本日の一品

iPhone 6 Plusを自転車に装着!「SmartPhone DryBag 6」を試してみた!

 先に断っておくが、今回レビューする「SmartPhone DryBag 6」(以下、ドライバッグ)はiPhone専用のバッグではない。販売元のTOPEAKは、自転車にマウントするためのiPhone専用のドライバッグやケースもリリースしており、筆者もiPhone 5専用の「RideCase [for iPhone 5/5S]」(以下、ライドケース)を使用していた。同社の専用マウント「ライドケース マウント」と組み合わせると、iPhoneをスタイリッシュかつしっかりと自転車にマウントできる。また、同社からリリースされているライドケースやバッグと互換性があるため機種変更した際にはケースのみを追加購入すれば対応できる点も気に入っていた。

以前使用していたiPhone 5sと「ライドケース」の組み合わせ。ケースは普段から付けっぱなしのままで、「ライドケースマウント」を介して着脱する。カッチリとした装着感が◎

 しかし、である。同社からいつまで経ってもiPhone 6 Plus対応のライドケースがリリースされないのだ。自転車にマウントできないと、個人的に位置ゲーム「Ingress」をスムーズにプレイできないという問題が生じる。これは悠長に発売を待っているわけにはいかない。

 そんなわけで、6インチスマホの汎用ケースであるSmartPhone DryBag 6がiPhone 6 Plus用にも使えるのではないかと思い立ち、購入するに至った。このドライバッグは、ハードケースを固定するライドケースとは異なり、柔軟性のあるバッグにスマホをすっぽりと収めてしまうタイプだ。あくまでも6インチクラスのスマホに対応したバッグであってiPhone専用ではないが、購入を検討しているiPhone 6 Plusユーザーもいるのではないかと思うので、使用感をお伝えする。

バッグとホルダーユニットがセットになっており、自転車のハンドルバーなどにセットできる。

 まず製品の中身だが、バッグとそれを自転車のハンドルバーやステムなどに固定するためのホルダーユニット(結束バンド)のセットとなっている。筆者の場合は先述した角度調整可能なライドケースマウントで自転車に装着しているが、標準のホルダーユニットの場合は一定の角度で固定することになる点に留意してほしい。バッグは二重蓋になっていて、ジップロックなどでおなじみのビニールジッパーで口を閉じ、さらにマジックテープで蓋を固定する仕組み。柔軟性のあるバッグに収めることで耐衝撃が備わり、画面もすべてタッチパネル対応のビニールで覆うことでドライバッグの名が示すとおり防水対応となっている。

ホルダーユニットをセットした状態。取り外し可能だが、装着すると角度も固定される。ホルダーユニットには縦横どちらの方向にでも装着できる

 筆者の自転車のハンドルバーにはすでにライドケースマウントが装着済みなので、そこにiPhoneを封入したドライバッグをはめ込むだけでセット完了となる。サイズは高さ170×幅100×厚さ15mm程度と、6インチ用のバッグだけあって相当大きい。場合によっては邪魔にならない位置を探る必要があるだろう。

 先に別売のライドケースマウントについて説明しておこう。ハンドルバーにはホルダーユニットで装着するのだが、バッグやケースを装着したまま左右に90度回転ができる上、前後の角度をシームレスに調整可能というスグレモノだ。価格が3000円前後とドライバッグよりも高価だが、TOPEAKのライドケースやバッグを使用するなら、使い勝手を劇的に向上してくれるので併用をオススメする。

ハンドルにドライバッグを装着した状態。シフトレバーなどに干渉しないようにセットする
筆者は「ライドケースマウント」を利用しているので、そのまま回転させることもできる。標準のホルダーユニットの場合は、いったん外して横向きに装着することが可能だ
ライドケースマウントは前後の角度をシームレスに変更できる。反射して画面が見えない場面では特に有効
ライドケースマウントを寝かせた状態。TOPEAKのケースを購入するなら、導入する価値のあるアイテムだ

 次に今回の主役となるバッグ部分だ。タッチパネルの操作は良好だ。非常にスムーズで誤動作は少ない。サイズ感は、iPhone 6 Plusに対してバッグがやや大きい程度だ。左右に空きができるが、走行中に中身のiPhoneが暴れるようなことはない。ただしiPhone 6 Plusの場合、左右の電源ボタンやボリュームボタンの操作がやや難しくなる。筆者の場合、以前レビューした「Bunker Ring」を使用していることもあり、iPhoneをピッタリとはめ込むライドケースはそもそも装着できない。その点では、Bunker Ringを装着したまま封入できるこのドライバッグは好都合だ。

ビニール越しにタッチパネル操作をするが、感度に問題なし。ただし、バッグを閉じるときに空気が入りすぎると膨らんで操作しづらくなるので注意が必要だ
iPhone 6 Plusを入れた場合、左右に空きができる。見た目以外に特に不具合は生じない

 一方で、二重蓋の開け閉めは手間がかかり、片手で出し入れできないという難点がある。ライドケースはiPhoneに装着したままで、自転車に着脱するだけでよかった。ドライバッグもホルダーユニットから取り外すことは容易だが、ただでさえ大きな端末がふた回りほど拡大されたサイズになってしまうので、普段からiPhoneをバッグに入れたまま使用するのは現実的ではない

防水機能を備えるバッグだけに、封入作業は少し手間がかかる。まず口を左右から押し開き、端末を挿入する
端末を入れたら空気を抜いてビニールジッパーをしっかりと閉じる
ビニールジッパーを閉じたら、そのままクルクルと丸める。念のための防水対策かと思われるが、見た目は不格好だ
最後にマジックテープで二重蓋を閉めて封入完了となる。一度装着してしまうと、出し入れはやや面倒だ

 また、iPhone専用ではないので、Touch IDやカメラも使用できなくなってしまう。例えば、移動中に写真を撮りたい場面に遭遇しても、いちいちバッグから取り出して撮影し、終わったらまたバッグにしまうという作業が必要になる。自転車に装着した状態では通話もやや厳しい。スピーカーにすれば相手の音声は聞こえるものの、こちらの声は籠もってしまい、大きめの声で話さなければ会話できない。また、画面の反射の問題もある。iPhoneのディスプレイは低反射なので屋外でも使用に耐えるが、ドライバッグのディスプレイカバーは容赦なく周囲のものを反射する。太陽光の下では光の反射で見づらく、周囲の建物などが写り込む場所ではまったく見えなくなる。筆者の場合はライドケースマウントの角度を調整することで、ある程度回避できるが、ホルダーユニットで固定されている場合は致命的だ。

当然屋外で使用することになるのだが、明るいところでは見づらいので必ず日陰で画面を見ることになる。写真はビルが写り込んだ状態だが、これではまったく見えない

 さらには冬場特有の問題も生じた。自転車に乗る際には確実にグローブか手袋をしているため、仮にタッチパネル対応のものであってもバッグ越しに操作することはできない。操作するときにはいちいちグローブを外す必要がある。

タッチパネル対応のグローブをしていても、バッグ越しには操作できない。冬場は必ずグローブか手袋をしているので、操作するときには外すことになる

 なお、画面をタップする際、縦表示で上のほうの画面を押すとバッグの柔らかさで後ろに動いてしまい、やや心許ない。

 SmartPhone DryBag 6は、ポタリング中、信号待ちなどで地図を参照するには便利なバッグだ。今回レビューしたのが冬場だったこともあってグローブをした状態では手間がかかったが、タッチパネルの操作にも大きな問題ない。そしてこの製品の最大のウリは、不意の雨などにも対応できる防水性にある。それゆえ、特にiPhone 6 Plusの場合はボリュームボタンや電源ボタンの操作には難があり、かといってバッグから出し入れするのは非常に面倒だ。これは他のAndroid端末でも同様だと思われる。特にライドケースからの切り替えを考えているユーザーは、使用感が異なる点を考慮した上で購入を検討した方がいいだろう。

製品名販売元購入価格
SmartPhone DryBag 6TOPEAK2823円

矢野裕彦