本日の一品

単三アルカリ乾電池で動作する回転刃式シェーバー

パナソニックの「スピンネット ES6500P-W」。刃を保護するキャップとクリーニング用ブラシが付属する

 少し前から、シェーバーでヒゲを剃るとヒリヒリするようになった。最近は空気が乾燥しているせいか、ひどいときはまるで酔っ払っているかのように喉元あたりが赤くなってしまう。朝からこれは誤解されそうでちょっとマズい。

 どうにかならないものかと考えていたところ、知人から回転式シェーバーは肌に優しいという話を聞いた。さっそくパナソニックの「スピンネット ES6500P-W」という手頃な製品に目を付け、購入してみることにした。

 筆者が普段使っているシェーバーは往復式と呼ばれる一般的なタイプだ。カマボコ形の外刃の中で内刃が左右に動いてヒゲをカットする。素早く深く剃れるため、長らく使い続けている愛用品だ。対して回転式は平たいドーム形外刃の中で内刃が回転する仕組み。昔からある方式だが、筆者は使用したことがなかった。

 購入し使ってみた「スピンネット」の第一印象はかなりいい。往復式にくらべて静かで、ムズムズとした振動が手に伝わってこないのである。剃り心地についても聞いていたとおり、皮膚を削るかのような抵抗感が少なく、ソフトな感触だ。往復式が線だとすると、回転式は肌に当たる外刃が円形をしており、広い面で剃ることになるためだろうか。

 しばらく使い続けてみると、徐々に剃った後のヒリヒリ感は改善されてきた。マニュアルどおり、軽い力でゆっくり円を描くように剃っていれば、喉元の赤味も抑えられるようである。これなら人前で恥をかくのは避けられそうだ。

 ただ、気になった点もある。ヒゲは個人差が大きいので筆者の個人的な意見になるが、どうも早剃りや深剃りが苦手なようなのだ。ある程度ヒゲが伸びていると、往復式よりも剃るのに時間がかかる。深く剃ろうとして肌に強く押し付けてしまい、あとでカミソリ負けのような痛みを感じたこともあった。

 また、もみあげなどのキワを剃るには慣れが必要らしい。刃の形状が丸みを帯びているため、細かい場所を整えるのがむずかしいのである。この点では直線的な往復式の方が扱いやすいように思われた。筆者としては、どちらか一方を使い続けるのではなく、必要に応じて往復式と回転式を使い分けるつもりでいる。

 電源は単三形アルカリ乾電池2本。1日3分の使用で約1カ月動作する。乾電池式はランニングコストの面で不利かもしれないが、今回はあえてこの機種を選んだ。よく充電式シェーバーの電源プラグを差し込み忘れ、バッテリー切れで慌てるといったことがあるため、そのバックアップとしても活用したいと思ったからである。

 全長約12cm、重量は電池を含めて約125g。刃の部分が円筒状に膨らんではいるが、握り込みやすいコンパクトなボディーだ。単三形乾電池の手に入れやすさを考えると、出張や旅行などに持って行くのもよさそうである。

刃の直径は約3.5cm。広く浅く剃るのに適しているようだ
刃を取り外してみる。モーターの回転軸で直接内刃を回すシンプルな構造だ
外刃の中で回転する内刃。放射状に3本のカッターが配置されている
外刃には渦を描くように数多くの小さなスリットがあけられている
電源は単三形アルカリ乾電池2本。なお、充電式電池は使用しないよう明記されていた
電源スイッチはロック機構付き。中央の青いボタンを押しながらスライドさせる方式
製品名製造元購入価格
スピンネット ES6500P-Wパナソニック1073円

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