本日の一品

モバイルディスプレイを「インフィニティプール」のようにして使ってみた

遠くのディスプレイ表示が少し小さく見える分だけ少し大きくなるように設定してやるだけ……特殊なスタンドなしで実現するプアマンズ・上下マルチモニターだ

 4年ほど前に3万8800円で買った、14インチのThinkPadとのコンビがお似合いのThinkVision M14モバイルモニターを久し振りに使おうと思って接続したらなにか液晶画面の右側が変だ。

 何度かパワーオフとパワーオンを繰り返してみても、起動時に画面の右上にノイズのようなカラフルな模様が出てしまう。これが噂で聞いた液晶割れなのか……。

買ってからほとんど使っていないThinkVision M14が壊れてしまった

 ひとまず筆者のThinkPad X1 nanoに接続してWindowsの起動完了まで何度かやってみたがこの有様では全く使い物にならない。

 購入して4年近くになるが、実際にこのモバイルモニターを屋内外で使ったのはせいぜい数回程度。一回当たり数千円以上についてしまった。最初はもう一度同じモニターを買おうと考えネットを見渡してみたが、いまだに人気があるのか3万円以上していた。

 ネットを回遊して見つけたEVICIVブランドのIPSパネルの13.3インチモバイルモニター(1920x1200)をクーポンも利用してThinkVision M14の約半額の1万5700円ほどで手に入れた。

 今回は画面サイズも13.3インチと少し小さくなったがThinkPad X1 nanoの液晶画面と同サイズ。縦横比は多少違うがEVICIV13.3の解像度や拡大率を調整すればほぼ同様の感覚で使えそうだ。

半額以下の1万5000円少々で手に入れた13.3インチモバイルディスプレイ。必要な接続ケーブル3本とスタンドカバーが同梱されている

 EVICIV13.3パッケージの同梱品は本体とモニタースタンド兼用の持ち運び用カバーケース、Type-C給電ケーブル、Tupe-C to Type-Cケーブル、HDMIケーブルの3本。そしてUSB ACアダプター、取説が同梱されている。

 本体ディスプレイの左右の側面に電源入力(PD)、ヘッドフォンジャック、Type-Cポート(信号・給電)、miniDP、HDMIポートが並ぶ。

 また、もう一方の側面には有線マウスや有線キーボードの使えるUSB(OTG)ポートがあり、その下側にPOWER:電源オンオフスイッチと設定選択のための+/-ボタン、設定MENUボタン、設定終了や元に戻るためのEXITボタンが順に並ぶ。なお、スピーカーは左右に各1個ずつ配置されている。

入出力ポートとスイッチ類はモニター左右の側面に配置されている
OTG(microUSBポート)にOTGハブを取り付けて有線キーボードや有線マウスが使用できるこれは地味に便利だ
一般的な設定は画面に向かって左側面の下から4つのボタンで簡単設定できる

 今回のEVICIV13.3の取説には、特別の記述がないが本体左側面にある5つの設定ボタンの下側、丁度モバイルモニターの隅に開いている直径9~10mmの丸い穴がなかなかの秀作だ。筆者的なイメージだと、一時的なメモ書きに便利なBoogieBoardなどに鉛筆やボールペンの軸を通して一時的な仮スタンドとして使う感覚と同様な使い方ができる。

チープアイデア的ではあるが画面左下の鉛筆軸ほどの穴は極めて秀作だ。筆者はBICボールペンで簡易モニタースタンドに活用している

 モバイルモニター本体は、ある程度の重さがあるのでペン軸の強度や出っ張り方によってはモバイルモニターが転倒する恐れもあるので多少気をつかう必要がある。そして使用するペン軸の太さによって、傾斜角がほぼ決め打ちになってしまうのが弱点と言えば弱点だ。しかし常時重い専用カバーを携帯したくないアウトドア環境ではスタンド代わりに使える超便利なアイデアだ。

購入したEVICIV13.3は以前のThinkVision M14より100gほど重いが、Type-CだけではなくHDMIポートもミニディスプレイポートもあって対応性は高い

 EVICIV13.3は専用カバースタンドを取り付けると約1kg、カバーなしでも実測722gとThinkVision M14より約100gほど重い。重たいモノ大嫌いな筆者としては、100gでも軽いThinkVison M14が欲しいところだが、100g重いもののクーポンを使うと1万5700円ほどに安くなるEVICIV13.3との差は約1万5000円。150円/1gでこの先の使用頻度も多くても10回だととても理にかなった出費ではなさそうだ。

 軽いのが大好きな筆者は、今回EVICIV13.3と同サイズの液晶画面を持つThinkPad X1 nanoを一緒に使うにあたってできる限り軽く持ち歩くことを最優先に考えた。なので教科書通りにモバイルパソコンのすぐ脇に外部モニターを配置するのではなく、あくまで万人向きではない超変態的外部モニターの配置や使い方を試みてみた。

EVICIV13.3は筆者のメインモバイルパソコンであるThinkPad X1 nanoと同じ13.3インチ。普段はX軸の解像度を1920ピクセルで統一してバランスよく活用できている
世界中の観光地にあるインフィニティプール(Infinity Pool)が本来の意味を理解するには好例だ

 典型的なイメージは、グアム島のリーフホテルの海との境界線を明確に線引きできないようなプールとかシンガポールの「マリーナベイサンズホテル」のような空との境界線が淡く際限なくつながっているイメージを指す言葉だ。今回はEVICIV13.3ディスプレイと同サイズの液晶画面を持つThinkPad X1 nanoの2台をそういう関係性に置いてみた、いわば「Infinity Multi-Display」だ。繰り返しになるがあくまで万人向きではない。

今回は昨今にわかに流行の兆しのあるモバイルパソコンと外部モバイルモニターの上下配置によるマルチディスプレイ化を専用スタンドなしで前後配置だけで実現するのが目的だ。筆者は後部の外部モニターもモバイルパソコンと同一解像度設定でも違和感はない
普通は遠くにあるディスプレイは表示が距離の分わずかに小さくなる。気になるユーザーは後面のモバイルモニターの解像度を少し下げることで文字やWindowsのサイズはほぼ同一サイズの感覚になる

 実際の配置はメインのThinkPad X1 nanoを普通に使うように配置し、その後ろ側適度な距離をおいてEVICIV13.3をBICのボールペンを先述した穴に通して立てる。正面から見てEVICIV13.3の画面がThinkPadの画面の影に隠れて見える場合はThinkPadを手前に引くかEVICIV13.3を奥に押しやるかしてThinkPad X1 nanoの液晶上辺がEVICIV13.3の画面下辺と上手く繋がるように配置する。

 筆者を含め普通の人間は遠くに見えるモノは小さく見えるので多少の個人差はあるが背後に配置したEVICIV13.3の文字が前面のThinkPadより極端に小さく見える場合はWindowsの設定で外部モニターの解像度や拡大率を調整して距離が離れている2枚のディスプレイ上の表示サイズが連続するもっとも自然なイメージに設定する。

徹底的にこだわるなら上下2段のディスプレイ縦置き用専用スタンドを使うのが王道だ。解像度や拡大率を調整することでほぼ同じサイズの表示に設定もできる。

 極めて正統派のモバイルワーカーならサードパーティ製のディスプレイスタンドなどを利用して距離の開いた背後に設置することなく前面のThinkPad液晶のすぐ上に配置してあたかも連続する大きな液晶画面として利用するだろう。連続性は確実で全面的正解はその通りだ。しかしモバイル環境でそれを実行しようとするとそのために2Kg近くの携帯重量となる。

しかしモバイル環境で使うなら持ち歩きや移動は極めて不便で実測重量931gと軽量なThinkPad X1 nanoなのにセット重量は約2kgになる。モバイルパソコンの年表で言うなら25年ほど昔に時代を遡りThinkPad 600の時代に戻ってしまう

 今のところ筆者はThinkPad X1 nanoとEVICIV13.3、USBケーブルの3つにケーブルの立ち上がり角度を90度変更できるアダプターを持って、この環境を朝のファミレスでの原稿書きでテストしている。目の上下移動+少しの距離調整が必要になるので、ずっと一定距離を見ているより目のリフレッシュになるのではと勝手に思って実行している。

意外に高価だがL字変換アダプターはマルチディスプレイ環境の構築には必須だ
製品名発売元購入価格
EVICIV 13.3インチ 1920*1200 モバイルモニターEVICIV1万5734円