携帯から企業内PCを操作できる「mobile2PC for Business」


 株式会社キットピークは6日、専用iアプリをインストールしたNTTドコモの携帯電話から、企業内のリモートデスクトップ(以下RDP)やCitrixの仮想デスクトップ環境に接続し、遠隔操作が可能となる法人向けのリモートアクセスソフトウェア「mobile2PC for Business」を発売した。

 1台のPCと最大3台の携帯電話で利用できるスターターパックが同社サイトからダウンロードできる。スターターパックは携帯電話3台まで利用できる3ライセンス限定版となり、45日間無料で試用できる。購入価格は1万5750円。3ライセンスを超えるライセンス数を購入する場合は、個別見積もりとなる。

 「mobile2PC for Business」は、すでにリモートデスクトップや、Citrix導入済みの企業では、「mobile2PC for Biz GWサーバ」を設置するだけで、既存の社内サーバーや社内PCに手を加えることなく、iアプリからRDP/Citrix環境にアクセスが可能となるソリューション。

 「mobile2PC for Business」で提供される専用のiアプリ「mobilePC for Biz iアプリ」では、通常の「リモートデスクトップ接続」のように、ドメイン、コンピュータ名、ユーザー名、パスワードなどの入力が可能で、任意のリモートPCにアクセスすることができる。



液晶解像度が960x480ピクセルの「F-09A」で、60%縮小指定にして、1600×800ピクセルのデスクトップ全体を表示した例

 ログオン時には、リモートデスクトップの縮小指定・サイズ指定もでき、携帯電話の高精細な液晶サイズに合わせることで、スクロールすることなくデスクトップ全体を見ることも可能。液晶解像度が960×480ピクセルの「F-09A」の場合、「60%縮小」を選択することで、1600×800ピクセルのデスクトップを液晶画面いっぱいに表示することができる。

 インターフェイス面では、遠隔操作時のリモートデスクトップのマウス操作など、ほぼすべての操作をドラッグ、タップなどのタッチパネル操作で行うことができる。液晶画面にタッチすると、タッチ位置が拡大表示(タッチ・ビュー)され、指をずらす(ドラッグ)ことでポイント位置の微調整もできるタッチ・ビュー機能も搭載した。

 対応する携帯電話機種は、240×320ピクセル以上の解像度をもつNTTドコモのSTYLEシリーズ、PRIMEシリーズ、SMARTシリーズ各機種、およびPROシリーズのSH-04A、SH-90Xiシリーズ(D902iSを除く)およびSH-70Xiシリーズ。

 リモートデスクトップ側のOSは、Windows Server 2003 R2/2008、Windows XP Professional、Windows Vista Buisiness/Ultimatte/Enterprise、Windows 7 Professional/Ultimate/Enterpriseに対応。Citrixの仮想デスクトップ環境では、Citrix Presentation Server 4.0/4.5/XenApp 5.0をサポートする。

 株式会社キットピークでは、個人ユーザー向けの「mobile2PC」を2005年10月より提供開始。「mobile2PC」は、NTTドコモの携帯電話からiアプリを使って、自宅PCの遠隔操作に加え、自宅PCから動画・音声を自分の携帯電話にストリーミング配信できる機能を搭載している。

 なお、セキュリティ面では、上述の個人向け「mobile2PC」では、QRコードによる独自の共通鍵(128bit)方式を採用、HTTP上にTKIP相当の暗号化を施していたが、法人向けとなる今回の「mobile2PC for Biz GWサーバ」では、RSA公開鍵(1024bit)方式を採用、SSL相当の暗号強度を実現したとしている。

インターネット接続時のネットワーク構成例

(工藤 ひろえ)

2009/10/7 10:36