【CEATEC JAPAN 2017】

人間と連動するロボット、会話できるARキャラクターなどを展示するKDDIブース

LTEドローンも展示

 KDDIとKDDI研究所は、「CEATEC JAPAN 2017」をあわせて複数の新技術を発表。ARを活用した対話システムや、AIによる自動運転など、5G時代を見据えた内容となっている。

ロボットの視点と操作を連動、触覚も伝える「TELESAR V」

 KDDIが出資したベンチャーTELEXISTENCEは、ロボット「TELESAR V(テレサ・ファイブ)」を展示。ロボットの視点をVR空間で共有し、オペレーターの腕の動きをロボットが反映して動くというもの。触覚フィードバックも組み込まれており、ロボットの自分の“アバター”のように動かすことができる。

音を“ズーム”するVR向け音響システム

 KDDI研究所が同日発表したVR向け音響システム(※関連記事)は、360度映像が写している方向にあわせて音の聞こえ方を調整する技術。

 360度の映像の一部をズームすると、まるでズームした方向に向いているかのように、音の聞こえ方が変わる。6台のマイクで立体的に収録し、端末上の処理によって、画面内のズームした位置で聞こえるであろうステレオ音響を合成しているという。

ARキャラと会話

 KDDIでARを活用したシステム「ミク☆さんぽ」を開発しているチームは、AR空間内のキャラクターと対話できるというシステムを展示。今回のキャラクターは初音ミクではなくKDDIのアシスタントアプリに登場する「レナ」。

 「レナ」をAR技術で画面に表示しながら、音声認識で質問した内容に答えるという展示で、5Gに関することやレナ自身の趣味・年齢などの質問に答えられるようになっていた。

画像認識+AIでかざすだけの貸出アプリ

 同研究所は、自動車にスマートフォンのカメラをかざすだけで駐車場からレンタカーを借りられるシステムのコンセプト展示も行っていた。

 スマートフォンのカメラに車をかざすと、車種を認識してレンタカーの貸出画面に移動、そのまま借りる手続きを経て自動車のエンジンの始動まで行える。

VRで住宅内覧

 VRの活用例として、住宅内覧システムを展示。マンションの内部をVR空間上で再現したもので、特徴はアテンダントとなるキャラクターの存在。人間のオペレーターが話した言葉を、VR空間のアテンダントの言葉として再生できる。5Gが実用化後は、自宅からスマートフォンを通じて住宅内覧が可能なサービスを目指しているという。

譲り合う自動運転AI

 KDDI総合研究所が北海道大学とともに取り組んでいる実証実験は、人間のドライバーのように道を譲る自動運転プログラム。

 ライトや交通ルールといった人間と同じ判断材料を用いて道路を走行するプログラムで、会場ではラウンドアバウト(環状)交差点を模型で再現した映像による展示が行われていた。AIによるシミュレーションを重ねることで、当初はぎこちなかった譲り合いのシステムが成長し、スムーズに走行できるようになったという。