【Mobile World Congress 2010】
オープンプラットフォームへの取り組みを説明するKDDI


海外市場との違いを交えつつKDDIの取り組みを解説した重野氏

 KDDIのオープンプラットフォーム部長、重野卓氏はクアルコムのブース内で「Growth of app market and new trend in Japan(邦題:日本のアプリマーケットの成長と新たなトレンド)」と題する講演を行った。

 冒頭、重野氏は「データARPUとアプリ(コンテンツ)の売上はまだまだ伸びている」と日本市場の動向を説明。データのARUPが2300円、課金への平均支払額が590円であるとし、「BREWの上で、コンテンツプロバイダーはイノベーティブなサービスを提供できている」と語った。

 続けて重野氏は、LISMOの着うたフルや、電子ブックの現状に言及する。「着うたフルは3億ダウンロードで、ほとんどがケータイから直接ダウンロードしている」(重野氏)というように、日本固有の事情を交えつつ、KDDIのサービスの軌跡を解説した。

 また、電子ブックは「数字は明かせないが、2年で2.5倍のダウンロードになっている」(重野氏)という。このほか、「au Smart Sports」や「EZナビウォーク」なども紹介した。

データARPUやコンテンツへの平均支払額スライドで数を示しつつ、ケータイからのダイレクトダウンロードが多いと説明
電子ブックのダウンロード数も、順調に伸びている100万以上の加入者がいる「au Smart Sports」
2003年から取り組んできたナビは、現在300万以上のユーザーが利用中

 これらのコンテンツやサービスは「小さな画面のフィーチャーフォンで提供され、そこに最適化してきた」(重野氏)。日本でスマートフォンへの移行が海外よりも緩やかな理由は、ここにある。ただ、「iPhoneが日本のマーケットに登場して、その状況も変わりつつある」(重野氏)という。

 重野氏は、キャリアのEメールへの対応や分かりやすいユーザーインターフェイス、コンシューマモデルに適した端末デザインなどを取り込む必要性を述べ、「スマートフォンをニッチからメインに変えていきたい」と意気込んだ。

日本のスマートフォン市場の説明KDDIが投入するスマートフォンの概要

 「このインパクトを最大化する」(重野氏)ために、KDDIでは昨日発表された「アプリマーケット」を開設する。重野氏は「世界中のアプリにオープンと、10年のノウハウを継承したものになる」と概要を語り、「ローカルなアプリを集めたり、リコメンデーションやセキュリティを強化する」とした。

 講演が行われたクアルコムブースは「App Planet」という、世界のアプリ開発者やコンテンツプロバイダーが集まるホールに設置されている。こうした事業者に対し、重野氏は「たくさんの方々に参加してほしい」と呼びかけ、プレゼンテーションを締めくくった。

マーケットはオープンな強みを活かしつつリコメンドなどを強化BREWアプリとオープンプラットフォームアプリの関係

 



(石野 純也)

2010/2/18/ 14:46