【Mobile World Congress 2017】
カタロニア・サーキットでコネクテッドカーの実車デモ、ファーウェイ×ボーダフォン
2017年3月6日 16:12
ファーウェイとボーダフォンは、MWC会期中、メイン会場から40分ほどの距離にあるカタロニア・サーキットのサブコースにおいて、コネクテッドカーのデモを行った。
ヨーロッパでITS通信として利用されている5.9GHz帯を活用。セルラーV2Xという新しい技術を使い、4つのデモを実施した。
前のクルマが止まれば後ろに伝える
一つ目は前方のクルマが赤信号に止まった際、後方のクルマに赤信号だということを伝えるデモだ。セルラーV2Xの車車間通信により、前方が赤信号で止まったということを、ダッシュボードのモニターに表示されるようになる。
前のクルマから映像を送る
2つ目は、前方のクルマに設置されたカメラの映像を後方のクルマのダッシュボードに表示するというもの。くねくねした山道など、前方の状況を見通せない時の需要を想定している。映像のやりとりとなり、距離が離れていても使えるようにと、デモでは車車間通信の5.9GHz帯ではなく、ボーダフォンの商用ネットワークに切り替えて接続されていた。
歩行者と通信
3つめは歩行者との通信だ。歩行者を想定したマネキンにも5.9GHz帯を発信する装置を設置。歩行者にクルマが近づくと、ダッシュボードに歩行者がいるということを知らせてくれる。
また、4つめとして、前方のクルマが急ブレーキを踏んだ際に、後方のクルマに伝えるというデモも行われた。
実際にデモカーに乗ってみたが、前方のクルマや歩行者が近づく瞬間に、ダッシュボードのモニターに注意喚起のメッセージが表示されることで、安全性が高まるように感じた。
ただ、技術的には実装が可能でも、法整備やすべてのクルマがセルラーV2Xに対応しないことには、メリットを出しにくいという課題がある。
特に日本においては、ITSで活用する周波数が700MHz帯ということもあり、海外で導入が進む5.9GHz帯とは相性が悪い。このままでは日本独自の進化を指定してしまうことも予想されるため、早期に国際的な歩調を合わせることも重要となりそうだ。