本日の一品

駆動時間は驚異のハンドレッドアワー! ゲーミングワイヤレスヘッドセット「GSP 370」

 今回は、提供してもらったゲーミングワイヤレスヘッドセット「EPOS Sennheiser GSP 370」(以下、「GSP 370」)を紹介する。提供してもらったはいいけれど全然合わなかったらどうしようと思っていたが杞憂に終わり、常用するくらいに気に入っているので、気兼ねなく書けた。なお、本製品はWindows、Mac、PlayStation 4に対応し、筆者はWindows 10搭載のPCを利用してレビューしている。

 「GSP 370」はゲーミングデバイス「GSP」シリーズに属し、当然ながら本製品もゲーム向けに作られている。ゲーミングデバイスというとエッジの効いた見た目だったり約1677万色に光ったりするイメージがあるが、少なくともそれっぽくない見た目だし光らない(バッテリー残量などを示す光は出るが)。グレーの落ち着いた配色も相まって、ちょっとゴツいヘッドセットかな? と思うくらいのデザインだ。これなら、ゲーム用途だけでなく、ビデオ会議などお堅いビジネスシーンでも使えそうだ。

「GSP 370」と付属のUSBドングル(Micro-USBケーブルも付属している)

 本製品は、付属のUSBドングルを介して低遅延のワイヤレス接続を可能としており、ヘッドセットのバッテリー持続時間は最大100時間(スタンバイ状態なら900時間)と超長いことを謳っている。筆者は性格が悪いので「んなこと言ったって、どうせ1日使ってたらゴリゴリ減るだろ」とかなんとか思っていたのだが、予想以上に減らない。すごい。

 ワイヤレスヘッドセットの類は20時間も持てば十分だろうが、本製品は次元が違う。1日10時間使っていても、充電頻度は1週間に一度以下で済む。そんなに長くヘッドセットを使わないという人にとっても、充電頻度が下がることに変わりはない。バッテリー持続時間がものすごく長いことは、テレワーカーなどゲーマー以外の人でも恩恵を受けられる利点だ。

バッテリー残量の詳細は「Sennheiser Gaming Suite」というソフトの上部で確認できる
Micro-USBポートで充電可能。充電しながらでも利用可能だ

 ワイヤレス通信による遅延については、さすがUSBドングルをわざわざ用意しているだけあって、全然気にならないレベルだ。「レインボーシックス シージ」や「Apex Legends」などで遊んだり、動画視聴したりするときに使ってみたところ、まったく違和感を覚えない。音ゲーなどだと厳しいのかもしれないが、そういう音のタイミングをシビアに追及する場面だったら、筆者ならそもそもワイヤレスオーディオは使わないかな……。

ボリュームコントロール用ホイールは、軽い力で回せる。ちょっと触れるだけで回ってしまうので、もう少し硬めな方が好みではある(被写体は同僚)

 また、本製品はゲーミングヘッドセットとしては側圧が弱めに感じる。頭がデカい筆者としては、うれしい仕様である。これまでゲーミングヘッドセットを試着してみると、側圧が強く感じることが多かった。これは、ゲーム中に装着位置がずれてしまうことを防ぐ工夫なのでは、と思っている。装着位置がずれたままプレイするのは集中力を削ぐし、聞こえ方にも影響が出そうなので、こうした作りなのは理解できる。なのではあるが、頭デカ男な筆者としては大変つらく、装着し続けるとひどい頭痛に苛まれてゲームどころではなくなる。というわけで、本製品の側圧の弱さはすごくありがたいのだ。

低反発イヤーパッドと側圧の弱さにより、眼鏡をかけていても痛くなりづらい

 本製品はゲーミングヘッドセットとしては側圧が弱めなことに加え、重量が約285gと軽め。さらに低反発のイヤーパッドとヘッドバンド部の柔らかいクッションにより、長時間装着していても比較的快適。強いて難点を挙げるとすれば、本製品は密閉型なのでどうしても使い続けているうちに耳が蒸れてくることだろうか。長時間駆動するのだから、ずっと着けていたいのである。次はぜひ開放型バージョンを作ってほしい。

メッシュ地でできたヘッドバンドのクッションは、中央部が凹んでいる。圧迫感の軽減に役立つうえ、接地面が少ないからか通気性も良い。気がする
ブームマイクを上げると自動でミュートする機能も地味にうれしい

 耳に自信がない筆者は音質に関して強く言えないのだが、本製品は低音がやや強めかな? と思うくらいで、すべての音域でバランスよく鳴っている印象だ。イコライザーなどを利用することを前提にした作りなのかもしれない。

 本製品の専用ソフトではないものの、イコライザーやバーチャルサラウンドサウンド機能、本体のファームウェアアップデート機能などを搭載した「EPOS Sennheiser」製品向けソフト「Sennheiser Gaming Suite」についても触れておこう。ぶっちゃけてしまうと、残念に思う部分がちらほらとあるので改善してほしいという気持ちが……。まず、イコライザーのプリセットが「ESPORT(TREBLE)」「FLAT」「MOVIE」「MUSIC」の4つだけと少ないのが気になる。せめてゲームジャンル別のプリセットはほしいところ。

プリセット一覧
ボイスに関する機能も有している(使いこなせなかった)

 また、本ソフトを導入すると、「Dolby Atmos for Headphones」や「DTS Headphone:X」など、ほかの立体音響システムに切り替えられなくなるのも厳しい。ゲームプレイ時は本ソフトを使いたいが、映画視聴するときは他のものに切り替えたいと思っても手間がかかってしまう。ここで挙げた不満点はソフトの問題なので、アップデートで解消されることを期待している。

画面左下の「7.1」をクリックするとバーチャルサラウンドサウンド機能のオン・オフを切り替え。音がどの方向から聞こえるかわかりやすくなる。これは実感できたので、ソフト全体が改善されたら使いたいとは思える
ヘッドセットとUSBドングルのファームウェアアップデートがあった場合、ここから行える。ちなみに、ヘッドセットをアップデートするにはPCとUSB接続する必要がある

 ゲーミングワイヤレスヘッドセット「GSP 370」は、低遅延・超長時間駆動・側圧がやや緩めなど、ヘッドセットを長く快適に利用しやすい。ゲーム用途だけでなく、テレワークをはじめとするビジネス用途、映像視聴などのおともにもオススメな一品だ。

製品名発売元実売価格
EPOS Sennheiser GSP 370EPOS Japan2万6800円(税込)
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