本日の一品

重くても使いまくりたい人のためのアップル純正「iPhone Smart Battery Case」

 スマートフォンのバッテリーは年を追うごとに大容量化が進んできたが、その一方で、スマートフォンで使いたい用途は増え、利用時間も延びている。特に、最近は動画の視聴やグラフィカルなゲームなど、一段とバッテリーを消費するシーンが増えている。

 こうした状況に対しては、モバイルバッテリーを持ち歩くのが一般的。ケーブルなどで接続し、スマートフォンを充電するわけだけど、ある程度の容量のものはかさばるし、気が付いたらケーブルが抜けていたり、肝心のモバイルバッテリーのバッテリー残量が少なかったりすることも……。

 また、ACアダプターを持つ人も多く、最近は急速充電対応で小型のACアダプターも増えてきたけど、ACアダプターは当然のことながら、コンセントのある場所じゃないと充電ができない。カウンターにコンセントを備えたカフェなどがあるとは言え、まだまだごく一部の店に限られている。

アップル「iPhone 11 Pro Max Smart Battery Case」は背面のカメラ部の大きな穴が特徴的

 そこで、iPhoneユーザーがぜひチェックしておきたいのがアップル純正の「iPhone Smart Battery Case」だ。筆者の記憶が正しければ、純正品として、最初に発売されたのは2015年の「iPhone 6/6s Smart Battery Case」で、それ以降のiPhoneの各機種向けに発売されてきた。

 今年も9月にiPhone 11シリーズが発売され、「そろそろ出るのかな?」とチェックしていたところ、11月下旬にiPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Maxの3機種用がそれぞれ発売された。「iPhone 11 Pro Smart Battery Case」と「iPhone 11 Pro Max Smart Battery Case」はピンクサンドとホワイトとブラックの3色、「iPhone 11 Smart Battery Case」はソフトホワイトとブラックの2色が販売されている。

iPhone 11 Pro Maxの背面に装着した状態。カメラ部よりも下にバッテリーが内蔵されて、盛り上がった形状に仕上げられている

 iPhone Smart Battery CaseはiPhone本体の背面に装着する一体型のバッテリーで、外側はシリコンを採用し、iPhoneに接する内側はマイクロファイバーが使うことで、本体を傷つきにくくしている。背面はバッテリーが内蔵されているため、カメラ部よりも下側が盛り上がった形状になっているけど、iPhone 7シリーズまでのSmart Battery Caseのように中央部分だけが盛り上がった形状ではないため、自然なデザインに仕上がっている。iPhoneの左側面の「着信/サイレントスイッチ」(マナースイッチ)の部分は穴が開いていて、音量スイッチや右側面のサイドボタン(電源キー)の部分はケースの同じ位置にボタンが備えられている。

 少し変わっているのは左側面に備えられた「専用カメラボタン」で、iPhoneがロックされた状態でもボタンを押せば、すぐにカメラが起動でき、長押しすると、ビデオ撮影が可能な状態でカメラが起動する。

iPhoneの左側面の「着信/サイレントスイッチ」(マナースイッチ)の部分は穴が空いているので、カバーを装着したまま、操作できる
下部にはLightningコネクターを装備。USB PD規格の急速充電にも対応
右側面には専用カメラボタンを備える。短押しでカメラ起動、長押しでビデオカメラを起動できる

 iPhoneの下部にあるLightningコネクターは、ケースの内側に出ている端子と接続される構造で、iPhone Smart Battery Caseの外側にもLightningコネクターが備えられている。充電についてはiPhone Smart Battery CaseにLightningケーブルでACアダプターなどを接続すると、充電でき、USB PD準拠の急速充電に対応する。もうひとつの充電方法がQi規格準拠のワイヤレス充電で、iPhoneに装着した状態でもiPhone Smart Battery Case単体でも充電することができる。

iPhoneに装着時はバッテリー情報が一瞬、表示される。ホーム画面のウィジェットからも確認可能だが、ステータスバーにも何か表示が欲しいところ

 気になるiPhone Smart Battery Caseの容量だが、昨年までの製品は「連続通話時間:最大37時間」「インターネット利用:最大20時間」「ビデオ再生:最大25時間」(iPhone XS Maxの場合)と記載されていたのに対し、今年のiPhone 11シリーズに対応した3製品はいずれも「装着するとバッテリー駆動時間が最大50%長く」というざっくりした記載のみ。

 元々、iPhone 11 Pro Maxの仕様には「ビデオ再生:最大20時間」「ビデオ再生(ストリーミング):最大12時間」「オーディオ再生:最大80時間」と記載されているので、それを目安に単純に換算すれば、「ビデオ再生:最大30時間」「ビデオ再生(ストリーミング):最大18時間」「オーディオ再生:最大120時間」ということになるのかな。このあたりの表記はアップルならではのものなので、今ひとつ感覚がつかみにくいけど、iPhone本体のみのときに比べ、「バッテリー残量が……」的なことが起きるシーンは確実に減るはず。

 そして、バッテリーが追加されるとなれば、もうひとつの気になるポイントは重さ。実は、iPhone Smart Battery Caseの製品情報ページには何も記載がないんだけど、筆者が入手したiPhone 11 Pro Max用はiPhoneに装着したところ、約345g(実測値)でした。iPhone 11 Pro Maxが226gなので、iPhone Smart Battery Caseの重量は約120gくらいという計算。

iPhone 11 Pro Max Smart Battery Caseを装着したときの重さはiPad mini(Wi-Fiモデル:300.5g)を超える重さ

 実際に持った印象としては、言うまでもなく、iPhone本体の重さとも相まって結構なズッシリ感だけど、本体とバッテリーが一体化していることもあり、意外に持ちやすいというのが正直な感想。動画視聴やゲームなどで、長時間、片手で持つのはちょっと疲れるかもしれないけど、とにかくバッテリー残量をあまり気にしなくて済むのはいいし、帰宅してもワイヤレス充電器にポンと置くだけで充電ができるのでカンタン。

 机の上などに置いてもコロンとした佇まいが不思議な印象らしく、業界関係以外の人には「なに? そのケース?」「え? 純正なの?」なんて言われた(笑)。筆者のiPhone Smart Battery Caseはブラック(濃いグレーに近い)だが、ピンクサンドもなかなかいい色なので、そちらを選ぶのもアリだったかな。

iPhone 11 Pro Max Smart Battery Caseを装着した状態で、そのままワイヤレス充電器に置いて、充電ができる
iPhone 11 Pro Max Smart Battery Caseのみでも、Qi規格対応のワイヤレス充電器で充電が可能

 ちなみに、まったくの余談ですが、iPhone Smart Battery Caseは純正品の安心感があるためか、新しい機種に買い換えても元の機種で使っていたものがオークションなどで中古品として売れるとか。そういう意味では損をしない商品のひとつと言えるかもしれません。

製品名販売元価格
iPhone 11 Pro Max Smart Battery Case - ブラックアップル1万4800円(税別)