本日の一品

服飾ハイブランド向けの糸で縫製したアリゾナレザーベルトのチプカシ

 腕時計という実用品でもあり趣味のガジェットでもある製品は、時代や購入層などの変化によってその存在価値は大きく変化する。たとえば、ただの“サラリーマン腕時計”だったカシオの安価なデジタル腕時計が、女子高生などを中心とした新しい“見る眼”をもった層によって「チプカシ」として再定義され流行した。

エルメス社がバーキンなど自社の鞄用に使用している麻糸で縫製したアリゾナレザーに交換したチプカシを手に入れた
経年変化の楽しいヌメ革とアナログ腕時計との組み合わせは昨今のなんちゃってミニマル腕時計でも流行だが、デジタル腕時計との組み合わせも新鮮だ
一般的には常識の組み合わせであるデジタル腕時計とステンレスベルトだが、革のベルトに変更することで大きくイメージが変化する。文字盤のカラーもベルトとの組み合わせで選びたくなる

 そんな時にまた運よく(?)見つけてしまったのがなんと、服飾のハイブランドが自社製バッグなどに採用している、丈夫で高級な麻の縫い糸「Lin cable/ Fil Au Chinois」を使用して丁寧に縫製したアリゾナ レザーベルトの「CASIO A158モデル」(受注生産)だ。

 「Lin cable/ Fil Au Chinois」は、フランス製の手縫い用のロウ引き麻糸。2度の糸撚り、蜜蝋への浸漬、馬毛でのブラッシング等の手間隙を十分にかけて作られた麻糸だ。高級な分だけ、その発色や艶、強さが縫った後の美しさを実現している。まだそれほど使い込んではいないが、色の経年変化が極めて楽しみだ。

Lin cable/ Fil Au Chinoisの麻糸による精密な縫製は安心感がある

 出荷段階で後者のアリゾナレザーの方が革の色は濃く、革の厚さも若干厚い。エルメスのバーキンなどに見られる少しシボの付いたブラウン系のアリゾナレザーとLin cable/ Fil Au Chinoisのデジタルチプカシとのミスマッチ感が面白い。

丁寧なカットの為に金属ベルトから置き換えてもピッタリ感、しっくり感は劣らず加速するほどだ
細かな部分の仕上げが勝負だがベルトのロック部分も丁寧に作られている

 チープだけどシンプルなCASIO A158とセレブでリッチなお仏蘭西製の麻糸のコンビネーションはなかなかだ。ちなみにこの腕時計、非社宅に配達されてきた翌日からワイフの愛用腕時計となってしまっている。

実際に装着すると、そのフィット感は高級な薄くて丈夫なアリゾナレザーならではだ
ポピュラーなチプカシであるA158なら本体とベルトとの組み合わせもいろいろ楽しめそうだ。(中央の4個)
製品名購入場所価格
CASIO A158専用 アリゾナ レザー 革ベルトCreema Brooklyn LC※2019年12月下旬時点では完売8800円(税込、CASI A158含む)