本日の一品
手のひらサイズでもちゃんと飛ぶマルチコプター!「Parrot Rolling Spider」
(2014/9/25 06:00)
ここ数年、ホビーとしてだけでなく、空撮用機材としても盛り上がっているのが、ラジオコントロール(以下、RC)のマルチコプター。ドローンとも呼ばれる、このRC機はさまざまな種類が登場しているが、その元祖と言える「AR.Drone」を開発したパロット社から待望の超小型タイプ「Parrot Rolling Spider」(以下、Rolling Spider)が登場した。私自身、今年の1月にラスベガスでのCESで実際に飛ぶところを見たときから「これは欲しい!」と思っていたので、早速購入。
どれぐらい「小型」かというと、14×14×4cmほど。本体のみなら手のひらから少しはみ出すほどのサイズだ。パッケージには、これに装着するプラスチック製のホイール(直径17cm/横幅17cm)が含まれている。これをつけることで地上や壁、天井を走行できる。またそれだけでなく、本体を保護したり、プロペラが人や物にあたったりする事故を減らす役割もある。
鋭い目つき(?)のデザインに愛着が沸く。目の部分はランプになっていて、バッテリーやペアリングの状態を示す。目の下の「口髭」は、付属するステッカーを使ったデコレーションのひとつ。
箱から取り出して、まずはバッテリーを装着して充電する必要がある。充電はMicroUSBをつないで行う。充電中は本体の赤いランプが点灯し、充電完了すると消えるようになっている。最初の充電には1時間ほどかかった。
次に、スマートフォンやタブレットにアプリ「FreeFlight3」をインストールする。対応機種かどうかは、Parrot社の公式サイトで確認できる。アプリを入れて、使い始めようとしたが、日本語化が不完全で利用方法がよくわからない……。そこで改めて、公式サイトのサポートページを確認すると日本語のユーザーガイドが公開されていた。これをダウンロードして読んでみたところ、付属の取り扱い説明書より詳しい利用方法が解説されていて親切だ。ただし、誤植やレイアウトの崩れがいくつか見受けられるが残念。せっかくの日本語ガイドなので改善してほしいものだ。
それでも、多少読みづらいのを我慢してガイドを読めば、使い方はすぐに理解できた。アプリと本体のペアリングは、本体の電源を入れて平坦なところに置いてしばらくするとランプがグリーンになる。そこでアプリを起動すれば自動で接続する。手順さえ間違えなければ簡単だ。
逸る気持ちをおさえて、フラットトリムボタンを押すのを忘れないように。これを押さずに飛行させると安定しない。あとは「Take Off」ボタンをタップすれば自動的に飛び立つ。特に何もしなくても、空中で安定する。安定しないときは、一度着地させて、もう一度フラットトリムボタンを押してみると改善することがあった。空中を自在に飛ばすように操作は、若干慣れがいる。あと風などに煽られると不安定になり、物にぶつかって墜落してしまう。扇風機やエアコンはオフにしておいたほうがいい。
Rolling Spiderは、物などにぶつかって衝撃があると自動的にプロペラの回転を停止させる。墜落すると、ときにはプロペラがダメージを受けることがある。実際に使っているうちに、プロペラのひとつが少し曲がってしまった。
Rolling Spiderはただ上下左右に動くだけでなく、宙返りや横ひねりなどのアクロバット飛行をダブルタップでしてくれるのも楽しい。見ている人から「おおー」と歓声があがるのも気持ちがいい。ただし、横ひねりは宙返りより広い空間が必要なので注意。室内で試したところ、家具に激突してしまった。下の動画は前転のアクションの様子。空中でくるりと回転するアクロバット飛行が簡単にできる。
もうひとつ、ユニークなのはこんなに小型なのに撮影機能を備えていることだ。Rolling Spiderの底面には小型のカメラが搭載されていて、アプリのカメラアイコンをタップすると静止画を撮影する。底面にあるカメラなので、真下向きの写真しか撮れないが、普通のカメラではありえないアングルでの撮影ができるので楽しい。
フル充電で飛べる時間は、10分弱だ。バッテリー残量はアプリ画面で確認できる。楽しくて、あっという間に電池切れになってしまう。バッテリーは交換可能なので、予備のバッテリーが欲しいところだが、現時点ではバッテリー単体の発売はされていない。
【9月25日13時、補足情報】
本記事の執筆後にバッテリー単体や予備プロペラの販売が開始されたとの情報あり。メーカーのオンラインショップやAmazon.co.jpにて。
また前述したように、プロペラが壊れそうなのも不安。折れてしまえば飛行不能だ。ちゃんと交換できるようになっているので、これの予備も早く販売してほしい。ホイール無しだと、超コンパクトでインパクトがあるが、小型とはいえ高速で回転するプロペラのことを考えると、少しでも直接、人や物にあたる可能性をさげるために、ホイールはつけたほうがいいだろう。
屋外で飛ばすときは、機体の近くに人がいないことを十分注意する必要がある。屋外で飛ばす場合はその敷地のルールやマナーがあるので、それに従うのは当然。せっかく面白いプロダクトが登場してきているのに、使い方を誤って人を危険にさらすようなことをすると規制が進んでしまうかもしれない。十分に注意して楽しみたいものだ。
製品名 | 販売元 | 購入場所 | 購入価格 |
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Parrot Rolling Spider | パロット | Amazon.co.jp | 1万1635円 |