てっぱんアプリ!

続々と登場する画像生成AIツール、スマホで使えるものは?

 スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!

◇   ◇   ◇

 テキスト入力による指示(プロンプト)だけで高品質な画像を作り出せる「画像生成AI」ツールが次々に生まれている。今回はスマートフォンで利用可能な画像生成AIのなかでも代表的なツール・サービスを紹介しよう。

Microsoft「Copilot(Bing Chat)」

 無料で使える画像生成AIツールの代表格と言えるのが、Microsoftの「Copilot」と「Image Creator」。画像を生成するにはいくつか方法があり、Webブラウザの「Edge」か、検索アプリの「Bing」からImage Creatorにアクセスするのが1つ。

 また、Image Creatorにアクセスしなくても、CopilotのAIチャット画面で「~の画像を作成して」というように指示すれば画像生成が可能だ。

 プロンプトによるものだけでなく、既存の画像をアップロードし、その内容をもとに別の画像を生み出すこともできる。たとえば撮影した食事写真をベースに、作風をアニメ調に変えたり、それを食べている人も合わせて描画した画像を生成したりするのもOK。

 一度に最大4パターンの画像が表示され、その中から気に入ったものを選んでダウンロード可能だ。なお、いずれも利用にはMicrosoftアカウントが必要となり、一定時間内に高速生成できる回数には制限がある。

Image CreatorはEdge以外のWebブラウザーからも利用可能
Edgeでは画面下部中央のボタンからAIチャット「Copilot」の画面を呼び出せる
Bingアプリ
AIチャットの画面で、既存写真をもとに画像生成してもらった

OpenAI「ChatGPT」

 OpenAIのAIチャットサービス「ChatGPT」では、月額20ドルの有償サービス「ChatGPT Plus」登録ユーザー向けに画像生成AI機能をベータ版として公開している。

 チャット開始時に「GPT-4」から「DALL-E 3」を選択することで利用可能。ちなみに、DALL-E 3はMicrosoftのImage Creatorで使われているものと同じAIモデルで、これはOpenAIが技術提携してMicrosoftに提供しているため。

 こちらもプロンプトで指示するだけで画像生成が可能。ただし、利用するタイミング(サーバー負荷の状況など)によって一度に生成される画像の枚数や解像度が異なることがある。

 既存の画像をアップロードし、それを元に画像生成する機能は今のところ用意されていない。生成回数の制限はImage Creatorよりは緩いようだ。

ChatGPTでの画像生成

Adobe「Photoshop」Web版

 Adobeは、パソコン用の画像レタッチソフト「Photoshop」にAIによる画像生成「生成塗りつぶし」機能などを追加した。

 スマートフォンアプリ版にはまだ実装されていないが、PhotoshopのWeb版では画像生成機能を使うことができる。利用にはAdobe IDと、Webアプリ版のPhotoshopを利用可能なサブスクリプション登録が必要だ。

 画像全体をゼロから作り出すのにも使えるが、どちらかというと既存の画像の一部エリアや画像フレーム外を、AIに推測・生成してもらう使い方がメインになる。

 たとえば風景写真の選択範囲に人を配置したり、樹木を増やしたり、建物を追加したり、といったような「塗りつぶし」が可能だ。描画内容はレイヤーとして追加されるため、後編集が容易なのも特徴となっている。

 Web版なのでスマートフォンからもWebブラウザーを介して(PCモードにして)アクセスはできるが、端末の画面サイズやレイアウトなどの都合から生成ボタンを物理的にタップできない場合があり、利用は困難かもしれない。タブレットならある程度実用は可能だ。

Photoshop Web版にタブレットでアクセス
「生成塗りつぶし」した要素はレイヤーとして追加される

Googleの「Bard」は画像生成には未対応

 GoogleはWebブラウザーから利用できるAIチャットサービス「Bard」を展開しており、そこで画像作成の指示ができる。

 ただ気を付けておきたいのは、2023年11月現在、画像の「生成」には対応していないこと。ユーザーからのプロンプトによる指示を受け、そのイメージに近いと思われるインターネット上の画像を見つけて提示するだけとなっている。そのため、提示された画像には明確に権利関係の問題が発生する可能性が高いため、画像の利用には十分な注意が必要だ。

Google「Bard」
画像生成を指示しても、ネット上にある画像を提示するだけ