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Googleから出たWi-Fiルーター「Google Wifi」はマニアも納得の家庭用機能満載だった

 GoogleからWi-Fiルーター「Google Wifi」が登場した。家庭用とされるもので、IEEE 802.11acに対応し、5GHz帯では最大867mbps、2.4GHzでは最大300Mbpsの無線通信が可能。有線LAN側はギガビットに対応する。

設定が終わると白いLEDが点灯するGoogle Wifi

 無線や有線の規格が同等のものなら他メーカーで5000円程度から入手できるが、Google Wifiの価格は1万6200円と割高。ふつうのWi-Fiルーターと同じようなものをGoogleが出す意味は何か、高い値段の秘密は何なのかと逆に興味がわいてきた。

 そして、ありがたいことに真っ先に試用の機会をいただいた。最初に結論から言うとこれは1万6200円出してもいいモノだと思っている。

円筒形の形状
付属品。3台セットの場合はLANケーブルは1本のみとなる
ケーブルはインターネット側とLAN側の2ポート。中央はType-Cコネクターによる電源アダプター入力
電源アダプターは5V3A出力

Bluetoothによるセットアップが便利

 箱から出してセットアップするが、多くのWi-Fiルーターと違うのは、アプリを使ってBluetoothで設定すること。そのため、「IPアドレスがよくわからなくて設定画面に到達できない」ということがない。

 Wi-Fiを使いながら専用アプリからIPアドレスの範囲が違っても設定してしまうものもあるが、とにかくここでひっかかることがない。SSIDと接続のパスワードは自分で決める必要があるので、推測されにくいものを設定するのは少し面倒だが、それ以外はサクサクと進む。

アプリをインストールする。iOSだけでなくもちろんAndroidも対応
WiFiポイントを探してみつける
Bluetoothもオンにしていないとセットアップできない
自分でSSIDを決める方式。同様にパスワードも決めて入力
本体の2次元バーコードをアプリのカメラ機能から読み取る
置き場所を設定する
ネットワークを作成中
Wi-Fiネットワークの設定には時間がかかる
設定が終わったのでスマートフォン側の無線LAN設定を変えるように促される
Google Wifiが再起動して完了
ネットワークチェックとして速度測定が行なわれる
IEEE802.11acなら200Mbpsオーバーの速度が出た

 ルーターとして使うNAT(標準)モードのほかにブリッジモードもあるが、「ファミリーWi-Fi」はじめ機能が大幅に制限されるので、基本的に二重NATを推奨しヘルプでも「必ずしも問題になるわけではありません」としている。どうしてもブリッジモードにしたい場合はアプリで切り替えが可能で、その場合でもBluetoothで設定するのでIPアドレスが不明で設定ができないということがない。

ネットワークの詳細設定からデバイスのモードを選び
NATかブリッジ接続かを選ばせるが、ブリッジは利用は推奨されていないようだ。

 DNSの設定を見ていたらプロバイダーのDNSではなくGoogleのPublic DNS、8.8.8.8がデフォルトで設定してあった。そのまま設定すれば、プロバイダーのDNSの制限を受けないことになる。もちろんプロバイダーが自動で割り当てるDNSにすることもできる。

ネットワークの詳細設定を選ぶ
DNSを選ぶところ。手動にも対応し、8.8.8.8がデフォルトでセットされる。

家庭内の管理機能がすごい

 「Google Wifi」自体が家庭用と銘打っていることからメイン機能は「ファミリーWi-Fi」となる。

 接続する機器ごとに時間制限を設けることは簡単にできる。ラベルを付けてそのラベルごとに「就寝時間」「宿題」というネットを切断する時間を設定できる。たとえば小学生と高校生では就寝時間も宿題をやる時間も異なるので別々に設定したい。小学生は2人いるから2人分をまとめて設定したいというのであれば、小学生、高校生とったラベルで管理すればまとめて管理できる。

 Googleによるアダルトコンテンツのアクセス制限機能も利用でき、これも機器ごとに設定ができる。

ラベルを作成
ラベルを付ける機器を選択
アダルトコンテンツのアクセス制限
就寝時間と宿題を設定する
就寝時間の設定
設定する曜日も選べる
宿題の時刻を設定し、この時間はアクセス不可
宿題も曜日を設定できる
ファミリーWiFiの設定画面。

 そして何よりも便利と思った機能が機器ごとの通信状態をモニターできること。リアルタイムの通信帯域を知ることができるほか、通信量を時間帯別グラフで表示できる。自主的なネット利用をさせるような教育方針の場合は、これで接続時間帯ごとの通信量が確認でき、隠れて使っていないかどうかも確認できる。

機器ごとの通信状況がわかる
リアルタイム表示ではグラフで帯域を表せる
時間帯別グラフ表示もできるので、使った時間帯が一目瞭然
接続状況も確認できる

 この機能は家族だけではない。自分のスマートフォンであってもバックグラウンドでいつごろ通信がされたかどうかの判断にも使える。しかも、[ファミリーWi-Fi]の[端末]からワンタッチでネットを遮断することもできる。実験的な環境でも有効かもしれない。

広い範囲をサポートするメッシュ機能を使っても一括管理

 続いて便利なのがメッシュWi-Fi機能。要は中継機能で、3個セットになったものを使えば広い豪邸や、壁が分厚いコンクリートで電波の届きが良くない家でもなんとかなるというものだ。しかも、無線だけでなく有線での中継も可能という点が特徴的。

最初の設定のときにメッシュ機能で使う台数分まとめて設定できる
3台設定すると、1台がメイン、それ以外は「メッシュのWi-Fiポイント」となる

 接続機器側から見れば単に同じ設定のアクセスポイントが並んでいるだけだが、最良の場所に接続した上に、単体利用と同じく一括して管理できる点はGoogle Wifiならでは。使用状態の確認やアクセス制限などは最初の1台で設定したものがそのまま利用できる。

 ただし問題は価格。単体の価格は十分納得いくものだが、同じGoogle Wifiを台数分買うとかなり高価になる。幸いにして3台セットが4万2120円と割安になっているので、3台セットを選べば高価さが若干和らぐ。

3台セット。箱自体もかなり高級なものに入ってくる
3台並べたところ

メッシュ機能や機器ごとの管理機能で選ぶ製品

 使いははじめてまだ日数はたっていないが、機器ごとの通信量が確認できるのは便利で、なくてはならないものだと思っている。多機能Wi-Fiルーターでも似たような機能はあるが、Googleの安心感もあって長く使っていたくなる。

 なお、いくつか通常のWi-Fiルーターでは通常できることが、Google Wifiではサポートされていないこともある。たとえばWPSによる接続のほか、2.4GHz帯と5GHz帯のSSIDを分け周波数帯の片方をオフする機能もない。導入の際は注意してほしい。

製品名製造元価格
Google WiFiGoogle1万6200円
Google WiFi(3台)Google4万2120円