間)に「LG V50 ThinQ 5G」と「LG G8 ThinQ」の2機種を発表した。
名称どおり、前者は5G対応スマートフォンになる。LG G8 ThinQにはバリエーションがあり、カメラの画素数やディスプレイサイズ、解像度が異なる「LG G8s ThinQ」も用意される。
「Insight Innovation」を追い求めて生み出された2モデル
LGのプレスカンファレンスには、LGエレクトロニクスUSAのモバイルコミュニケーション部門ディレクターのFrank Lee氏が登壇。LGの役割は、ユーザーのニーズを先読みして、「Insightful Innovation(洞察に満ちたイノベーション)」を起こすことにあると語りながら、最初にLG V50 ThinQ 5Gを発表した。
続けてゲストに、米キャリアのSprintのCEO、Michel Combes氏が招かれ、同社にLG V50 ThinQ 5Gが導入されることが明かされた。
この端末はチップセットにクアルコムの「Snapdragon 855」を採用しており、5G対応モデムの「Snapdragon X50 5G Modem」も搭載される。
チップセットを提供したクアルコムからは、ハンドセットプロダクト担当のSVP&GM Jim Tran氏がゲストとして登壇。
同チップセットのパフォーマンスやAIの処理能力をアピールしつつ、「LGとは3G、4Gのころから20年に渡って協業し、エンジニアも密接に協力してきた」と両社の深いつながりを語った。
ゲストが登壇したあと、再びLee氏が端末の特徴を紹介。LG V50 ThinQ 5Gは「マルチメディア体験をどう強化するかにフォーカスした」とコンセプトを紹介、6.4インチのディスプレイやDTS:Xに対応していることを語った。
このモデルはディスプレイを搭載したカバーを装着して、デュアルスクリーン端末として利用できる。
2画面に別々のアプリを表示させたり、ゲームのコントローラーとして利用したりと、さまざまな用途に利用可能。熱処理にも力を入れ、「前機種との比較で、ヒートパイプを270%大型化している」(同)という。
Lee氏が「2つ目のイノベーション」と呼ぶのが、LG G8 ThinQだ。このモデルは5G非対応だが、フロントカメラに特徴を持たせた。フロントカメラは、ToF(Time of Flight)という距離測定技術を採用しており、「Z Camera」と呼ばれる。
この用途を解説したのがLGエレクトロニクスヨーロッパのプロダクトエヴァンジェリスト、David Montanya氏で、同氏によると、その最初の用途は「セキュリティ」だという。
LG G8 ThinQは、手のひらをこのZ Cameraにかざすことで画面のロックを解除できる。机やテーブルの上に置いたままでも、サッと画面を表示させることが可能だ。この機能は「Hand ID」という。あらかじめ表示させておいたアプリの内容を確認するようなときに、重宝するはずだ。
LGエレクトロニクスは、このカメラを端末の操作にも応用。手を端末から離し、端末をつかむようなジェスチャーをすると、あらかじめ設定した特定のアプリを起動することができる。音楽再生アプリには、「バーチャルボリュームノブ」も搭載。あたかもつまみを回すかのようなジェスチャーで、音量の調整を行える。
距離測定が可能なため、「写真に従来以上の深度を加えることもできる」(同)。インカメラのポートレートモードでは、背景にボケを作ることが可能で、これは動画撮影時にも活用できるという。これらに加えて、サウンド技術にも注力しており、画面全体から音が鳴る「Crystal Sound OLED Stereo Speaker」にも対応した。
実機写真で見る「LG V50 ThinQ 5G」と「LG G8 ThinQ」
プレスカンファレンスの展示エリアでは、発表された2機種に触れることができた。
LG V50 ThinQ 5Gは、5Gに対応しているものの、サイズはほぼ従来のスマートフォンと同じレベルだった。背面上部に5Gのロゴがあしらわれているが、これを見なければ5G対応モデルと気づかないかもしれない。
背面下部には3つの円型の金属が露出しているが、これは、デュアルスクリーンケースを接続するためのもの。あらかじめこのオプションの存在を前提に設計されていることが分かる。
背面には過去のLG端末と同様、スーパーワイド、標準、ズームのトリプルカメラを搭載。画素数は左から16メガピクセル、12メガピクセル、12メガピクセルになる。撮影時にはアイコンをタップすることで、カメラの切り替えが可能だ。
デュアルスクリーンケースを装着すると、あたかも2画面端末のような格好になる。2つの画面に別々のアプリを表示させたり、デュアルスクリーン側をゲームのコントローラにすることができる。アプリ間のコピー&ペーストもサポートしているが、これはアプリに実装する必要があるという。展示エリアのデモでは、メッセージアプリにスクリーンショットを貼り付けていたが、これを行うには、メッセージアプリ側のボタンを押す必要があった。
主な仕様はディスプレイが6.4インチで19:5.9のQHD+。メモリ(RAM)は6GB、ストレージ(ROM)は128GB。サイズは159.2×76.1×8.3mmで、重量は183g。バッテリー容量は4000mAhでワイヤレスチャージも対応する。
LG G8 ThinQ
LG G8 ThinQについては、主にZ Cameraを使った静脈認証のHand IDやジェスチャー操作を試してみた。端末は一般的なハイエンドモデルといったデザインだが、画面上部にはZ Cameraを搭載するためのノッチが存在する。
Hand IDは、画面に表示される指示に従って、手のひらを近づけたり離したりしながら、登録作業を行う必要がある。初めてだったためかもしれないが、手と端末の位置関係がしっかりつかめず、何度か失敗してしまい、設定には少々時間がかかった。
ただ、ロック解除は手のひらをカメラの上にサッとかざすだけででき、読み取りもスムーズだった。スタンド型の充電台に載せておいたまま、手のひらでロック解除しつつ、ジェスチャー操作で音楽アプリを立ち上げるといったことが、端末を持つ必要なくできるのは便利だ。
一方で、ジェスチャー操作は、思い通りに動かすのが少々大変。手をかざしてつまむような動作をし、その後、左右に手を動かしてアプリを起動するという流れだが、手をどこまで離せばいいのかが少々分かりづらく、何度も失敗してしまった。慣れるには時間がかかりそうで、練習も必要になりそうだ。
ちなみに、ジェスチャー操作のランチャーの左右に置かれたアプリは、設定で変更することができた。設定を見ると、電話を取ったり、アラームを止めたりといった操作もできるようだが、急ぎのときは、画面をタッチした方が速いかもしれない。
LG G8 ThinQの主な使用は次のとおり。ディスプレイは6.1インチで19:5.9のQHD+。メモリ(RAM)は6GB、ストレージ(ROM)は128GBになる。
カメラはスーパーワイドが16メガピクセル、標準が12メガピクセル、ズームが12メガピクセルだが、こうした仕様はキャリアや地域によって異なるという。
サイズは151.9×71.8×8.4mm。重量は167gで、3500mAhのバッテリーを内蔵する。5Gには非対応だが、チップセットはクアルコムのSnapdragon 855を採用する。