【CES 2018】

睡眠ログに筋トレ支援、活動量計だけじゃないヘルスケアデバイス

 CESの西会場、Sands Expoの上フロアは、巨大な展示ホールになっていて、さまざまなジャンルの製品がひしめき合っていた。最大のジャンルは「Smart Home」だが、それに次ぐ「Health & Wellness」、つまり健康系は、入り口に近いところにエリアがあり、重要なジャンルとして扱われている。

 しかし、今年はFitbitが商談ブースのみになるなど、アクティビティトラッカー分野の大手はNokia(旧Withings)とFOSSILくらいで、それ以外のヘルスケアというと専門的な医療向けデバイス展示の割合が増え、コンシューマーデバイスはやや目立たなくなっている印象を受けた。

 ここではCES会場で目についた健康関連のデバイスをピックアップしてレポートする。

睡眠ログデバイス「Nokia Sleep」

 今年のCESでは、Nokiaは買収した旧Withingsの製品群をNokiaブランドで展示していた。新製品としては、「Nokia Sleep」が紹介されていた。

Nokia Sleep
こんな感じでベッドマットの下に敷いて心拍まで計測できる。Auraも同様だが、わりと不思議

 Nokia Sleepはベッドマットの下に敷く睡眠専用のトラッキングデバイス。睡眠時間や眠りの深さ、心拍、いびきなどを計測できる。

 旧Withingsで売られていた「Withings Aura」の後継ともいえる製品だが、Auraには枕元に設置するコントロール・アラームユニットがあったのに対し、Sleepはセンサーユニットのみとなっている。その分、価格は低廉化しているが、目覚まし機能は搭載していない。新たにIFTTTとの連携に対応し、たとえば起きたら電気をつけるといったことが可能になる。IFTTT連携機能は、Auraでも使えるようになるという。

 日本での発売は未定とのことだが、前モデルAuraは一時期日本で販売されていて、今回の製品も日本語で紹介メールが届いているので、日本で発売する可能性は高いとみられる。

 ブースではほかのWithings系のNokia製品も展示されていたが、ブースの裏手ではNokiaのスマートフォン・フィーチャーフォンも展示されていた。

Alexaとも連携する。Alexaがオレの体重を知る時代
復刻版Nokia 3310も展示されていた

心電図もスマホに表示する次世代血圧計

腕時計型血圧計

 オムロン ヘルスケアは腕時計型や心電図測定機能を搭載する次世代血圧計のプロトタイプを展示していた。

 腕時計型のモデルについては、すでに会期前イベントUnveiledでもレポートしているが、こちらは昨年にプロトタイプが披露された製品で、今年展示されていたものはほぼ製品版に近いものとなる。あとは機能の調整と各国政府の医療測定機器としての認可を行う段階だ。

 同社は参考出品として、心電図測定にも対応した血圧計も展示している。既存のスマホ連動血圧計をベースに本体側面に電極を搭載し、その電極を触ることで心電図を測定し、スマホで表示できる。こちらはプロトタイプで、製品化までまだ時間がかかる段階。製品版では電極は本体側面ではなく、血圧と同時に心電図も測定できるようなデザインになる可能性があるとのことだ。

心電図対応の血圧計
このように心電図がスマホ・タブレットに表示される

筋肉の運動をリアルタイムで測定する「Humon」

 「Humon」は筋肉の酸素消費量をリアルタイムで測定し、トレーニングに生かすというトレーニング補助デバイスだ。測定したい筋肉、たとえば腿などに装着して利用する。一見すると健康維持のためのアクティビティトラッカーにも見えるが、より高度な測定を行うことで、パフォーマンス向上のためのトレーニングを補助する。

透明マネキンでやや見にくいが、こんな感じで腿に装着する
アプリはこんな感じ。専門度合いが強いので筆者にはよくわからない

最大45本分のドリンクを生成できるボトル「LifeFuels」

 「LifeFuels」はボトル型のデバイスだ。CESのInnovation Awardを受賞している。

 最大3本の濃縮液ボトルを装着でき、水を入れておくと、ボトル1本あたり最大15回分、フレーバーや栄養素入りの飲料を生成できる。スポーツの最中の水分補給や栄養補給、リラックスするためのフレーバー飲料などの利用を想定している。スマートフォンとも連動し、残量確認や飲むタイミングの通知なども行ってくれる。こちらは今年半ばに149ドルで発売される予定。

LifeFuels
構造はこんな感じ。下半分は濃縮液の収納スペース
濃縮液は何種類か用意される。もちろん水は別途必要