本日の一品

Nintendo Switchの音をワイヤレスで楽しめるBluetoothトランスミッター

 Nintendo Switchの音をBluetoothヘッドセットで聴きたい。そんなニッチな願いを叶える製品が、CIOのBluetoothオーディオトランスミッター「BT-TM700」だ。

BT-TM700

 使い方は2通りで、Switchを携帯モードで遊ぶ時は本体底面のUSB Type-Cポートに接続。テレビに出力するTVモードの場合は、同梱の変換ケーブルを利用してSwitchのドック内側にあるUSB Type-Aポートに接続する。ドック外側のUSB Type-Aポートでは音声出力されないので、必ず内側のポートを使う必要がある。

 なお、余談ながら同梱ケーブルのようなUSB Type-Cレセプタクル(メス)からUSB Type-Aプラグ(オス)という変換はUSBの規格外であり、本製品以外の用途、例えばスマートフォンの充電などに利用した場合、接続する機器によっては発火や故障の原因ともなり得る。あくまで本製品をSwitchに接続する場合のみ利用して欲しい。

Switch下部のUSB Type-Cに装着
TVモードの場合はドック内側のUSB Type-Aポートに接続

 本体に装着したら、前面のペアリングボタンを2回押すとペアリングモードになり、Bluetoothヘッドセット側からペアリングを行なえば設定は完了だ。

 Bluetoothとゲームというと遅延が気になるところだが、Bluetooth 5.0とaptX LLのサポートにより、ゲームの音ずれが大幅に軽減されているという。

 まずは試しに愛用しているBluetoothヘッドセット「SBH82D」で利用してみた。この製品は最近人気の耳穴を塞がないタイプのイヤフォンで、1万円程度で入手できる手頃な価格である一方、Bluetooth 5.0もaptXも対応していない。

 ここ最近熱中してプレイしているシミュレーションRPG「ファイアーエムブレム 風花雪月」で試したところ、本体に装着した場合は明らかに音ずれを感じるが、我慢できなくはないギリギリのライン……、というところだった。アクションゲームなど反応が早いゲームだとプレイが厳しいかもしれない。

プレイイメージ

 一方、ドック接続の場合は映像もHDMIの遅延があるため、音声の遅延をほとんど気にならないレベルだった。ただし、ドック接続の場合、USBポートにBT-TM700を装着したままだと常に音声がBluetooth経由で出力されるため、テレビ側に出力を切り替えたいときはケーブルを抜かなければならないのがやや手間だ。

 aptX LLがどれだけ遅延しないのかも興味が沸いたので、Bluetooth 5.0とaptX LLに対応したELECOMのBluetoothヘッドセット「LBT-RH1000XBK」を購入して追加で試してみたところ、遅延は明らかに低減。ファイアーエムブレムであればほぼ違和感なく、マリオカートなど動きの速いゲームでもほとんど支障はない。携帯モードでプレイするのであれば、Bluetooth 5.0とaptX LL対応のヘッドセットがあるとよさそうだ。

 基本的には「Switchの音をBluetoothで聴く」ためのデバイスなのだが、細かいところでSwitchでプレイするための配慮がなされている。その1つが2台同時接続で、Bluetoothヘッドセットは2台まで同時に接続でき、同じ音を2つのヘッドセットで楽しめる。1台目のペアリングが完了した状態で、ペアリングボタンをすばやく2回押すと2台目のペアリング待機状態となり接続が可能。1台のSwitchで2人同時プレイしたい、という時に便利だ。

 また、Switchの給電用途でもあるType-Cポートを使用することで、BT-TM700利用中はSwitchが充電できない、とならないよう、本体底部には最大で15V/3.1Aの給電が可能なUSB PD対応のUSB Type-Cポートを搭載。携帯モード利用時に充電しながら音声をBluetoothで楽しむことも可能だ。

Switchを充電しながら利用できる

 筆者宅ではSwitchを接続したテレビとテーブルの距離が離れており、ヘッドセットで接続するには長いケーブルが必要だったのだが、BT-TM700のおかげでケーブルの取り回しがなくなり非常にすっきりした。

 遅延についてはBluetooth 5.0とaptX LL対応のヘッドセットならほとんど気にならない。また、ドック接続がメインならBluetooth 5.0とaptX LL非対応でも十分実用的だ。ドック接続はケーブルの挿抜が多少手間ではあるものの、装着するだけで自動的にヘッドセットに接続するので、有線接続しなくてすむならこの程度の手間は十分に受けいれられる。

 価格も2980円と安価で、本体サイズも小さいので持ち運びも苦にならない。移動中の音楽はBluetoothで聴いている人なら、Switchのためにわざわざ有線のヘッドセットを持ち歩かなくてすむのもありがたい。手軽にSwitchをBluetoothワイヤレス化できるデバイスとしてオススメの1台だ。