本日の一品

思い切りの良さが売り、アルミ製の収納クリップボードを買ってみた

クリップボード大好きな筆者はハードでシャープな収納クリップボードを速攻買い

 筆者は幼少のころからモノを収納するハードな鞄やリーガルパッドなどのメモ用紙をクリップするボードなどが大好きだった。鞄の中では長くコレクションしていたゼロ(現:ゼロハリバートン)の“ハリバートン・アタッシェケース”が特にお気に入りで、かつては自宅に大小厚薄合わせて25個くらいコレクションしていた。実はペンネームの“ゼロ・ハリ”もそこから拝借した。

自宅には日常使いのリーガルパッドの総数よりクリップボード系の方が多い
最近愛用の自然の木を使ったクリップボード(右)と今回の収納クリップボード(左)

 今回ご紹介したいのは、ミリタリークラスのアルミニウムやジュラルミン製ではないが飾りっ気がなく、道具感満載、どう使って良いのかの取説も何もなし。微妙に寸法の違うただ曲げただけの3枚のアルミ板を組み合わせた“収納クリップボード”だ。

3枚のアルミ板を折り曲げてA4サイズ大のクリップボードと収納スペースを実現。収納スペースにはステーショナリー以外にも様々なモノを収納できる

 筆者がアマゾンで見つけて速攻で購入したのは“2層クリップ 内側標準”というアルミ製のコンパクトな収納クリップボード。外形寸法は32cm×23cm、厚さは最厚部で28mmほどだ。3枚のアルミ板で仕切られ、内部収納部は2個のコンパートメントに分かれている。ほかに面サイズのより大きなモデルや3層タイプ、クリップが外側に配置されたモデルなど数種類ある。

 “2層クリップ 内側標準”モデルでは上・中・下の3枚のアルミ板の中板にメモやドキュメントをクリップすることのできるモデルだ。上板はクリップしたメモを隠して覆う形で蓋になるイメージだ。そして中板のクリップボードの下側がさまざまな収納物を入れることのできるコンパートメントとなる。

 そしてクリップの中央位置にある回転フックで上板(蓋)を自然に開放しないようにロックする。最終的にはコンパートメントの下板の上部に固定されているスプリング式の開閉ロック部分が、リーガルパッドの載った中板を噛むことでリーガルパッドもステーショナリーの類も一切落とすことなく持ち歩くことができる。

クリップと回転フックで3枚のアルミ板を固定して持ち歩きにも不安無し

 ただこの形状では回転フックを回転してカバーの上板(蓋)をめくっても180度広がるだけなので、手前に倒れた上板が目の前に大きな面積を占めて快適な筆記態勢を大きく阻害してしまう。解決手段は2つ。リーガルパッドを180度回転させてクリップするか、メモを取る時はリーガルパッドを一度クリップから取り外し上板を閉めてから上板の上に再度クリップするかのいずれかだ。

2枚目の中板のクリップにリーガルパッドを正しくクリップするとカバー(上板)をめくっただけではカバーが邪魔して筆記に苦労する。
かなり強そうなサメの歯のようなクリップなのでリーガルパッドを切り取った後の単票のスタックでも十分ホールドしてくれそうだ

 クリップ部分をよく見てみると、上下にサメの歯のように三角形に尖った刃がずらっと並んでいる。これなら単票にカットしたリーガルパッド用紙をスタックした10枚や20枚の厚さなら間違いなくズレることなくガッチリと固定できそうだ。

 思い付きを速攻筆記したい時に、余分な準備が必要なことが大嫌いな筆者は、中板に単票にカットしたリーガルパッド紙を10枚程スタックしてクリップしている。こうすることで筆記時には一時的にカバーの役目をしてくれている上板を引き起こし、分厚い底紙がなく自由に曲がるスタックしたリーガルパッド紙をめくって上板を下敷き代わりに戻してその上に再びスタックしたリーガルパッド紙を置いて使っている。

リーガルパッドをベースの厚紙から切り取った単票をスタックして10枚~15枚クリップしてみた。スタックした紙は取り外さなくても自由に曲がってくれてカバー(上板)を直ぐに下敷きのようにして筆記できる
工夫次第でさまざまなモノを収納可能だ。14mmという薄さゆえ収納物を選ぶ必要がある

 さて、リーガルパッドなどのメモ用紙の扱いはおおよそ見えてきた。続いて“2層クリップ 内側標準”のコンパートメントにもいろいろな形状サイズのガジェットやステーショナリーを入れてそのキャパシティを体感してみた。内容積は実測で約305×225×14mmだった。実は筆者が使用している赤い富士通のノートパソコン「LIFEBOOK U938/S」(309×212.5×15.5mm)がピッタリと入ったが、残念ながら蓋は閉まらなかった。

 平面的にはかなりのサイズのモノが収納可能だが、問題は実測14mmという高さ(厚さ)の制限で収納しきれないモノが多い。一般的な筆記具は問題なく収納可能だが、極太のマーカーやハイライターの類は厳しい。その反面、電卓やスマホと一緒に使うことの多いBluetoothワイヤレスキーボードなどについては、今回トライしたアンカーや3COINS製も問題なく収納できた。

 Kindle Scribeなどの薄型デバイスやタブレット、スマホなども基本的には14mm以下なので問題なく収納できるだろう。モバイルルーターなどもその多くは問題なさそうだ。書籍に関しても一般的な週刊誌や文庫本などであれば複数収納が可能だ。

 筆者は今のところ、都内の打ち合わせに出かける時は今読んでいる本と、薄型の3000mAh程度のUSB Type-Cケーブル内蔵モバイルバッテリー、お気に入りのチョコ、赤青2色ボールペンと細軸の黄色のハイライター、耳栓、もしもの場合のType-C、microUSB、Type-Aの3つのポート付きのUSBメモリー、そしてこの時期必須の扇子。最後に底に10枚ほどの単票リーガルパッドのリフィルを敷いて持ち歩いている。

いろいろ悩んだ結果、やっと辿り着いた筆者の収納クリップボードの中味。現在はステッカーの選択に悩んでいる

 収納クリップボードもアルミやジュラルミンの無色・無柄のアタッシェケースや旅行用トランクなどと同じで落書きやステッカー貼りの楽しいキャンパスだ。筆者はアマゾンで100枚699円のステッカーセットを買ってどこに貼ろうかと連日楽しい画策中だ。

 今週で収納クリップボードを手に入れて約4カ月が経つが、物理的なサイズや重さ、機能そのものは極めて気に入っている。一番楽しいのは各自が使う最終目的に合わせて本当に必要な物を極めて狭いスペースに収納できるように考え工夫して集めることだ。

軽くて、機能先行型、クールなデザインだが持ち手がないのがちょっと残念。筆者は身の回りにあったトートバッグに入れて移動している

 この収納クリップボードの欠点は、本体サイズがそれなりに大きく、角の一部の造りが多少粗削りなこと。そしてほかの一部のクリップボードのように本体に持ち手(ハンドル)部分が無いことだ。

 休日の朝に、ファミレスで1人で原稿の企画や1人商品企画会議をやる時は身の回りにある適当なサイズのトートバッグに、収納クリップボード本体を押し込んでぶら下げて移動している。今年のように灼熱の夏場は全く問題ないだろうが、極寒の冬には素手では持ちたくなくなるかもしれない。

 収納クリップボード……令和の昨今、細かなところにまで気を配った当たり障りのない穏健なプロダクトが多い中、このクリップボードは、目的特化型でまだまだほかの解決策や手段があったのではないか? などと素人からも提案や意見が出てきそうな思い切りの良さの光る愛すべきプロダクトだ。

製品名発売元実売価格
Amazon Basic 収納クリップボード 2層 内側 標準 アルミ製 32×23cmAmazon.co.jp2253円