本日の一品

普通のバックパックの見た目に“イス内蔵”、「どこでも座れるリュック2」

「どこでも座れるリュック2」。見た目はブラック一色のごく一般的なリュックだ

 休憩場所のない屋外で一息ついたり、長い行列で立ったままの姿勢が続いてつらい場合に重宝するのが、折りたたみ式のイスを収納できるバッグだ。これらがあれば場所を問わず、いつでもどこでも座って休めるので、休憩場所を探して右往左往する必要がなくなり、結果的に行動範囲がぐんと広がる。

 こうした製品はキャンプやアウトドア用途で数多く市販されているが、見るからにキャンプ用といったデザインだったり、またイスが完全収納できずに外に露出する構造だったりと、日常的に使用するにはやや難があった。

 こうした点を見直し、イスを完全収納できる構造でありながら、普通のリュックとしての外見を追求したのが、サンコーの「どこでも座れるリュック2」である。

側面。容量は40リットルとそこそこある。本体サイズは一般的なバックパックと同等
背面。ここも一般的な仕様で、折りたたみイスが内蔵されているようには見えない

 本製品の最大の特徴は、折りたたみイスを完全収納できるギミックにかかわらず、ノートパソコンの収納にも対応した、プライベートはもちろん通勤時の往復にも使えるデザインであることだ。

 実際に持ち歩いていても、内部に折りたたみイスを収納していることを忘れるほどで、見た目を気にする人でも抵抗なく使えるだろう。重量もバッグ本体とイスの合計で1kgを下回っており(880g)、同等クラスのノートパソコン用バッグと変わらないレベルだ。

背面パッド部の裏側に折りたたみ式のイスが収納されており、本体背面のファスナーを開くと姿を現す

 折りたたみイスはフレームも細く、百均などでも入手可能なレベルの品よりもさらにひ弱な印象を受けるが、耐荷重は約100kgと最低限の基準を満たしているので、勢いよく座ったりせず、気をつけてゆっくり座るようにすれば問題なく使える。

 この折りたたみイスはマジックテープおよびボタンでリュック本体と連結する仕組みなので、サイズさえ適合すれば自前で用意したイスと交換できるほか、外出先で使わないことが明らかな時は外して軽量化することもできる。

折りたたみイスはフレームも細く、ややひ弱な作り。とはいえ耐荷重は100kgと最低水準はクリアしている
シートの面積もかなり狭く、CD-ROMと比較してもこの通り。もっとも実際に使う際はこの上に背面パッドが覆いかぶさるので、これよりも座面の面積は大きくなる
使用時の状態。折りたたみイスの上面に背面パッドがかぶさることでクッション性を高める仕組み
正面から見たところ。ショルダーベルトはやや邪魔なものの、しっかりイスとして使える形状をしている
リュックの背面パッドと折りたたみイスとは両面テープがついたベルトで連結する
座面の高さはおよそ30cmといったところ。やや低いが構造を考えると致し方ないだろう

 リュックとしての機能性にも優れている。ノートパソコンやスマホの専用ポケットといった定番の収納口に加えて、濡れた傘を収納できる完全防水のポケットが用意されているのも、他の製品にはあまりない特徴だ。雨傘に限らずレインコート、濡れてポケットに入れづらいハンカチ、出先で発生したちょっとしたゴミなども入れることができ、非常に重宝する。

15型クラスのノートパソコンを収納可能。ポケットはクッション性があり保護ケースなしで入れられる
大型スマホを収納可能なメッシュポケットなどを備える。このあたりはやや価格相応な作り
ビニール素材の防水ポケットを搭載しており、雨に濡れた傘やレインコートなどを入れられる
側面のメッシュポケットは500mlのペットボトルがほぼすっぽり収まるサイズ
製品の構造上、リュックの底面が地面に直接触れることになるが、底面はビニールシートで覆われているため、水たまりなどでなければ浸水の可能性は低い

 素材や縫製、ベルトの品質などについてはなんとか及第点がつけられるレベルで、また長期間にわたる耐久性についても今回は検証できていないが、こうした機能を備えながら5980円ということで、コストパフォーマンスは非常に高い。

 同社の他の製品にも言えることだが、品切れになった際の欠品が比較的長期間続く傾向があるのと、後継商品がないまま製品が早期に終息することもあるので、気になった人は早めに入手しておくことをおすすめする。