本日の一品

ノマドワーカーも安心! 防犯も期待できるアンチシーフバックパック

 通勤時間帯ではない電車に乗っていると「最近はバックパックユーザーが増えたなぁ」と感じる。カバン全般が好きな筆者は、まじまじとつくりなどを眺めてしまう。たとえばフロントポケットやメインコンパートメントへアクセスするためのジッパーがむき出しのものだと無防備に思え、背負うときには目が行き届かないことに思い至り、心配になる。たまにきちんと閉め切られていない場合すらある。これでは盗られ放題なのではないか。

アンチシーフバックパック外観。筒状の本体にキャップのような蓋を被せただけのシンプルなつくり

 そんな不安を抱いていたところ、背後から忍び寄る魔手を寄せ付けないというバックパックをKickstarterで見つけたので、つい“バック”してしまった。それが「Solar + Anti-theft backpack』(ソーラー プラス アンチシーフ バックパック。以下、アンチシーフバックパック)」だ。

 アンチシーフバックパックの外観は、筒にキャップを被せたような形状で、特筆すべき点はこれといってない。その、キャップのようなカバーをロックする機構も、縦に2箇所穴の空いた六角形の革に留め具を引っ掛けるだけのシンプルさだ。では、これのどこが“アンチシーフ”なのかというと、バックパックの内部ポケットの、もうひとつ内側にあるポケットに仕込まれた引き込み式コイル状スチールケーブルと暗証番号式ロックが鍵となっているのだ。

バックパックのポケット部に内蔵されているコイル状のスチールケーブル。結構硬い(左)。その先端に取り付けられた3桁の暗証番号式ロック。暗証番号は好みのものに変更可(右)

 これを引っ張り出して、革の部品に引っ掛けた留め金の先に装着。これだけで内部にアクセスすることはできなくなる。いや、しようと思えばできるのだが、背負っている本人に気づかれずに中の物を盗む、というのは難しいだろう。

 このケーブル、伸ばせば1mもの長さになるので、席を外す際には、椅子やテーブルの脚などに巻きつけておくことも可能。もちろん、足元に置いておく場合でもケーブルを使ってロックしておけば、置き引きを防ぐのにも有効だ。

留め金にある輪っかの部分に掛けてみた。簡単なつくりだが、これだけで「盗もう」という気は萎えそう
とあるセミナー会場にて。不特定多数の人がいる場所で、ちょっと席を外すときなどに、盗難防止ケーブルがあるのは安心。別途持ち歩く必要がない、というところがキモだ

 ロックは片手で簡単に解除できるため、「ちょっと用を足すだけなのにいちいち面倒くさいなあ」と感じることもない。背負って身につけているときも、置いて離れているときも盗まれる恐れを極力少なくしているバックパックなのだ。

アンチシーフバックパックのメインコンパートメント。大容量だし型くずれもしないので、ガンガンとものを入れられる。内壁をぐるりと取り囲むように取り付けられた無数のポケットも使い勝手を良くしている

 アンチシーフ機能のことだけではない。メインコンパートメントがとにかく広いのだ。

 仕事柄、“外出”といえば取材が多くなるのだが、通常の女性が持ちそうな荷物に加え、巨大なコンデジ「SONY RX10 IV」とICレコーダー、そしてラップトップパソコンは必携。万が一のことも考え、10000mAh以上のバッテリーも欠かせない。

 これらを入れてもなお上部に隙間ができるほど、このアンチシーフバックパックのメインコンパートメントは大容量なのだ。

 しかも、上部の隙間を有効活用できるよう、蓋の裏側には収納場所が用意されている。使用頻度の高いものなどを入れておけば、深さのあるメインコンパートメントをごそごそ探すことなく、スマートに取り出せる。

蓋の裏側にある“Smart Storage”。ひんぱんに出し入れするものや、名刺入れなどすばやく取り出したいものを入れておくと、“スマート”に取り出せる

 ラップトップを収納するスリーブもなかなか良い。耐衝撃性のあるパッド、内側に使われているフワッフワのフリースで、ラップトップをしっかりと守ってくれる。

厚みのあるショルダーハーネスは、重さを感じさせないし、内蔵する隠しポケットは交通系ICカードやクレジットカードなどを入れておくのにちょうど良い。

背部にも隠しポケットがふたつあり、海外旅行に行く人であればパスポートなど、絶対になくしてはいけないものを収納しておきたいと思うことだろう。

毛足の長いフリースをライナーに使っているラップトップスリーブ。15インチまで対応している(左)。ショルダーハーネスに内蔵された隠しポケット。ジッパー付きなので中に入れたものが落ちることはない(中)。背当て部の隠しポケット。パッドの厚みがあるため、硬いものを入れてもゴツゴツとした感触はない(右)

 アンチシーフバックパックのもうひとつのウリは、モバイルソーラーバッテリー(ソーラーバンク)が同梱される、というもの。内蔵USBケーブルをつなげば、バックパック内部のポケットに入れたままでも外部USBポートからスマートフォンなどを充電できる。もちろん、好みのバッテリーを使ってもいい。

バックパック内蔵のUSBケーブルと、外側のUSBポート。最近はこういう機構を持つものが増えていて、モバイラーとしてはうれしい

 このソーラーバンク、よく晴れていれば4時間ほどでスマートフォン(どの機種かは明言されていない)を1回フル充電できるという、メーカー渾身のアイテムらしいのだが、残念なことに電源が入らず使えていない。太陽光、もしくはUSBで充電中や、ソーラーバンクからほかのモバイル機器を充電する際に動作状況を示すLEDが光るはずなのだが光らず、また実際に充電されている様子もないのだ。

 この事象について問い合わせたところ、現在調査中で、日本からバッテリーを送ることができないことも知っているので、調査が済み次第、良品を送ってくれるとの回答をメーカーから得た。そちらについては気長に待ちたいと思う。

 ウリのひとつ、ソーラーバッテリーが使えないというハプニングはあったものの全体的に出資して良かったアイテムであるのは間違いない。ぼっちノマドワークも、これできっとはかどることだろう

製品名購入先価格
Solar + Anti-theft backpackKickstarter129ドル