本日の一品

激安だけどウルトラ級に視認性の高い「SKMEI」のデジタル腕時計

 筆者がここ1年ほど惹かれている腕時計が、中国の「SKMEI」(スクメイ)の腕時計だ。SKMEIは日本の某有名メーカーのオマージュモデル腕時計のメーカーであるという認識が一部の間では定着しているようだ。まあ歴史を遡れば多くの日本企業も海外ブランドの真似からスタートしたオマージュ企業だったと言えなくもない。

 そんなSKMEIだが、昨今は他社のオマージュモデルから少しずつ脱却しオリジナルテイストの腕時計もいろいろ研究し発売を行っている。今回ご紹介する「SKMEI-メンズデジタルスポーツウォッチ」(以降“スクメイデジタル”)もそのひとつだ。同じ外観デザインで外装がゴールド、シルバー、液晶背景画面が黒と白がありバリエーションは全部で4種類。

 筆者が今年の5月に、AliExpressで購入したのはゴールド外装に液晶背景が白のモデルだ。購入価格は5月26日当時で1782円。ケースもベルトも、某日本メーカーが得意とする手に届きやすい価格帯の腕時計の実売価格に限りなく近い。スクメイデジタルを手に入れて比較的すぐに、もう1台の同価格帯のスクメイ製の丸形・液晶背景黒のモデルも手に入れたが、視認性の良さからずっとスクメイデジタルの方を愛用している。

 視認性は文字盤を見る時間帯や季節、お天気、物理的な液晶の色やサイズ、コントラスト、フォントデザインやフォントサイズ、夜間視認性のためのLEDライトやELなどの条件によって決まる。今回は手元にあった、価格帯が近い日本製のデジタル腕時計、それよりもちょっと高くて高機能な1本、スクメイデジタル、耐衝撃性に優れるタフネスデジタル腕時計の4本を並べて比べてみた。

 手元にあった某日本製メーカーのデジタル腕時計の場合、液晶の背景はグレー系が多い。モデルによって採用している液晶パネルが異なるのか多少液晶背景のグレー系の明るさに差があるようだ。今回用意した、3本の日本製の腕時計とスクメイデジタルを横並びにしてみると液晶画面のコントラストと並んで液晶サイズやフォントのデザイン、フォントサイズが視認性に大きく影響を与えていることが理解できる。暗闇での視認性もチェックしてみたがスクメイデジタルは明るく、日本メーカー製タフネスデジタル腕時計(上の写真右)と同じレベルで暗闇でも視認性には問題なかった。

 実際に約半年間スクメイデジタルを装着して使ってみて、日本メーカー製と比較して気になる点は唯一その重さだ。同じステンレス製の日本製腕時計をキッチン秤で実測してみると重量はわずか43g。対してスクメイデジタルの実測重量は2倍以上の97gだった。国際的なブランド腕時計の多くが140g~170g以上あることを考えると一概に重いとは言えないかもしれない。

 前述の日本メーカー製腕時計は、内部に直径20mm厚さ1.6mmのCR-2016電池を使用し、スクメイデジタルは同じく直径20mm厚さ2倍の3.2mmのCR-2032電池を使用しているので、当然本体サイズは分厚くなるだろう。ちなみに某量販店では最安値ならCR-2016は1個40円、CR-2032は1個60円と容量が2倍以上あるCR-2032の方が安価だった。需給の関係だろうか。

 実際には日本メーカー製腕時計の方がバッテリーマネジメントに優れており、小さく少ない容量のバッテリーでロングドライブが可能なのかもしれない。残念ながらスクメイデジタルを使い始めてまだ5カ月の超文系の筆者にはそのあたりは分からない。

 スクメイデジタルはステンレスベルトの腕首への装着感も悪くはない。スライド式などではなく、ごく一般的でレガシーなバックルタイプの両側プッシュ型の留め具だ。ベルトサイズの調整は安価な腕時計に多いピンを抜き駒を増減させるオーソドックスな方式だ。装着脱着は高級腕時計のように超スムーズとは言えないが、十分に妥協できる範囲だ。

 ベルトの長さ調整でコマを抜くには、ほかの道具で流用できるものも多いが筆者は別の腕時計を購入した時に付属品で付いてきたネジを回してベルトのコマとコマをつないでいる細いピンを押し出すツールを使っている。この方式でピンを抜いて寸法調整するベルトには世界標準でピンを押し出す方向がコマの裏面に記載されているので作業は簡単だ。

 スクメイデジタルもウォッチフェイスを一覧することで捉えることのできる情報は、今回用意した日本メーカー製腕時計と同じく、年月日、曜日、時分秒、24時間表示だ。ベゼルの周囲4カ所にプッシュボタンが配置され、左上のボタンは夜間の液晶外面の照明、左下のボタンはアラーム、ストップウォッチ、Dual Timeの設定モード切替。右上のボタンは24時間・12時間表示の切替、右下は長押しで時刻設定となる。

 前述したとおり、スクメイデジタルの交換バッテリーはCR2032。防水性能の記述はよくある3ATMと記載されているが“日常生活用防水”である3気圧防水だ。少しの雨や手や顔を洗ったりして濡れる程度であれば対応できる防水性能だ。決して30m潜って大丈夫な性能ではない。

 実際にスクメイデジタルを今年の5月末から10月末まで約5カ月間使用してみた感想だが、たった5カ月の使用期間ではまだまだ結論の出せないバッテリーマネジメントを除き、恐ろしくコスパの良い腕時計だという印象だ。外観の押し出しと液晶画面の視認性の高さは抜群といえる。今のところ精度も問題ない。筆者的には長く愛用しているTIMEX×BEAMSコラボのCAMPER Yellow Goldと同じように気に入ってしまった。

製品名発売元実売価格
SKMEI-メンズデジタルスポーツウォッチSKMEI1782円