本日の一品
Qualcommチップ採用で極上の音質、1万円台で買える国産のカナル型ワイヤレスイヤフォン
2020年1月9日 06:00
AirPods Proの登場により、カナル型の完全ワイヤレスイヤホンは、戦国時代に突入した印象がある。高付加価値モデルとしてはAppleのほかソニーなどが激しい戦いを繰り広げており、現在は3万円前後が主戦場となっている。
一方で、最近ではローエンドモデルの低価格化も進行しており、いまや1万円未満でも候補がゴロゴロある。もっともそれらは、音質がイマイチだったり、ノイズを拾いやすかったり、すぐ接続が切れたりと、粗悪な製品も多い。
このように両極化した完全ワイヤレスイヤホンの中で、価格は両者の中間程度にあたる1万円半ばくらいで、ひととおりの機能と性能を備えたカナル型の製品が、今回紹介する「M-SOUNDS MS-TW3」だ。国内メーカーが製造販売を手掛けるこの製品、サンプルを借用してしばらく使い込んでみたので紹介する。
本製品には、AirPods Proなど高価格帯の製品が備えるノイズキャンセリング機能こそないものの、強みとなるのはQualcomm最新チップの採用によるクリアな音質だ。実際に聴き比べると、1万円以下の廉価モデルとは雲泥の差なのはもちろん、3万円台の製品にも匹敵するクオリティだ。aptX対応で音の遅延も少なく、動画鑑賞での利用にも適する。
ボディはややずんぐりしており、とりたててコンパクトというわけではないが、これは音質の向上を目的にノーズを長く取った結果とのこと。日本人向けにデザインされた形状とのことで、実際に装着してもフィット感は高い。また3サイズ×2種類の付属ピースのうち、SpinFit製のピースを使うことで、非常に高い遮音性を得られる。
また、1回の充電で約10時間使えるバッテリーの持ちのよさもポイントだ。付属の充電器兼用ケース併用で最大60時間もの駆動が可能ゆえ、毎日数時間使っても、1週間ケースを充電せずに使えてしまう計算だ。このクラスの製品はせいぜいこの半分程度というモデルが多数を占めており、なるべく充電回数が少なくて済むモデルを探している人にも向く。
また本製品は国内メーカーが企画設計していることもあり、日本語の取扱説明書も充実しているほか、サービス面では紛失時を想定した片方のピースだけの販売も行っているなど、廉価なモデルとは一線を画している。本稿執筆時点では未リリースだが、ソフトアップデートに対応したアプリも用意されるとしている。
敢えてツッコミどころがあるとすれば、1万円以下の廉価なモデルと外見上で差別化できないほど、ケースも含めた見た目の地味さだろうか。実際に使えば音質の違いは明らかだが、製品特性上なかなかその機会がないのが、非常にもったいないところだ。予算を極力抑えつつ、製品選びで失敗したくない人には、ぜひチェックしてみてほしい製品だ。
製品名 | 発売元 | 実売価格 |
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M-SOUNDS MS-TW3 | エム・エス・シー | 1万3800円 |