本日の一品

これで数字の打ち間違いなし!電卓とテンキーが合体した「DENTEN」を導入

「DENTEN」(デンテン)

 年末が近づいてくると、数字を入力する機会がどっと増える。毎月かかった光熱費、食費などの支出をデータベースに大量に打ち込まねばならないからだ。もっとも、普段からマメに入力している人であれば、大量のデータ入力が必要になるということはないのだろうが。

 キーボードの上部に配置されている数字キーでも問題なく数値を打ち込めるという人も、最近では多いと思うが、古い世代、特にレジ打ちを経験したような人間にとってはテンキーを使ったほうが素早く正確に入力できる。とはいえ、テンキー付きキーボードは横幅があるため、デスクのスペースを空けなければならない。しかも、なぜかどのキーボードも右側にテンキーが搭載されている。

 「レジスターのようにストロークが深く、左側にも置けるような独立したもので、できれば試算のできる計算機能付きのものが欲しい……」と考えていたところ、海外のクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で「DENTEN」(デンテン)なるものを見つけ、さっそく出資、そして先日、無事に品物が到着したので、その使用感などを紹介したい。

筆者の愛用している(た)テンキー付きキーボードと、HHKB Studio+DENTENの横幅の比較。HHKB Studioがコンパクトということもあり、この組み合わせの方が狭くて散らかっているデスクに向いている
パッケージ内容。キーキャッププラー、本体、USB Standard A to USB Type-Cケーブル、取扱説明書

 DENTENは、外付けテンキーに電卓のような液晶画面を搭載した見た目をしており、電卓にしてはレトロ、テンキーにしてはゴツいという印象の製品だ。

 搭載しているキーの数はわずか17個。0~9までの数字キーのほか、「.」「CE(バックスペースキー)」「Enter」そして四則演算記号という組み合わせだ。

キーの数が少ないので入力ミスが防げそうだ

 通常の電卓では、「MR/MC」「M+/M-」などのほか、最近では「消費税」などさまざまな機能キーが搭載されているものだが、本製品ではそれらのキーをスパッと削ぎ落としたシンプルさがある。

 接続方式はBluetoothとUSBケーブルを使った有線接続の2通り。電力は内蔵バッテリーでまかない、USB Type-Cケーブルを使って充電する。初回のみ、ペアリングボタンを押して、端末とのペアリング作業が必要になるが、以降は電源を入れれば自動的に認識して接続される。なお、ペアリングしていない端末でも、USBケーブルを使ってつなげればドライバー不要でそのまま使い始められる。

DENTENの側面にあるコントロール部。左から電源オン/オフ、ペアリング、Num(テンキーモード)/Calc(電卓モード)
足を立てることで角度をつけられる

 テンキー付きキーボードでは、「NumLock」キーをオンにしてテンキーの数字入力を有効にするものだが、DENTENにはそのような機能がない。ローマ字入力中であれば、そのままで(半角や全角に)変換可能な数字を、かな入力であれば「半角/全角」キーを押して直接入力モードにするか、「CapsLock」キーを押して数字を入力できるようになる。

 ちなみに、かな入力モードで日本語入力のできる状態でDENTENのキーを押すと、キーボード上部に配置されている数字キーに割り振られているのと同じかな文字を入力できる。これを「できる」と書いていいのか不明ではあるが。

 かな入力派の筆者にとって、DENTEN使用時にわざわざ「半角/全角」キーを押すのは面倒だな、と感じたが、よくよく考えてみれば、「半角/全角」キーを押した後に、キーボード上部に、横に広がる形で配置されている数字キーから数字を拾って入力し続けるほうが面倒である。やはり、テンキーがあるのはありがたい。

 これだけでは、「テンキー買えばいいじゃん」となってしまうが、DENTENは計算機モードも搭載している。スライドスイッチを「CALC」側にすれば、その場で簡単な計算を行えるのだ。例えば、スプレッドシートに「204万4344を12で割った数値を入力したい」という場合、わざわざパソコン側で電卓アプリを立ち上げなくても、今触っているそのDENTENで計算して確認の上、表示されている数値を入力すればいい。

「204万4344割る12は17万362」。テンキーモードに切り替えてもディスプレイの表示が消えないのがいい。なお、コピペはできない

 「CALC」から「NUM」(テンキーモード)に変えても、DENTENの電源を切らない限り、ディスプレイに計算結果が残ったままなのがありがたい。

 また、レトロでゴツい印象を与えているのは、製品の高さゆえなのだが、この高さは、通常の高さのメカニカルキースイッチを使っていることに起因する。このキースイッチは、購入時に赤軸、茶軸、青軸から好みのものを選べ、筆者は赤軸を選んだ。文字入力でHHKBを使っていることもあり、キーストロークの違いをあまり感じることなく、自然なタッチで数値を入力できている。

深い!
キーキャップを外すと、赤軸のメカニカルキースイッチを採用しているのがわかる。キーキャップを好みのものに変えてカスタマイズする楽しみもある

 惜しむらくは、テンキー付きキーボードのように、いつでも数値を入力できる「NumLock」機能がないことなのだが、それはスプレッドシート作成時に、「データ入力規則」をしっかり設定しておけば良さそうだ。

 シンプルなキーレイアウト、電卓機能とテンキー機能の2in1、深いストロークのあるメカニカルキー……という、かなりユニークなDENTEN。数字を大量に入力するこれからの季節だけでなく、スペック表にある数値の転記などにもきっと役立ってくれるに違いない。

単独で、通常の計算機としても使える。いい
製品名販売元購入価格
DENTENrem.rb7500円(KickstarterのSuper Early Bird特典)