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ドコモの音声通話、さらに高音質になった「VoLTE(HD+)」

 NTTドコモは、2016年夏モデルにあわせて、従来よりもさらに高音質な通話を実現する「VoLTE(HD+)」を導入する。対応機種同士であれば、FMラジオ相当という高音質な通話ができるようになる。

「VoLTE(HD+)」
【「VoLTE(HD+)」のイメージ動画】

 ドコモの音声通話は、3Gの通話が固定電話相当(300Hz~3.4kHz)で、LTE対応機種で利用できるVoLTEがAMラジオ相当(50Hz~7kHz)という音質だった。今回提供されれる「VoLTE(HD+)」では、さらに広い50Hz~14kHzという音声帯域に対応した。ちなみに人間の耳で聞こえる帯域(可聴域)は20Hz~20kHz程度とされる。

 「VoLTE(HD+)」では、音声コーデックとして「EVS(Enhanced Voice Services)が採用された。EVSは3GPP標準の超広帯域対応の次世代通話用コーデック技術(圧縮技術)で、データ量は従来と同様ながら、高音質な通話を実現する。

 「VoLTE(HD+)」は国際ローミングの「WORLD WING」においても、VoLTE国際ローミングに対応する国・地域にて、対応機種同士で利用可能。国内と海外の通話のほか、双方が海外の渡航先にいる場合にも対応機種同士で利用できる。

 このほか、「メロディコール」の音楽も「VoLTE(HD+)」対応機種では高音質に聴こえるサービスが、2016年度内にスタートする予定になっている。

5月11日開催の発表会では高音質を体験できるデモも

VoLTE通話中のアイコンは「HD」「HD+」に

 「VoLTE(HD+)」は対応機種同士でのみ利用でき、当初は2016年夏モデルである「Xperia X Performance SO-04H」「Galaxy S7 edge SC-02H」「AQUOS ZETA SH-04H」の3機種で利用できる。

 通話時、VoLTE対応機種であれば画面上に「通話中(高音質)」と表記されてきたが、2016年夏モデル以降は変更され、通常のVoLTEであれば『HD』、「VoLTE(HD+)」であれば『HD+』というアイコンが表示される。

通話中のイメージ
「VoLTE(HD+)」に対応する「Xperia X Performance SO-04H」「Galaxy S7 edge SC-02H」
「Xperia X Performance SO-04H」の「HD+」アイコンの表示
「Galaxy S7 edge SC-02H」の「HD+」アイコンの表示

 なお、従来のドコモのVoLTEと同様に、「VoLTE(HD+)」も標準化された規格をシンプルに端末に実装する形をとっている。例えば今後、海外メーカーなどがEVSを採用したVoLTEを端末に実装した場合、これらの端末と今回のドコモの「VoLTE(HD+)」対応端末は、どちらもドコモ回線であれば、高音質な通話が可能になる。

 SIMロックを解除しても、ドコモ回線なら、対応端末同士で「VoLTE(HD+)」は利用可能。MVNOのSIMでも同様に、ドコモ回線であれば対応端末同士の通話ではVoLTEや「VoLTE(HD+)」を利用できる。

関口 聖

太田 亮三