本日の一品
経年変化を楽しむ真鍮製の小振りな10cm定規「Lue 10cm ruler」
2020年1月6日 06:00
学校や職場で使われる定規にはプラスティック系やステンレスなど、20世紀になってから開発された良質で生産効率の良い素材が多く使われ大量生産されるようになった物が多い。
その一方で、手間のかかる素材は敬遠され、日常使う道具の材料として竹や真鍮の登場機会は大きく減ったようだ。しかし、昨今、希少なこだわり文具の世界ではこの竹や真鍮が再び脚光を浴び始めている。
その大きな理由は社会全体を通じて認知の高くなってきた“人と違う個性”の見直しだろう。中でも経年変化による個性化が著しい“真鍮”の世界はその最右翼だ。
短いモノ小さなモノ大好きな筆者にとって、わずか10cmの定規はこの上ない興味の対象だ。既に多くの15cm定規を街の文房具屋さんやネットショップで見かける度に衝動買いし、既にその数は20~30本になる。しかし意外と10cm定規は少ない。
プチセレブ文具やオシャレ文具、ノスタルジック文具の世界では、竹はもとより、ガラス、カーボンファイバー、チタン等も登場し、クラシカルでレガシーな“真鍮”は今ではそれほどアピールする素材では無い。しかし使い込んで経年変化による個性的変化は他の素材では経験できないものであることは変わりない。
今回ご紹介するLue 10cm rulerは、岡山県瀬戸内市のLueという工房で真鍮素材を中心にカトラリー・雑貨・アクセサリーを作っている菊地流架さんによる「Lue 10m定規」だ。
両端にはわずかに遊びを残した10cm+定規だが、普段から小さなペンケース等と一緒に持ち歩き、システムノートや小さなメモ用紙と一緒にいつも使える極めてコンパクトな定規だ。
定規と言えば固い雰囲気を想像するが、Lue 10cm rulerの1cm単位のインデックス数字は、不揃いなサイズがかえって似合う手書きの雰囲気がグッドだ。この手法はブランド腕時計に飽きた時に大人が気まぐれに持つチープだけどグッドな腕時計に採用されているジョークと同様だ。
そしてLueの最高のジョークは、定規の基本となるゼロ位置のインデックスである数字の「0」(ゼロ)を定規本体より大きくあふれさせた遊び心だ。
おそらく、腕時計の世界にもある12時や6時位置の数字インデックスを大きくストラップ部分まで溢れさせたのと同じイメージだ。Lueはストラップも何もないただの自由空間に溢れさせた気概が頼もしい。
たかだか10㎝の世界だが、JIS認定の定規と比較しても寸分の狂いもない。真鍮色をマッチングさせるために、ゴールド系のアイテムを急に揃えたくなってしまった。
商品名 | 購入場所 | 価格 |
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Lue 10cm ruler | 上野エキナカ ANGERS | 2860円(税別) |