本日の一品

「BUTTERFLY BOARD Notes」っていう令和のホワイトボードを友人から頂いた

“Hello,idea”がテーマのBUTTERFLY BOARD Notesという再利用可能な小振りなメモを友人から頂いた

 不思議なもので、デジタル世界が進化すればするほどレガシーなアナログ世界も対抗するように進化する。筆者も友人たちと、手書き専用の自分達オリジナルの大学ノートをツバメノートと一緒に作ろうと思い立ったことがある。

 筆者が過去に大きな影響を受けたのは、当時登場したばかりで通信大手のノキアも採用していたアノトテクノロジーの手書き文字デジタル化のアナデジ・アノトペンだった。そんなアナログとデジタル大好きな筆者が、最近友人から“BUTTERFLY BOARD Notes”(バタフライボード)と呼ばれる小振りな手書きホワイトボードを頂いた。

 手書きノートのデジタル化市場は、過去に国内でもほぼ同時に数社が参入したが、今ではそのほとんどが休業状態だ。一方、アナログ世界の閉じたワールドで根強い人気のnu board(ヌーボード)や昨今では100円ショップや雑誌の付録にも同類が登場してきて細く長く生き残っているBoogieboard(ブギーボード)系が同ジャンルだろう。

デジタル化アプリを自社で提供しないのはホワイトボード系メモ老舗のヌーボードとよく似ている
世界市場を見ると再利用可能なペーパーとフリクションペンを使うこの世界はRocketbookアプリを使う商品が圧倒的だ

 フリクションペンを採用したバタフライボードと同じく海外では、ROCKETBOOK(ロケットブック)と呼ばれるフリクションで手書きしたメモやイラストをスマホで撮影しクラウド共有するセンスの良い一気通貫型システムが人気だ。筆者も同社のシステムを活用したサイズ違いのメモやカードをいくつもずっと愛用している。

 ここ10年くらいは、手書き→スマホキャプチャー→クラウド共有の流れはアナデジノート系の定番デジタル化処理だ。多少クラウド共有の遅れていたBoogieboardも最近、ほぼ全シリーズに対応した。ROCKETBOOKはその技法の老舗だ。一方でバタフライボードはヌーボードと同じく自社で専用キャプチャーアプリを持たない形で市場参入した。

 バタフライボードのケース表面の下側には商品名より大きなサイズで描かれた“Hello, idea”という金箔文字が目を引く。フリクションペンを前提に、書いては消せる再利用可能な薄い6枚(12面)のホワイトボードがコアの商品だ。ユーザーが四六時中バタフライボードを活用してアイデア創造することが基本コンセプトなのだろう。

商品名であるBUTTERFLY BOARDより大きなポイントで記載されている“Hello, idea”が重要なのだろう
6枚の薄く小さなホワイトボードがマグネットでくっついたBUTTERFLY BOARD

 話は脇道にそれるが、頂いたバタフライボードを筆者の友人に手渡して見せるとなんと10人中10人が、袋状のケースの綴じ代を両手で開こうとする。実際にバタフライボートをケースから取り出すには、左右と下の3方が糸綴じされているので、唯一開いている上から取り出すのだが、成り行きか意図的か面白い発想だ。

BUTTERFLY BOARDは手前の縫った側面では無く上から引っ張り出す

 筆者は生まれつき、文字やイラストを小さなスペースに細いペンで細かく描くのが苦手な体質だ。今回、バタフライボードに0.4㎜径の超細字のフリクションポイントで文字や図を描くのも人生初だった。しかし実際に描いてみると、バタフライボード表面の材質のせいかいつものフリクションペンに抱いていた感覚と違うのだ。

細かな字や絵を描くのが苦手な筆者だが想像以上に描きやすいのにビックリ

 いつもはそれほど感動しない、フリクション独特の筆記時の違和感をあまり感じない。良い意味で、カスレもなく極めてスムーズな筆記感覚だ。極細系のボールペンを見直してしまった。ネットで見るとどうもこのフリクションポイントというペンはシナジーチップなどと言う新開発のテクノロジーを採用しており従来品とは別物のようだ。

 バタフライボードの特長は、フリクションポイントと相性の良い6枚の筆記パネルだ。普通のノートなら綴じ部分に糸綴じやリング穴があるが、バタフライボードの表紙や筆記パネルはその部分に強力なマグネットが仕込まれている。

筆記ページも表紙も1枚ずつバラバラになり自由な配置が簡単だ

 出荷時は6枚の筆記パネルは普通のノートのように表紙と裏表紙の間にお行儀よく並んでくっついている。必要があれば各々が自由にバラバラに取り外せ、2枚の筆記パネル同士でも、これから使う1枚だけを表紙や裏表紙の外側にでも自由にくっつけて持ち主の自由に便利に活用できる。当然、ユーザー間で記入済みページの交換も可能だ。

 前述したようにバタフライボードは、BoogieboardやRocketbookのようにスマホ上で動作する専用のデジタル化アプリを自社では提供していない。デジタル化の必要なユーザーは、自己責任でスマホ版アプリのDropboxのスキャン機能やマイクロソフトのOffice Lensなどの機能を使うことになる。

 筆者はDropboxの有料プランの契約ユーザーなので、Dropboxアプリの中のカメラスキャン機能を使ってコンテンツを記録している。バタフライボードの見開きに記述した両ページを一気にスキャン(撮影)できる。思い立った時にスキャンし、Dropboxの任意のフォルダーに好きなファイル名で保存・共有ができるので便利だ。

筆者は2TB契約しているDropbox標準のスキャンアプリでバタフライボードの見開きを一発スキャン、Dropboxの任意のフォルダに好きなファイル名を付けてアップロード

 しかし、単にクラウドを介してスキャンデータの共有を行うだけであれば、Dropboxのカメラスキャン機能を使えば別にバタフライボードのユニーク性は必要無い。昨今はごく普通のリーガルパッドに描いた下書きでも全く問題なくクラウド上の共有データとして扱えてしまう。

Dropboxスキャンアプリを使えば普通のリーガルパッドも簡単にスキャンしてアップロード、共有が可能だ

 バタフライボード・ノーツを使う意義は、そのコンパクトなサイズ感と安定した筆記感を実現してくれるフリクションポイントとの相性だ。そして再利用可能でたった1枚でも自立できる内部ページ。適度な硬さでクリップボード付きのメモのようにどんな状況でもユーザーの筆記を無理なく実現してくれることだ。

 バタフライボードは、細かな描き間違いや修正はフリクションポイントの小さな消しゴムでも大丈夫だ。しかし一気に消し去ってリニューアルしてページを使用したいなら、フリクション専用の消しゴムやロケットブックに付属する布切れを少し濡らして拭くのが圧倒的に効率的だ。

全頁消去ならフリクション専用消しゴムやRocketbook付属の布を少し濡らして拭き取るのが簡単だ

 小さな文字や絵、図版を細かく描くことに抵抗の無い人なら、フリクションポイント0.4で描くバタフライボードは、思い浮かんだアイデアの詳細を細かく記録できる素晴らしいコンパニオンだ。加えてお気に入りのスマホと、アイデア創造の鉄板名著「アイデアのつくり方」があればさらに完璧だろう。

BUTTERFLY BOARD+BALMUDAみたいな小振りなスマホ+ジェームス・W・ヤングの鉄板名著「アイデアのつくり方」の3点セットならきっとハローアイデアは実現しそうだ
製品名発売元購入価格
バタフライボード ノーツ・ホワイトセットバタフライボード6930円