本日の一品

手持ちのLightningケーブルがSCSIに変身!? 「ケーブルマニアSCSI」

パッケージ。名目上はケーブルのフィギュアという位置づけで、本物とは素材も異なる

 エレコムの「CABLE MANIA(ケーブルマニア)」と言えば、RS-232CやRGBなどレガシーなケーブルのコネクターをLightningケーブルに装着して見た目をレガシーにする、究極の無駄グッズだ。そんなCABLE MANIAに、昨年新しく「SCSI」版が加わったと聞いて購入してみた。

 SCSI(スカジー)と言えば、90年代後半にUSBが登場するまで主流だったデータ転送規格だ。フルピッチ、ハーフピッチ、ピンハーフピッチなどさまざまなコネクター形状が存在していたが、それらを相互に変換するアダプタだけで数千円もしたほか、終端にターミネーターを取り付けないと動作しなかったりと、コストだけでなく手間もかかる規格だった。いまとなってはSCSIの読み方すらわからない人が大半だろう。

 今回のCABLE MANIAのSCSI版は、それらコネクターの中でよりによってもっともビッグな、フルピッチ50pinを模した外見が特徴だ。そのサイズたるや、幅は実測77mm、厚みは16mmもあり、iPhoneの幅および厚みをはるかに凌駕している。もはやiPhoneに接続しているのか、iPhoneが接続されているのか分からず、これ以上のミスマッチはないだろう。

紛れもなくSCSIフルピッチ50pinのコネクタ。筆者は90年代半ばに所有していたフラットベッドスキャナがこのコネクターだった
ロッキングする金具の部分は塗装で再現されている

 あらためて仕組みを紹介しておくと、軟質樹脂でできた本体の背面には縦に切れ込みが入っており、その隙間にLightningケーブルを挟み込んで取り付ける。裏面から見ると若干不格好だが、オモテ面からすると正しくSCSIフルピッチ50pinのコネクターに見えるという仕組みだ。

Lightningケーブルとの比較。ちなみに純正のLightningケーブルにのみ適合するとされている
ケーブルを挟んでいるところ。軟質樹脂なので力を加えると簡単に広げられる
セット完了。Lightningコネクターのカバーが若干飛び出ているのは、ケース装着時でも本製品が干渉しないようにするためだろう

 外見をレガシーに見せる以外には何の意味もないこの究極の無駄グッズ、Lightningコネクターの付け根を保護する効果がなくはないが、使い勝手が悪くなることを考えると実用性は差し引きでマイナスだろう。しかし現在は失われたその形状が醸し出すノスタルジックさには、不思議と落ち着かされるのも事実。世代によっては筆者のような人もきっと少なくないに違いない。

装着の様子。付け根から伸びているLightningケーブルが異常に細く見えるのがおかしい
今回は第1世代のiPhone SEに接続しているが、それ以外のiPhoneでもサイズの特異性は目を引く

 そしてこのケーブルマニアのSCSI版、さすがに奇抜すぎたのか、発売から1年も経たず、本稿執筆時点では早くも限定扱いになっている。製品ページを見ると色違いまでラインナップしていたようで、調子に乗りすぎた感は否めない。実売価格も300円程度まで下がっているので、限られた人にだけウケを取れるグッズとして、ちょっとした景品やプレゼントなどに忍ばせてみてはいかがだろうか。

製品名発売元実売価格
ケーブルフィギュア/CABLE MANIAビッグサイズ/SCSI - P-APLTDCNBSCWHエレコム382円(税込)