本日の一品
1万円超のAndroid向けゲーミングデバイス「Razer Junglecat」が気になるので借りてみた
2020年1月8日 06:00
ゲーミングデバイスを手がけるRazerが、「Razer Junglecat」というAndroid向けデバイスをリリースした。片手持ち用のBluetoothコントローラーを2つ備え、アダプターを使ってつなぐとゲームパッドに変身するシロモノだ。
身も蓋もないが、Nintendo SwitchのJoy-Conや、ROG Kunai Core Gamepadっぽいデバイス、と言えばイメージしやすいだろう。使い心地はどんなものか気になったので、代理店であるMSYに懇願し、発売前にお借りした。
Razer Junglecatは一般的なBluetoothデバイスと同じく、ペアリングするだけで使える。Bluetoothの設定画面には左右のコントローラーが表示されるが、どちらを選んでも自動で両方のペアリングが完了。
あとはゲームパッド対応のゲームなら、設定不要でそのままプレイできるはず。なお、Razerが自社で動作を確認したゲームのリストはこちら。
これはBluetoothゲームパッドすべてに言える利点だが、ディスプレイに直接触れるよりも遊びやすいゲームは少なくない。とくに、PCや家庭用ゲーム機からの移植作などは指で画面が隠れるなどでプレイしづらく、本製品のようなゲームパッドがないとつらいものがある。ちなみに、そういったゲームでもゲームパッドに非対応なこともあるので、できれば対応してほしいところだ……。
本製品は一般的なゲームパッドに比べると小ぶりで握りづらいのは難点だが、可搬性を考慮した結果であろう。外出時でもゲームパッドを使ってスマートフォンゲームをしたいが、ゲームパッドがかさばってしまうのはイヤ、という方もいるだろうし。持ち運ぶ際の注意点としては、方向スティックの背がやや高いこと。裸で持ち運ばず、ケース類に入れて保護しておきたい。
また、コントローラーはバッテリー駆動で最大100時間以上動く、とのこと。バッテリー残量を気にしないで遊べるのは気に入っている。自宅メインで遊ぶ方にとっても、持ち運びたい方にとってもメリットとなるだろう。実測した重さは、コントローラーが42gで、ゲームパッド時(両方のコントローラー+アダプター)で102g。長時間のプレイでも腕が疲れないくらいの重さだし、疲れたら腕を降ろした姿勢でプレイすれば良いのは楽だ。
また、本製品は「Razer Gamepad」アプリと連携すれば、キーマッピングの機能が使えるようになる。画面上の指定したポイントにコントローラーの各ボタン・キーを割り当てられる機能で、バーチャルパッドを表示しているゲームならキーマッピングは容易だろう。
これならゲームパッド非対応のゲームでも快適に遊べるようになるかと思いきや、そうともいかない。同機能は「Octopus」というAndroidエミュレーターアプリを使って実現している。ゲームによってはこうしたアプリの利用を禁止しているようで(データ改変によるチートの懸念や、ハードウェアチートと見なすなど、禁止の理由はさまざまだろう)、ゲームが起動しなかったり、アカウント停止・削除の対象になったりする可能性はある。個人的にはゲームごとに規約を調べるのが億劫なので、積極的に使おうとは思っていない。本機能を利用すると、Razer Gamepadアプリが常駐するようになる仕様も好みではないし……。使うとしても、ローカルで完結し、スコアランキング機能などを実装していないものに限定したいと思う。
価格も悩ましい。1万円をオーバーする金額は、興味を持ってもおいそれと買いづらい。ところどころに粗さを感じるので、余計にそう感じてしまうのだろう。プロトタイプっぽい趣のある製品は好きなのだが……。
自分から借りておいてダメ出しが目立つ内容になってしまったが、ゲームパッドとしてのコンセプトは好みではある。後継機を出すのであれば、グリップ性の向上やアダプターの幅を太くする、アプリはエミュレーター以外を用意する、といった改良に期待したい。
製品名 | 価格 | 発売日 |
---|---|---|
Razer Junglecat | 1万1636円(税別) | 2019年12月20日 |