本日の一品

アンダー千円の衝撃。国産ながら格安の完全ワイヤレスイヤホン「Join Fit」

製品本体。形状は無個性だが、紛れもない完全ワイヤレスイヤホンだ

 完全ワイヤレスイヤホンの値下がりの激しさは今に始まったことではないが、最近は、ひととおりの機能を備えながら5千円を切る製品も登場している。今回紹介する「Join Fit」は、それをさらに下回る、実売千円以下という破格のプライスが特徴だ。筆者は秋葉原の店頭で税込780円で購入した。

 外観はかなり大柄で、決してスタイリッシュではないが、左右のピースが独立した、紛れもない完全ワイヤレスイヤホンだ。本体側面のボタンは、長押しで電源オン・オフ、通常押しで再生・一時停止、ダブルクリックで次の曲へのスキップなど、ひととおりの操作が行える。AirPodsと同様、音量調整機能は省かれており、スマホ側で操作することになる。

国内メーカー(ハック)の製品。もちろん技適も取得している
購入時価格は780円(税込)。ネットでは1200円程度で購入可能なようだ
同梱品。充電器兼用ケースではなくピンのついた専用ケーブルで充電する

 国内メーカー製ゆえ、取扱説明書は日本語で、ペアリングの方法や、側面ボタンを使ったショートカットによる操作方法が詳しく記されており、その手厚さに驚かされる。音質に関してはさすがに価格相応で、イヤーピースも1種類しか付属しないが、汎用タイプなので自前での交換は可能だ。

 実際に使ってみると、いくつかネックがあることに気づく。ひとつはこの手の製品に多い充電器兼用ケースが付属せず、専用ケーブルを使って充電すること。それゆえバッグやポケットの中に入れる時には、イヤーピースがむき出しのまま放り込むことになる。衛生面はやや気がかりだ。

側面がボタンになっている
電源オン・オフのほか、再生・一時停止、次の曲へのスキップが行える
側面。楕円形でないぶん直径は太く見える

 またバッテリーの持続時間は、公称約1.5~2時間、実測ではせいぜい1時間ちょっとで、電車で往復30分の行き帰りだけで完全になくなってしまう。外出先に持ち出しにくい前述の特徴と合わせて考えると、自宅内で使ったほうがよいだろう。充電可能回数が250回と少なく、毎日使うと実質1年しか持たないのも少々つらい。

 ほかにもBluetoothのバージョンが5.0ではなく4.2だったり、コーデックも動画再生には不向きなSBCのみだったりと、一昔前の仕様が目につく。ただ、とはいっても、千円前後というプライスを考慮すると、この価格でよくこれだけきちんと使える製品に仕上げたものだと感心する。

専用の充電ケーブル。先の細いピンを本体に差し込んで充電する
充電を行っているところ。仰向けに置きやすい形状なのはよい
電源をオンにするとブルーのLEDが点灯する
そこそこ大柄なため、装着していることは周囲からひと目で分かる

 したがっておすすめできる用途としては、完全ワイヤレスイヤホンの入門機としてのお試し用途のほか、自宅で複数のデバイスを所有していてペアリングでの切り替えが面倒な場合に、利用頻度が低い製品にこちらをあてがうのもありだろう。他製品とのベンチマークとしても面白い存在なので、目にすることがあれば、ぜひチェックしてみてほしい。

AirPods Pro(右)との比較。対照的なデザインだ
製品名発売元実売価格
Join Fitハック780円
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