本日の一品

音が抜群に良い「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー」

 ベルキンが同社初のスマートスピーカーを発売した。「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー」(以下、SOUNDFORM ELITE)だ。球形とまではいかないが、卵のようなコロンとした形。搭載しているAIアシスタントはGoogle アシスタント。さっそく取り寄せてみた。

 箱を開けてみたところ、想像以上に高級感漂うSOUNDFORM ELITEが鎮座していた。しかし、前述のような卵をイメージさせるフォルムとファブリック素材のおかげで、親しみ深さも感じられ、インテリアになじみそうな予感。

ファブリック素材で覆われている側面。引っ張ると伸びる

 サイズは約162×162×168.5mmと少し大きめで、テーブルの上なら気にならないが、作業机の上では存在感たっぷり。

すでにデスクの上が“満席”なこともあり、キーボードとPC本体の間に鎮座するSOUNDFORM ELITE。存在感たっぷりである

 SOUNDFORM ELITEは、Googleアシスタントを搭載しているので、声による調べ物ができる。Alexaだと、「すみません、わかりません」「わたしには答えられません」という答えしか返ってこないことが多いような質問でも、しっかり返してくれるのが頼もしい。

 しかしそれはGoogleアシスタント搭載のスマートスピーカーならどの機種でもできること。SOUNDFORM ELITEに限ったことではない。この端末の肝は、スマートスピーカーと呼ぶにはもったいないほどの音質の高さにある。

 というのも、SOUNDFORM ELITEは2007年に創業したフランスの高級オーディオメーカー Devialet(デビアレ)の音響技術を取り入れている。「Speaker Active Matching」(以下、SAM)と呼ばれるその技術は、「アーティストが狙った通りの」「最高に忠実な音の再現」を可能にしたとのこと。収録した原音に忠実ということは、これを使えば収録現場に立ち会っているような感動を得られるのではなかろうか。

 さっそく、Spotifyから楽曲を再生してみたが、迫力満点の音に驚いた。ハイレゾ音源には対応していないため、手持ちのヘッドホンにはかなわなかったが、「すごくいい!」と思っていた初代Echoよりも、音がクリアだし、低音は重厚感があるし、何より音圧がすごい。これに慣れてしまうと、ほかのスピーカーに戻れなくなりそうで、「人間の欲望とは際限ないな」と思わされた。

 手持ちのスマホで再生する動画の音声や、スマホに入れてある音源も、Bluetooth接続すれば再生可能だ。スマホの設定からBluetooth接続に入り、セットアップ時に付けたSOUNDFORM ELITEの名前が表示されたら、タップするだけ。ほかのBluetoothスピーカーやヘッドセットと何ら変わりない。

 もうひとつ、SOUNDFORM ELITEのほかにはない特徴として、トップ部にワイヤレス充電スポットを搭載しているということが挙げられる。いい感じに傾斜がついているため、スマホの通知を確認したいという場合でも、置き場所によっては少し視線を落とすだけでチェックできる。

SOUNDFORM ELITE上部。ワイヤレス充電スポットと各種コントロールがあるのがわかる。スマートスピーカーなので、「音量を下げて」「音楽を一時停止して」という音声コントロールでも操作可能だが、声を出したくない場面ではタッチコントロールできるのはありがたい
いい感じの傾斜
そのため、充電しながらでもスマホに視線を落とすのが簡単だ

 残念なのは、横置きに対応していないこと。「せっかくなので、いい音で動画を見ようかなぁ」と考えたのだが、ほんの少しも引っかかりがないため、別にスタンドを用意しなければならない。完成されたデザインなので、これ以上望むのは酷というものか。

どこにも引っかかりがない滑りの良い素材のため、どう工夫しても横置きできない。Rakuten Miniほどのサイズであれば置けそうだが、ワイヤレス充電に対応していないので意味がないし、そもそもあのサイズで動画を視聴しようとは思わない

 4万2550円(税別)と値が張るが、良い音質で音を鳴らせるBluetoothスピーカーとスマートスピーカーを手に入れたと思えば、それほどの出費には感じられなさそう。SOUNDFORM ELITEを2台つなげてステレオスピーカーとして使える日がくればいいなぁと、夢が膨らむガジェットである。

製品名発売元販売価格
SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカーベルキン4万2550円(税別)