スマホだけで設定OK! 簡単・安全の「AOSS2」搭載無線LANルーター


3本のアンテナが特徴的な「AirStation WZR-450HP」

 新しい無線LANルーターを導入するときに、無線LANやインターネットの接続設定が面倒だと思ったことは、そんなにない。パソコンから有線で接続してルーターの管理画面にアクセスし、セキュリティ設定を施してから、他にも何台かある無線LAN機器を1台ずつ操作してSSIDとパスワードを入力……なんていうのは、それほど……いや、たしかによく考えてみれば手間だ。定期的にパスワード変更することも考えたらものすごく面倒くさい! でも、「AOSS2」という仕組みを備えるBUFFALOの無線LANルーター「AirStation WZR-450HP」があれば、これらの問題を解決できる、らしい。

 量販店の無線LAN関連のコーナーに行くと、簡単に使い始められることを謳う文句がいくつも並んでいるのを見かける。手動設定派だった筆者は、本当に簡単に設定できたとしてセキュリティはどうなの、と懐疑的に思っていた。が、恥ずかしながら今さらのように調べてみたら、なるほど、たしかに初心者向けの仕組みと言えなくもないけれど、十分な内容で、みんなこれで設定すればいいんじゃないの、と思えたのだった。本当に気がつくのが遅い。

 簡単に説明すると、無線LANにおける接続設定の手間や、セキュリティリスクを軽減する仕組みには、「WPS」やNECアクセステクニカの「らくらく無線スタート」、バッファローの「AOSS」の、代表的な3つの方式がある。ただ、無線LANルーター(アクセスポイント)はもちろん、接続する機器側もこれらの仕様に対応している必要があったり、場合によってはクライアント側に別途専用アプリをインストールしなければならないこともあって、今ひとつ決定力に欠けるイメージ。特にiPhone/iPadは基本的にはどの方式にも対応していないので、パソコンなどで無線LANルーターの初期設定しつつ、SSIDとパスワードを端末側に入力して接続するしかなかったりする。そんな中にあって、今回紹介する「AirStation WZR-450HP」は、バッファローが開発したAOSSに続く新しい方式「AOSS2」を採用することで、iPhone/iPadでも簡単にセキュリティレベルの高い状態でインターネット接続の設定ができる、というのがウリなのだ。

 「AOSS2」での設定手順は、まずルーターの本体正面にあるAOSSボタンを押した後、iOSのWi-Fi設定で“!AOSS”から始まるSSIDを選び、Webブラウザーを起動する。適当なWebサイトにアクセスしようとすると、強制的にルーターの設定ページに遷移して、製品パッケージに同梱されている3桁の数字を入力することになる。あとは画面の指示に従って操作していけば、最後の“プロファイル”をiPhone側にインストールするところまで、ほとんどボタンをタップしていくだけで設定完了だ。実際にトライしてみたところ、iPhoneを使って本製品経由でインターネット接続できるようになるまで、パッケージの開封から10分とかからなかった。そのうちの半分以上の時間は、製品パッケージから本体とパーツを取り出して、ケーブル類を接続したりアンテナを本体のてっぺんに取り付けたりする作業にかかっていたから、接続設定にかかった時間は実質数分程度だ。

 ネットワーク環境によっては、プロバイダー(ISP)接続用のIDとパスワードを入力する必要があるものの、それが必要かどうかも自動で判別されてiPhone/iPad上ですべて入力できるので、一連の設定作業は滞りなく、スムーズに進む。もちろんAndroid端末でも、パソコンでも、ゲーム機などでも簡単に接続設定が可能。Android端末の場合、初めのうちはiPhone/iPadと同様の手順で、途中からAOSSと同様に専用アプリのインストールが必要になるので、ほんのちょっと手間は多いが……。

 近頃は、自宅にパソコンがなく、スマートフォンしか持っていない、という人もいると聞く。宅内で3GやLTEより安定して高速に通信できるWi-Fiを自宅で使いたいと思ったら、無線LANルーター(とプロバイダー契約)が必須。そうなると、スマートフォンだけで初期設定できるかどうか、というのが無線LANルーター選びの際に一番重要になるだろう。また、簡単に使えるからといってセキュリティ設定をなしにして使ってしまうのは問題だ。その点、「AOSS2」なら面倒な設定やパスワード入力などを意識することなく、高いセキュリティを実現できるのも魅力。もし実家の両親に無線LANの設置を頼まれたら、とりあえず本製品を買ってあげると思う。筆者の父親はどうも自作PCマニアらしいので、そういう心配はなさそうだけれども。


AOSS2で設定を始めるときは、このボタンをポチッと長押し同梱のカードに、設定時に必要となる3桁の数字が書かれている
USB外付けHDDやプリンターなどを接続して、複数マシンで共有できる機能も面白い(1)まずはiPhoneのWi-Fi設定で“!AOSS”から始めるネットワークに接続
(2)3桁の数字を入力して……(3)あとは黙っているだけで接続確認などの処理が始まる
(4)“プロファイル”をインストールすれば……(5)あっという間に接続設定完了だ

 

製品名製造元購入価格
AirStation WZR-450HPバッファロー8846円

 

 




(日沼諭史)

2012/8/24 06:00