【Mobile World Congress 2014】
エリクソンブース、手のひらサイズの基地局などを展示
(2014/2/28 14:16)
エリクソンのブースには、LTEに関するソリューションや最新のモデムチップが展示されていた。
日本では、ソフトバンクモバイルと一緒にトライアルを行っていくのが、「Radio Dot」と呼ばれる屋内エリア用のシステム。手のひらサイズのコンパクトな基地局を、無線ユニット「Indoor Radio Unit」に接続して利用する仕組みのものだ。1台のIndoor Radio Unitには8台のRadio Dotを接続でき、接続にはイーサネットケーブルが利用できる。
日本で年内にサービスが開始される、VoLTEのデモも行われていた。エリクソンのブースでは、VoLTEのコーデック別に音を聞き分けることができる工夫がされていた。同社が用意していたのが、年内の標準化を予定しているという「EVS」というコーデック。「AMR-WB」や「AMR」といたコーデックより周波数が広いため、より細かな音まで正確に聞き取ることができる。VoLTEから回線交換の音声へのスムーズなハンドオーバーを実現する「SVCRR」という技術のシミュレーションも行われていた。
エリクソンは、合弁会社だったSTエリクソンの事業を継承し、モデムの開発にも乗り出している。ブースではこのモデムも展示されており、1つの回路でキャリアアグリゲーションが可能という点が他社製のモデムとの大きな違いで、結果として消費電力を抑えることにつながっている。キャリアアグリゲーション非利用時、利用時とも、さほど変わらない電力で通信できる様子を示すデモも行われたいた。このモデムを搭載した端末は、近々登場する予定。ここには、スマートフォンも含まれるという。20MHz幅×2のキャリアアグリゲーションや、VoLTEにも対応している。
Mobile World Congressのテーマの1つにもなっているネットワークの仮想化についての取り組みも紹介されていた。これはMMEなどの通信用設備をソフトウェアを用いて仮想化するソリューションのこと。既存の設備に追加でき、汎用的なサーバーで動くことも特徴。MVNOやM2M向けに、新たな設備を追加しやすくなるのがキャリアにとってのメリットとなる。