本日の一品

シニアスマホの使い勝手を加速させる「ルーペ付き手帳型ケース」が最高だ

ルーペ付き手帳型ケースはアクティブシニア系の応援ツールだ

 四半世紀前にパナソニックのPDA「ピノキオ」にハマっていた当時88歳の親父が居た関係で、筆者はシニア携帯というモノには長い間無縁だった。しかしその後、親父が他界して一人住まいになってしまった母親との連絡の為に初期のシニアガラケーを設定目的で触れたことがあった。

 今思えば大きなタッチスクリーンも無く、昭和なイエデンワをそのまま小さくした様なモノだった。初めて触る高齢者にとっては、絶対に触れたくない気持ちより、いつでも息子に連絡が付くという安心感の方をほんの少しだけ優先したモノだったに違いない。

 当時も今も高齢者にとってスマホが不得手な理由は、(1)ミスタッチで何が起こるか分からない不安、(2)多機能でメニューが複雑で今の自分の居場所が分からない不安、(3)液晶になって文字が見にくくミスする不安、(4)「触れる」と「押し」の感覚がつかめない不安、(5)とにかく液晶画面タッチ周りの不安、というところだろう。

 今回、かなり久しぶりにソフトバンクのシニアスマホ「シンプルスマホ5」に触れて筆者はこの10年ほどの進化に驚いた。一般的なAndroidスマホのホーム画面と異なり、シニア層の使用頻度の高そうなアプリのアイコンだけを並べた大きなタイル系のダッシュボードイメージだ。そして確実に「押す感」のある物理的なボタンが最下段に配置されている。ボタンは左から「電話」「ホーム」「メール」の3つだ。

筆者が知るシニア携帯から大きく進化したシニアスマホ「シンプルスマホ5」
シニアが触って安心な物理的なタクタイル感のある電話・ホーム・メールボタン

 シニアはまあこの3つがあれば大丈夫だろう、というのは現代では必ずしも当てはまらないが、プリセットされた9つのダッシュボードメニューと合わせてみると納得のいく選択と配列だ。あとは本人が努力して習得して配置換えするとか、メニューの再選択、再設定を行うことができるまで慣れることもある程度は必要だ。

ホーム画面最下段に常時表示されるよく電話する3カ所は従来からの継承だ

 筆者が母親にシニアガラケー、その後、スマホの操作を教えていたころとの最大の違いは、メニュー選択でどの画面に行っても必ず画面の左下には「戻る」というボタンがあることだ。これは筆者が母親に教えていた頃に絶対に欲しい機能だった。

あらゆる場面でも画面の最下段左端は「戻る」ボタンで統一されている
8.jpg

 少なくとも以前に比べてシニアスマホは大きく進化した。後はやはり小さな文字にどう対処するかだろう。そこはテクノロジー頼みのピンチアウト操作だけでは解決しない奥の深い問題だ。まして表示フォントのサイズを変更するなんてシニアじゃなくてもできない人は多いし万能ではない。

 今回ご紹介する「ルーペ付き手帳型ケース」は、シニアがスマホを購入した時に同時に買うことの多い人気アイテムである手帳型ケースに、本来なら耳にかける〇〇〇ルーペをインテグレートしたシニア層に最適な「日常操作支援ガジェット」だろう。

シンプルスマホ5の使い勝手をより加速させるルーペ付き手帳型ケース

 今回のルーペ付き手帳型ケースに先駆けて、動画再生にウェイトを置いたデスクトップ据え置き型ルーペ付きモデルは以前このコラムでもご紹介した。今回の商品は文字読み取りに重点を置いてよりモバイル環境に特化した秀作モデルだ。中央のスタンドとなる部分にカードが1枚入るスペースも確保されている。

以前ご紹介した据え置き型の画面拡大ルーペはどちらかと言えば動画用
ごく普通の手帳型ケースと変わらない薄さとコンパクトさ
実際に展開すると3面となる。左端がルーペ、右端がスマホフォルダーケース
中央のルーペスタンド代わりになる部分にはカードホルダーが用意されている

 実際の使い方だが、スマホ画面とクレカケースのあるスタンド部分、そしてルーペのある面の全部で3面が各90度折れ曲がって側面から見て「コ」の字形状になるように手で支え、ルーペ面からディスプレイを見る仕組みだ。スタンド面とルーペ面のヒンジ部は無段階にどんな角度でも固定できるので、片手でも比較的操作は楽だ。

実際に使用シーンではこんな感じ。ルーペ面とカードフォルダーのあるスタンド面は無段階の角度で固定できるので、2面のヒンジ部分を指先で支えてこういう感じで拡大できる

 高齢者にとってもスマホは自宅でも移動途中や目的地などのモバイル環境でも使うモノだ。なので今回は実際にルーペ付き手帳型ケースを取り付けたシンプルスマホ5を近所の時々行くジャズカフェに持ち出してその途中でもいろいろ使ってみた。

 当然だがルーペ機能を活用しての文字拡大操作は歩きながらは危険だ。必要なら通行の邪魔にならない路肩に止まって使いたい機能だ。カフェでは珈琲を飲みながら、実際にメニューのランチャーからニュースをタップして表示された記事をルーペ拡大機能で読んでみたところ3~4倍の大きさに表示してくれ、読みやすさは格段に向上した。

ルーペ付き手帳型ケースを使えば、感覚的には文字サイズは3~4倍大きく見える

 ついでにカメラも試してみようと考え、お店の中と外の風景をシンプルスマホ5のカメラ機能で撮影してみたが、筆者が知る時代の以前のシニアスマホとは格段の撮影結果に驚いた。筆者は現在、Pixel 6 Pro、Motorola razr、BALMUDA Phoneなどのマルチスマホユーザーで、インスタ映えする写真に慣れた目には派手さは無いが、極めて自然で誇張の無い結果はかえって印象的で好感度だった。

シンプルスマホ5とルーペ付き手帳型ケースを持ち出して使ってみた。立ち寄ったジャズカフェで写真も撮ってみた。意外に刺激の少ないナチュラルな撮影結果に驚いた

 マーケティング的には「シニアスマホ」というジャンルは世の中の認知を受けたスマホの1セグメントなのかもしれないが、令和の時代、もう少しグッドな名称があっても良さそうな気がする。何はともあれルーペ付き手帳型ケースは令和時代のシニアにはぜひとも使って頂きたい一品だ。

ルーペ付き手帳型ケースはシンプルスマホ5のシニアユーザには必携のアイテムだ
商品名発売元価格
ルーペ付き手帳型ケース(SB シンプルスマホ5用)SB C&S4896円

SoftBankオンラインショップ
最新機種の情報をチェック