本日の一品

寒い冬の東京でUSB電熱マット「すぐぬっくマットミニ」を使ってみた

寒い冬のデスクワークに静寂性と空気のクリーンネスの両方を実現できる電熱マットは便利だ

 12月22日の東京下町は、早朝からの雨で寒い夜明けとなった。こんな日に朝から自室で椅子に座って原稿を書くには多少の根性がいる。もちろんエアコンや床近くにおいた温風ヒーターなどをフル回転させればそれなりに快適になるが、静音で便利なのが電気を使うひざ掛けマットや座布団の上に一時的に敷く暖房マットだ。

 先ごろ、いつものようになにか面白いものはないかとネットをクローリングしていて、スリーアールソリューションというところが発売している電熱マット「すぐぬっくマットミニ」という商品をいつもいろいろ買っている、ジャストマイショップの案内メールで見つけポチッた。

メールニュースで見つけた“電熱マット すぐぬっく マットミニ”を速攻でポチッた

 すぐぬっくマットミニは400×450mm、重さ140gほどのポリエステルのマットだ。椅子に座るデスクワークの時にお尻の下に敷いても、背もたれにおいても、膝上に載せても使えそうだ。本体以外にはUSBケーブル(Type-A to Type-C)と1枚の取説が入っている。

ひざ掛けにも椅子の座面に敷いてもピッタリなコンパクトサイズ。USBケーブルと取説が付属する

 入力電源としては5V/2Aで、付属のUSBケーブルでパソコン本体やモバイルバッテリーから給電する仕組みだ。自宅内で使う用途だけならパソコンのUSBポートから簡単に使える。付属のUSBケーブルの長さが1m程度しかないが、テーブル上に置いたモバイルパソコンならぎりぎりこと足りる。しかし少し離れた場所のデスクトップパソコンなどであれば、USB延長ケーブルがいるかもしれない。

デスクトップパソコンから電源供給を受ける時は電気こたつ風延長USBケーブルを愛用している。延長コードの途中に電源オンオフスイッチがあって便利だ

 筆者は、メインのデスクトップパソコンで使う場合は、以前ご紹介した電気こたつのコード風の電源オンオフスイッチ付きの延長ケーブルを活用している。宅内でも屋外でもモバイルバッテリーを利用する場合は、付属のUSBケーブル1本で長さ的には十分だろう。

モバイルパソコンから電源供給を受けるなら付属のUSBケーブルでも距離は十分だ

 配送されてきてすぐに取説を見てみたが、なぜか宅内で壁面コンセントに挿したUSB/ACアダプターから給電する方法やパソコンのUSBポートからとることに関しては一切説明されていない。“使用方法”の項にはまずモバイルバッテリーを接続するという書き出しで始まっている……なんか変だ。

 最初は、前者のような使い方には何か問題や注意点があるのかと勘ぐってしまったがWeb上の説明を見る限り、普通に壁面のコンセントやパソコンのUSBポートからの使用が掲載されていたので安心した。

 パッケージに入っている取説は、なぜかモバイルバッテリーだけが前提のような表記になっているがその部分は今も謎だ。普通なら東京電力がバックにいる、安心できるエネルギー豊富なほうを第1候補にするはずだがいまだに納得できないでいる。

 すぐぬっくマットミニの使い方は簡単だ。まずUSBケーブルのType-Aプラグ側をACアダプターやパソコンのUSBポート、モバイルバッテリーのUSB出力ポートにつなぎ、もう一方のUSB Type-Cプラグをすぐぬっくマットミニの電源ボタン側面にあるポートに接続する。

電源ボタン側面のキャップを外してUSB Type-Cケーブルを挿入する

 供給側の電源が確認されると、電源ボタン周囲がオレンジ色に点灯しスタンバイ状態となる。スタンバイを確認後、電源ボタン中央を3秒間長押しすると表示カラーは青(中モード:50度)に変わり点灯する。再度電源ボタンを押すと表示カラーは赤(強モード:55度)、もう一度押すと緑(弱モード:45度)続けてもう一度押すと最初の青になりループする。電源オンオフだけが3秒間の長押しだ。

スタンバイ時から3秒の長押しで青(中モード)、再度、短押して赤(強モード)、もう一度短押しで緑(弱モード)を繰り返す

 一部のモバイルバッテリーでは“すぐぬっくマットミニ”のスタンバイ時の使用電力が小さいので、デバイスがつながっていないと判断して電源供給を停止してしまうことがある。その場合はいったんケーブルの挿抜が必要だ。実際に稼働中にはそのようなことは起こらない。

 さて、やはり一番興味があるのは、筆者も読者諸兄も同じだと思うがモバイルバッテリーで駆動した時に、すぐぬっくマットミニがどの程度指定した温度をキープできるかとい点だろう。前述したように、すぐぬっくマットミニはモバイルバッテリーの出力に5V/2A以上を要求している。

メーカー推奨は5V/2A以上の電源が指定されているので2A以下のモバイルバッテリなどは推奨外となる

 今回、筆者は4台のモバイルバッテリーで各々2回テストしてみた。使用したバッテリーは3年~4年ほど前のフォースメディアの“MONALISA”という超薄型で5V/2.4Aの3400mAh(まだ50回は使っていない)、ごく最近ダイソーで購入したソーラー充電もできる5V/2.1A、5000mAhのもの、同じくDAISOで最近購入した唯一2A以下のマクセル製5V/1.5A、3000mAhのバッテリー、そして最後は発売日に買った、かなり年季の入ったCHEEROの5V/2.4A、(充放電50回以下)1万mAhの4台だ。

今回テストしたモバイルバッテリー4台。左端と右端の2台は3年くらい使っているが充放電回数はいずれも50回以下。中央の2台は先月ダイソーで購入した新しいモデルだ

 実際にこれら4台を使って“すぐぬっくマットミニ”を使ってみた結論は、まず3年ほど前の“MONALISA”は緑(弱モード:45度)でなんとか46分。残念ながら赤(強モード:55度)ではたったの6分しか持たなかった。これはまったく使い物にはならない。販売元がWebで紹介している1万mAh容量のモバイルバッテリーで“弱モード”で使用した場合の8時間と大きな差があり過ぎる。

左端のMONALISAは緑(弱モード:45度)で46分。赤(強モード:55度)では6分しか持たなかった。バッテリの老朽化か自然減かもしれない

 正しく販売元のパフォーマンスと比較するには弱モード(45度)で比較を行うべきだが、東京の今の季節(12月20日)に実際に弱モードの暖房マットではまずまったく暖かくまったく意味がないので、以降のテストは強モード(55度)のみで行った。

 強モードだけでテストした2台目は、ダイソーで購入したソーラー充電もできる5V 2.1A、5000mAhのバッテリー。5000mAhながらよく健闘して、強モードで実際の駆動時間は85分だった。これなら、なんとか外気温10度以下の東京都内でも暖を感じられる範囲だ。85分が短いか長いかは使用目的と個人の感覚差だろう。重くはなるが、必要なら1万mAh相当の中容量バッテリを使用すれば3時間近くは可能かもしれない。

DAISOで購入したソーラー充電もできるモデルは5000mAhながら健闘。強モードで駆動時間は85分と上々だ

 そして3台目のモバイルバッテリーは、今回唯一の掟破りスペックである同じダイソーで購入したマクセル製5V/1.5A、3000mAhのモデルだ。2A以下の掟破りのスペックながら強モードでの連続駆動時間は48分だった。このモバイルバッテリーを3台(合計9000mAh)ポケットに入れていけば、単純計算なら144分連続駆動してくれる計算だ。もちろん弱モード(45度)ではそれなりに連続駆動時間は伸びるだろうが、暖かく感じないので無意味だ。筆者の使い方は、メーカー推奨のアンペア数を下回っているので推奨はしない。

DAISOで購入したマクセル製は2A以下の掟破りのスペックながら強モードでの連続駆動時間は48分と健闘した

 いよいよ4台目最後のモバイルバッテリーだ。発売日に買った年季の入ったcheeroの5V/2.4A、(充放電50回以下)1万mAhは、強モードでの連続駆動時間はジャスト3時間だった。3時間連続動作すれば使い勝手は悪くないだろう。これならスペックの例のように弱モード(45度)で8時間動作するかもしれないが、本来暖かくなければ意味はない。

年季の入った最後のcheero(充放電50回以下)1万mAhは、なんと強モードでの連続駆動時間は3時間だった。弱モードなら間違いなくそれ以上だ

 今回のテストは、そのほとんどを平均気温18度の室内という環境のなか、各バッテリーで2回実施し、ベストの方を掲載した。冬場で0度近辺になってしまう屋外では違う結果も十二分に考えられる。今回の結果をひとつの目安として考えて頂ければありがたい。

 最初のモバイルバッテリーが赤(強モード:55度)で連続駆動時間がたったの6分と極端に短かった理由は、門外漢の筆者には定かには分からないが、充放電の使用回数よりもバッテリーそのモノの古さによる何らかの劣化が原因のような気もしている。できる限り購入使用開始後、1年以内のモバイルバッテリーの使用をおすすめしたい。

今回のテスト結果からバッテリーは容量も重要だが購入時期も大事かもしれないと思った
製品名発売元実売価格
すぐぬっくマットミニスリーアールソリューション3289円