本日の一品
「Nature Remo Lapis」で古いエアコンでも賢く節電
2024年9月26日 00:00
今年の夏は暑かった。気象庁によると、7月の日本の月平均気温は1898年の統計開始以来で最も高かったという。国際連合のアントニオ・グテーレス事務総長は「地球沸騰化」という言葉を用いて気温上昇に警告を発している。暑い夏はこれからも繰り返し到来しそうだ。
朝から30度に迫るような日が続く中で、エアコンは稼働させ続けないと命に関わる。筆者宅は賃貸で、20年近く前のエアコンが設備としてついている。最新型に買い換えれば節電はできるだろうが、そう簡単に買い替えるわけにもいかない。
そんな悩みを抱えていたところ、Natureが新たに発表したスマートリモコン「Nature Remo Lapis」を発表した。コンセプトは「自然と調和する心地よい節電」。これは試さずにはいられない。
海辺の石をモチーフにしたユニークなデザインのNature Remo Lapisは、手のひらサイズのコンパクトな外観ながら、優れた機能を備えている。最大の特徴は、AI活用による自動節電機能「オートエコ」だ。
オートエコは、AIを活用した賢い自動節電システムだ。ユーザーは1から3段階の節電強度を選ぶだけで、あとは機器が自動で節電を行う。仕組みは意外とシンプルで、1日最大8回、各1時間ずつエアコンの設定温度を1~2度上げるだけだ。このシステムはユーザーの生活パターンを学習する機能を備えている。たとえばユーザーが暑く感じて温度を下げた場合、AIがその時間帯は節電に不適と学習する。部屋が暑くなるのを防いで、無理のない節電を実現するのだ。
エアコンの温度を1度高く設定した場合の節電効果は10~15%と言われている。地域の電力料金に基づいた節電額もアプリに表示されるため、節電の実感がわきやすい。Natureによると1日24時間起動した場合の最大の節電効果は月2300円程度という。
筆者の場合は、普段から冷房は28度程度で運用していることが多く、公称ほど節電効果は得られなかった。8月は日中ほとんどエアコンをつけっぱなしにしていたこともあり、オートエコ機能が110回発動。累計524円の節電効果があった。
暑いと感じて温度を下げることはほとんどなく、まさに全く意識せずに節電に取り組めた。節約額がアプリで表示されることで、モチベーションが上がる効果もあった。これなら続けられそうだ。
ちなみに、もともとエアコンの冷房効果が効きすぎると悩んでいた筆者宅では、副次的な効果があった。2006年製の古いエアコンで、冷房は冷えすぎ、暖房は温めすぎになってしまう。これがオートエコ機能による節電ではからずも改善されたようだ。
さらに、「コスパ起動」という機能も搭載されている。これはエアコンの立ち上げ時の電力消費を最適化するもので、約30分かけて目標温度まで段階的に調整する。急激な温度変化を避けることで、エアコンの無駄な電力消費をおさえる効果が期待できる。開発にはダイキン工業の省エネノウハウが活かされている。
Nature Homeアプリは管理している機器の一覧がシンプルで、操作も分かりやすい。リモコンのプリセットも機種毎に用意されていて、簡単な設定で登録できた。エネルギー使用量の可視化が分かりやすく、節電効果をリアルタイムで確認できるのも魅力だ。
赤外線到達距離は約30畳と広範囲をカバーする。主要なスマートスピーカーとの連携がスムーズで、音声操作も快適だ。Matterにも対応しているため、iOSのHomeKitとも統合できる。さまざまなスマートホームデバイスとの連携が可能になり、将来的な拡張性も期待できる。
Natureによると今後は、熱中症アラートや消し忘れ通知など気候変動時代に対応した機能を追加予定という。電気代の節約と家族の健康管理を両立する、家庭の味方になりそうだ。
価格は7980円。エアコンがもっとも稼働する8月でも500円程度の節約効果にとどまったという実績を踏まえると、実際の節電効果だけで短期間に元を取るのは難しいかもしれない。しかし、スマートホームの基礎となる学習リモコンを導入するついでと考えれば、良い投資となりそうだ。
製品名 | 発売元 | 実売価格 |
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Nature Remo Lapis | Nature | 7980円 |