まず整えたいバックアップ環境に、Apple純正「Time Capsule」
「Time Capsule」 |
真っ白でシンプルな筐体がそそる |
新しくオフィスを構えることになり、自分たちのデスクやら棚やらパーティションやら打ち合わせスペースやらカーペットやらを用意して、組み立てて設置する、という七面倒くさい作業を終わらせるのに、入居から1カ月もかかった。ある程度落ち着いて仕事ができる環境になってくると、また次から次へと足りないものが出てくるわ出てくるわ。さらにいろいろな小物を片っ端から買い揃えていったのだけれど、「本業ってなんだっけ」と我に返ってみると、一応、モノを書く仕事なわけで、もしかして万一のためのバックアップ環境が一番大事なのでは、とふと思った。いつでもおいしいご飯を食べられるようにと、コシヒカリと炊飯器を用意して社内福利を充実させている場合ではないのだ。メインマシンはMacBook。Macでバックアップを取るなら、Apple純正の「Time Capsule」で決まり、だろう。
手軽に大容量のバックアップをとりたいなら、光学ドライブで書き出すよりは外付けHDDの方が効率的だ。安価なUSB接続のHDDを選ぶ手もあるが、オフィスの複数人が気軽にバックアップできるようにするには、ネットワーク経由でアクセスできるNASが便利。NASも最近はかなり安くなってきているようで、2TBというものすごい大容量でも1万円台からと、驚くほどのコストパフォーマンスのよさだ。とはいえ、現在オフィスに常駐している最大4人のうち3人がMacBookというMac率の高さもあり、相性を考えてAppleの「Time Capsule」をチョイスした。全員が頻繁にバックアップしても困ることのないよう、最大の3TBモデルを選んだので、4万円超とかなり高くついた……。
が、「Time Capsule」を選択したのには、他にも理由がある。バックアップには、もちろんMac OS Xの標準のバックアップ機能「Time Machine」を使うのだが、これを確実に、トラブルなく使いたかった。少し前に自宅でのバックアップ用として「Time Capsule」ではない、別メーカーのNASを購入したところ、大失敗。「Time Machine」対応をうたっているにもかかわらず、いったんMacBookをスリープさせてしまうと認識されなくなる問題が……。再びバックアップできるようにするにはMacBookを再起動しなければならなかった。ユーザーが意識することなく勝手に時系列でバックアップを残してくれるのが「Time Machine」のいいところなのに、さあ、バックアップするぞ、と意気込んでOSの再起動から始めるのはなんかおかしいと感じていた。
そういった点で、やはり純正の「Time Capsule」には安心感がある。これまで2カ月以上使っていても、スリープ後にバックアップできなくなるといった不具合は発生していないし、他メーカーのNASでは必須だった「Time Machine」を使えるようにするための特殊な設定なんかも当然不要。それに加えて、いまいち調子のよくなかった無線LANルーターの代わりに「Time Capsule」を使えたのはうれしい誤算だった。単にHDDを積んでいるだけでなく、IEEE802.11n対応の無線LANルーターとしても動作させられるため、ネットワーク周りの機材は「光回線用のモデム」と「Time Capsule」のみという、シンプルな構成に落ち着いた。
オフィスのスタッフがもっと増えてきた暁には、今のネットワーク構成とバックアップ環境では不満が出てくるかもしれないが、その場合は広さの面でオフィスの移転も検討しなければならない。今回の事務所設立の一件で、無用なトラブルを起こさずに滞りなく仕事できることのありがたさがわかったし、本来の目的(本業)とは直接関係ない部分に手間をかけるのは本当によくないということにも改めて気づかされた。多少高価でも確実に動くハードウェアを選ぶべきで、多少お金がかかっても家具類の組み立てや内装工事はプロにお願いするべきだ。特にタイルカーペットを敷くのは自分でやらないほうがいいと思った。
Mac OS Xでのバックアップには「Time Machine」がやっぱり便利 | 初回のバックアップはさすがに時間がかかるが、その後は差分更新になるので高速だ |
「AirMac ユーティリティ」で設定すれば、無線LANルーターとしても使える。小規模オフィスならこれで十分なのでは | ネットワーク機材を置いているオフィスの一角は、ご覧の通りすっきり |
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
Time Capsule | Apple | 4万4400円 |
2012/9/10 06:00