宇宙に想いを馳せるトイレットペーパー


「天プラ」プロジェクト商品化第一弾として送り出されたらしいAstronomical Toilet Paper

 昨今、若田光一氏の国際宇宙ステーションへの長期滞在や、7月の下旬に起こる46年ぶりの皆既日食などの話題もあって、世間では宇宙に熱い視線が注がれているように思う。そういった世相を反映したわけではないのだろうが、先日日本科学未来館を訪れた際に見つけて思わず購入してしまったのが、今回ご紹介する「Astronomical Toilet Paper #01」である。

 Astronomical Toilet Paper、略して「ATP」という横文字にするとやけに格好良い名前のこれは、天文知識のあれこれが表面に印刷されたトイレットペーパーである。ATP公式サイトでは、製作の経緯として「天文学の普及を狙って製作されたトイレットペーパーで、天文学のいろいろな楽しみ方を提供していくネットワーク『天文学とプラネタリウム』(天プラ)のプロジェクトのひとつです」と説明されている。

壮大な天文ロマンがつづられている。全六章という長さは、一度に使用する「長さ」としても最適だ

 思えばご家庭のトイレの壁面、もしくはドア裏の常連といえば、世界地図や格言カレンダーと相場が決まっている。つまり日本人にとってトイレとは、さまざまな知識を吸収し、思いにふけるための瞑想空間なのだ。瞑想、即ち小宇宙。なるほどだからトイレットペーパーか! と思わず納得してしまいそうになったところで我に返った。

 製品としてのATPは一重、いわゆる「シングル」タイプのトイレットペーパーだ。シングルかダブルかは好みが分かれるところだが、紙質はとても柔らかく、普段使う分にもまったく問題ない。肝心の内容は、題して「#01 星の一生」とある。宇宙の塵芥から誕生した惑星が、周囲の天体と星団を作り、やがて赤色巨星となってその一生を終えるまでの壮大な内容が全六章で解説されており、なかなかに読み応えのある内容だった。「#01」と言うからには続きも出るのであろう。続刊(?)にも期待したい。

 ATPはオンラインショップで購入できるほか、全国の天文台や科学館のミュージアムショップに置かれているようだ。夏休みにお子様とのお出かけの際には、是非とも一つ買って帰りたい一品である。幼いころ、宇宙の壮大なロマンに想いを馳せた世間のお父様方にこそオススメしたい。しかし朝のトイレタイムに思わず読み耽ってしまい、トイレを占領しないようご注意を。

難しい漢字も多いので、中高生から大人向きかも知れない来客に合わせてセットしておけば「やるな!」と思われること必至だ

 

製品名販売元購入価格
Astronomical Toilet Paper #01天文学とプラネタリウム250円

 

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2009/7/16 11:00