本日の一品
いにしえのパソコンがキーボードに、「Old Computer Artisan Keycaps」を手に入れた
2022年3月28日 00:00
昭和、平成と時代が移り代わり令和の時代になり、当然と言えば当然だが、時代を担う世代交代により様々な変化が起こった。社会的にも、世代的にも終身雇用制や大企業、大組織への依存度が下がり、”個人”の価値認識や尊重が高まり、目的志向の一時的な集合や連携による働き方が注目される時代となった。
加えて特にここ2~3年はコロナ禍の影響もあり、人と人のリアルタイムでの接触も自ずと減ってきている。パソコン世界にフォーカスしてここ数年を眺めて見れば、その大きな変化は、リモートワークや、個の集合であるコワーキングやノマドワーキングを実現できるスペースの変化だ。
家庭でもカフェでもコワーキングスペースでも個人を尊重する働き方では、周囲に対する気配りに置いても大きな変化の時代だ。そんな”気配り時代”に大きく影響を受けたハードウェアの一つにパソコンの静音系キーボードがある。
過去を振り返れば数年に1回の流行とも言える。昨年の令和時代もクリック音の静かな静音系ボールペンが何度目かのブームだった。昨今の気配り日本においては、当然の様に静音系キーボードが主流だ。しかし海外に目を移せばキースイッチの世界ではまだまだクリアなクリック音がウリの製品もその愛用者も多い。
実は筆者もその一人で、もう何十年もクリッカブルで文字入力時にカシャカシャと音のするはた迷惑な非気配り系キーボードが大好きだ。今回、ご紹介するガジェットはそんなクリッカブル・キースイッチでも有名なチェリー社のキースイッチ軸に取り付けることの出来る「キーキャップ交換フィギュア」だ。
商品名は遠慮がちに”Old Computer Artisan Keycaps”と名付けられたキーキャップだが、パッと見は36年前のMacintoshに似ている。しかし実際に1986年にMacintosh Plusを当時の月給の2~3カ月分の69万8000円で買った筆者の感覚では余り似ているとは思えない。ディスプレイ一体型のパソコンはその後も日本国内でも何度も発売されたが自然と見かけは似てしまうものだ。
小さな段ボールパッケージを開けると、一体型パソコンとキーボード、プリンターらしきイメージの物、ビニール袋に入った何枚かのディスプレイ画面のシーンが出てくる。キーキャップの丸い支柱はチェリーMXキースイッチの+型の軸を収容できるように同様にカットされている。
ディスプレイ一体型のキーキャップの方は、ユニット前面が取り外せるマグネット吸着型となっている。付属のディスプレイ画面イメージフィルム数枚の中からお好みのフィルムを選び挟み込むことが出来る。もちろんオリジナルのディスプレイ画面イメージを自作することでよりカストマイズ感を出すことも可能だ。
Old Computer Artisan Keycapsのディスプレイ一体型キーキャップは、打鍵時にLED発光するチェリー社互換のキースイッチに取り付ければ、LED発光し、周囲の照明がオフならよりファンタジックなイメージを加速してくれそうだ。
チェリー社のMXキースイッチの緑軸が大好きな筆者は、以前クラウドファンディングで作ったReboot Anytimeと呼ばれる手遊びジョーク・ウィジェットのCtrl-Alt-Delのキーキャップの内、Delを残して2つを交換してみた。残念ながら飾っておくフィギュアとしてジョーク性や存在感は大きく増したが実用的には疑問だ。
懲りずに最近、キットとして購入して組み立てた同じくチェリーMXキースイッチの緑軸を使った”てんたく”(テンキー電卓)の左上のキーである”GT”(Grand Total)を交換してみた。サイズ的にはもちろんピッタリだが、電卓系のキーサイズではあいにくプリンター(Tabキーキャップサイズ)の居場所が見つからない。
いろいろトライしてみたが、チェリーMXキー用という世界標準クラスの互換性をもったキーキャップだが、デスクトップPC用の外付けキーボード以外にはなかなかデビューする舞台が少なそうだ。結局、同じく緑軸を搭載した筆者の日常使いの”TEX社のShinobiキーボード”に取り付けてみた。やっぱり一番しっくりするのはこの手のキーボードだ。
製品名 | 購入場所 | 価格 |
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Old Computer Artisan Keycaps | 創作キーボード専門店「遊舎工房」 | 2200円 |