【CES 2020】

Pundi X、ブロックチェーンスマホの「Blok on Blok」をCES Unveiledで披露

 1月7日(現地時間)に米ネバダ州ラスベガスで開幕する「CES 2020」に先立ち、一部出展者が展示内容を公開する「CES Unveiled」が5日に開催された。

 スマートフォンそのものの展示は非常に少なかったが、シンガポールに拠点を置くスタートアップで、ブロックチェーンデバイス開発企業のPundi Xがブースを出展。ブロックチェーンを採用した「Blok On Blok(BOB)」を披露した。

ブロックチェーン採用端末のBOB

 同社は2019年のCESに、ブロックチェーンスマートフォンのコンセプトモデルである「XPhone」を出展していた。BOBは、その製品版という位置づけ。日本では、クラウドファンディングサイトのCampfireで出資を募っており、3月に出荷される予定とのこと。XPhoneからは、名称を変えただけでなく、外観をユーザー自身でカスタマイズできるような仕組みも取り入れられた。なお、BOBの名称や新たなデザイン自体は、9月にドイツ・ベルリンで開催されたIFAで発表されている。

 この仕組みをPundi X社は「MODアセンブリーキット」と呼び、3Dプリンターなどで自由にパーツを作って取り付けることもできるという。元々、XPhoneは「データをユーザー自身がコントロールできる」(説明員)匿名性の高さを売りにしていたが、BOBでモジュールデザインを採用したことで「デザインも自分自身でコントロールできる」(同)ようになった。

MODアセンブリーキットが付属。ユーザー自身がデザインをコントロールできるのがコンセプトだという

 シンプルな見た目だったXPhoneとは一転し、まるでタフネススマートフォンのような重厚感あるデザインになっている。MODアセンブリーキットにはそれぞれのパーツが収められており、これをユーザー自身で組み立てる。なお、CES Unveiledの会場には、MODアセンブリーキットを取り付けた端末の実機はケースの中に収められており、報道陣が触れられたのはモックアップと“中身”ともいえるシンプルな外観の端末のみとなる。

まるでタフネススマートフォンのようなゴツイ外観

 大枠のコンセプトはXPhoneのころと同じで、一般的なAndroidと、ブロックチェーンを採用した「Function X OS」を切り替えることが可能。電話番号の代わりにIDを使って発信、着信できたり、ブラウザでHTTP、HTTPSの代わりにFXTPのプロトコルを使えたりといった機能を備える。ブロックチェーンを採用した「DApp」が動作するのがFUNCTION X OSだが、通常のAndroidに切り替えれば、一般的なスマートフォンと同じアプリをGoogle Playストアからダウンロードすることもできる。

Function X OSとAndroidを切り替えて使用できる。写真はIDで電話発信しているところ

 端末自体は、ミドルレンジのスマートフォンで、チップセットにはSnapdragon 660を採用。メモリ(RAM)は6GB、ストレージ(ROM)は128GBで、背面には4800万画素のカメラを備える。ディスプレイサイズは4.97インチで、有機ELを採用。バッテリー容量は4500mAとなる。OSはAndroid 9.0ベースで、これもコンセプトモデルのXPhoneのころから変わっていない。

 ちなみに、Campfire上では19年12月26日に目標金額の100万円を達成。2月1日まで支援を行える。価格はどのリターンを選択するかにもよるが、おおむね7万円以下。2020年のCESでは、「INNOVATION AWARDS」を受賞している。