本日の一品

シンセ好きユーザーの為の専用メモ「SEMemoPE」

ありそうでなかったシンセマニアのためのメモ

 なにごとも自分で買って試してみないことには納得しない新しモノ好きの筆者は、1973年に発売された国産初のシンセサイザー「SH-1000」を駆け出しサラリーマンの2カ月分の給料をはたいて衝動買いしたことがあった。

 今も昔もおバカには変わりなく、買って初めて単音だけのメロディーラインを作り出す楽器だと知り、和音を出せないことに愕然とした時のショックを今でも鮮明に覚えている。結局、SH-1000は蒸気機関車の音だけが楽しかったのが思い出となった。

 そんな鍵盤楽器音痴の筆者だが、シンセサイザー産みの親のモーグ博士と、SEM(シンセサイザー・エキスパンダー・モジュール)やフェイズシフターやリングモジュレーターの発案設計者であるトム・オーバーハイムはさすがに知っている。

 本日ご紹介する“卓上メモ”はそんなシンセサイザー好きのクリエーターがシンセサイザー好きのユーザーのために作ったメモ「SEMemoPE」だ。パッと見た感じはごく普通の卓上メモの様相をしているが、じっくりと見るとこれはトム・オーバーハイムの作ったOberheim SEMへのオマージュをデザインしたシンセサイザースタイルの卓上メモなのだ。

組み立て前のパーツは全部でこれだけ

 SEMemoPEは簡単な組み立てキットでユーザーに提供される。内容は、前面に位置するコントロールユニット部分(ポリプロピレン製)とキーボード(25鍵)、コントロールツマミ2個(押しピンになる)、メモスタック本体、項目シール紙7枚、そして取説だ。

 組み立ては極めて簡単で、まず最初にポリプロピレン製のボードを何回か山折りしてコントロールユニット部分を作る。それにメモスタック本体を両面テープで固定、キーボードを山折りにしてコントロールユニットとメモスタックの間の隙間に差し込めばほぼ完成だ。

まずはポリプロピレン製の本体を折り曲げて、両面テープで固定する
メモスタックを取り付け、キーボードを上端に折り込めば90%完成
押しピン機能のツマミを差し込み、お気に入りのペンを立ててれば完成だ

 そして最後に“押しピン機能”のコントロールツマミ2個をコントロールユニットのPIN1、PIN2の中央位置に押し込めば組み立て完了だ。コントロールツマミのピン先は、コントロールユニットの内部で付属のコルクボードで受けても良いし、別の素材を使うことで、ツマミを回す指先へのタクタイル感が変わってこだわりユーザーにはなかなかの追求アイテムかもしれない。

雑然とした筆者のデスク周りもワンランクセンスアップ

 もちろん2つのツマミを回しても音がするわけでも無いし、何か周囲に変化が起こるわけではない。しかしシンセ大好きユーザーならアイデア枯渇の時でも、様々なアイデアの種を考えながら回すことで脳内変化は期待できるかもしれない。

 そして最後には、お気に入りのペンをコントロールユニットの上に開けられた穴に挿すだけだ。試しに筆者は普段から愛用のBICのボールペンのマッチするカラーを使ってみたが、滑りの良いポリプロピレン素材のコントロールユニットと相性が良すぎる感じで、毎回ペンを戻すと左右に滑って寝てしまう。

ペンスタンドの穴よりふた回りスリムなBICボールペンは滑って転んでしまう
太めのぺんてるサインペンに交換して実用的にもバッチリと落ち着いた

 限りなくペン穴の径(12㎜)に近い少し本体軸の太い筆記具の方が向いているようだ。最終的に、時代背景的にもカラー的にもぺんてるのサインペン“THIS IS A PEN"モデルが何とか落ち着いた組み合わせだ。

 今回、筆者はメモ用紙が白なので、コントロールユニットもお揃いの白いポリプロピレン製のモデルを選択したが、レトロなシンセ……というイメージなら黒のモデルの方が雰囲気はアップするかもしれない。

 読者諸兄が手先が器用なタイプなら、SEMemoPE全体を木目の綺麗な明るめの木製の枠を作って入れてみるのもプレミアム感が出て面白そうだ。組み立ててからもいろいろ改造の妄想が浮かんでくる楽しく実用的なメモアイテムだ。

製品名購入場所価格
SEMemoPE シンセサイザー型・ペンスタンドメモCreema3024円