本日の一品

1万円超のAndroid向けゲーミングデバイス「Razer Junglecat」が気になるので借りてみた

 ゲーミングデバイスを手がけるRazerが、「Razer Junglecat」というAndroid向けデバイスをリリースした。片手持ち用のBluetoothコントローラーを2つ備え、アダプターを使ってつなぐとゲームパッドに変身するシロモノだ。

 身も蓋もないが、Nintendo SwitchのJoy-Conや、ROG Kunai Core Gamepadっぽいデバイス、と言えばイメージしやすいだろう。使い心地はどんなものか気になったので、代理店であるMSYに懇願し、発売前にお借りした。

「フォートナイト」を全面に押し出したパッケージ
Joy-Conっぽいフォルム。方向スティックやLRボタンなど、キーは一通り揃っている

 Razer Junglecatは一般的なBluetoothデバイスと同じく、ペアリングするだけで使える。Bluetoothの設定画面には左右のコントローラーが表示されるが、どちらを選んでも自動で両方のペアリングが完了。

Bluetoothの設定画面
レール部をスライドさせ、アダプターを着脱する。ロック機構は付いていない簡素な作り
ゲームパッドの状態はこんな感じ。なお、充電は各コントローラー下部のUSB Type-Cポートを利用する

あとはゲームパッド対応のゲームなら、設定不要でそのままプレイできるはず。なお、Razerが自社で動作を確認したゲームのリストはこちら

上記のリストに挙がった「アスファルト9」は問題なく遊べた
「Call of Duty: Mobile」は対応するコントローラーが少ないようで、本製品は反応しなかった
「フォートナイト」もゲームパッドに対応。本製品のレスポンスも上々で、違和感なく操作できる

 これはBluetoothゲームパッドすべてに言える利点だが、ディスプレイに直接触れるよりも遊びやすいゲームは少なくない。とくに、PCや家庭用ゲーム機からの移植作などは指で画面が隠れるなどでプレイしづらく、本製品のようなゲームパッドがないとつらいものがある。ちなみに、そういったゲームでもゲームパッドに非対応なこともあるので、できれば対応してほしいところだ……。

 本製品は一般的なゲームパッドに比べると小ぶりで握りづらいのは難点だが、可搬性を考慮した結果であろう。外出時でもゲームパッドを使ってスマートフォンゲームをしたいが、ゲームパッドがかさばってしまうのはイヤ、という方もいるだろうし。持ち運ぶ際の注意点としては、方向スティックの背がやや高いこと。裸で持ち運ばず、ケース類に入れて保護しておきたい。

 また、コントローラーはバッテリー駆動で最大100時間以上動く、とのこと。バッテリー残量を気にしないで遊べるのは気に入っている。自宅メインで遊ぶ方にとっても、持ち運びたい方にとってもメリットとなるだろう。実測した重さは、コントローラーが42gで、ゲームパッド時(両方のコントローラー+アダプター)で102g。長時間のプレイでも腕が疲れないくらいの重さだし、疲れたら腕を降ろした姿勢でプレイすれば良いのは楽だ。

リラックスした姿勢でもゲームができるのは本製品の魅力の一つ
Razer Phone 2、Huawei P30 Pro、Samsung Galaxy S10+用ケースを同梱し、ケースのサイドにコントローラーをセットできる。が、利用できる方は少ないだろう

 また、本製品は「Razer Gamepad」アプリと連携すれば、キーマッピングの機能が使えるようになる。画面上の指定したポイントにコントローラーの各ボタン・キーを割り当てられる機能で、バーチャルパッドを表示しているゲームならキーマッピングは容易だろう。

 これならゲームパッド非対応のゲームでも快適に遊べるようになるかと思いきや、そうともいかない。同機能は「Octopus」というAndroidエミュレーターアプリを使って実現している。ゲームによってはこうしたアプリの利用を禁止しているようで(データ改変によるチートの懸念や、ハードウェアチートと見なすなど、禁止の理由はさまざまだろう)、ゲームが起動しなかったり、アカウント停止・削除の対象になったりする可能性はある。個人的にはゲームごとに規約を調べるのが億劫なので、積極的に使おうとは思っていない。本機能を利用すると、Razer Gamepadアプリが常駐するようになる仕様も好みではないし……。使うとしても、ローカルで完結し、スコアランキング機能などを実装していないものに限定したいと思う。

「Razer Gamepad」。Androidスマホ内で設定不要で使えるゲームを表示してくれる
アプリがおすすめする対応ゲームも表示
本アプリを使ったキーマッピングの設定画面

 価格も悩ましい。1万円をオーバーする金額は、興味を持ってもおいそれと買いづらい。ところどころに粗さを感じるので、余計にそう感じてしまうのだろう。プロトタイプっぽい趣のある製品は好きなのだが……。

 自分から借りておいてダメ出しが目立つ内容になってしまったが、ゲームパッドとしてのコンセプトは好みではある。後継機を出すのであれば、グリップ性の向上やアダプターの幅を太くする、アプリはエミュレーター以外を用意する、といった改良に期待したい。

製品名価格発売日
Razer Junglecat1万1636円(税別)2019年12月20日
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