スタパ齋藤のApple野郎

iPhoneのLive Photos機能を突然好きになった俺! シャッター音も抑えめに聞こえてイイ感じ!!!

 今年の夏に、突然、iPhoneのLive Photos機能が好きになった。iPhoneやiPadのカメラアプリで撮影時「LIVE」ボタンをタップしてLive Photos機能をオンにすると、シャッターボタンを押した瞬間の静止画と前後1.5秒ずつの動画が撮れるという機能だ。

iPhoneやiPadのカメラアプリで「写真」撮影モード使用時、Live Photoボタン(太陽のような丸いアイコン)をタップすると「LIVE」と表示され、Live Photosが有効になる。撮影した写真(Live Photos)再生時には、Live Photosバッジが表示される。写真やその周囲空白などを長押しすると、撮影の瞬間の前後1.5秒ずつ合計3秒のショート動画(音声入り)が再生される。また、Live Photosはオフにしたり、ループ再生したり、あるいは動画やアニメーションGIFとして書き出すこともできる。

 Live Photosで撮った映像は、1枚の写真+3秒のショート動画ではあるのだが、iOSやiPadOSやmacOSで扱っている感覚としては1枚の写真。「でもこの写真動くんだョ!」みたいな付帯機能があるという感じだ。

 ちなみにLive Photosを構成するデータは、静止画部分がHEIF(ヒーフ/High Efficiency Image File Format)で、動画部分がHEVC(エッチ・イー・ブイ・シー/High Efficiency Video Codec)コーデック動画になっている。Appleデバイス上ではこれはひとつのファイルのように扱われていて、ユーザーは静止画・動画を気にすることなく「この写真動いて面白いんだョ!」的に利用できる。

ちなみに、設定によってはLive PhotosのファイルがHEIF・HEVCの組合せで保存されないことがある。「設定」→「カメラ」→「フォーマット」で「高効率」が選択されていればHEIF・HEVCの組合せで保存される。そうでない場合はJPEG/H.264の組合せになる。

 とまあ細かく書いたが、俺はこのLive Photosが嫌いだったのだ。うっかりLive Photosが有効状態で撮影すると「あーもー動画撮影しちまったぜ!」的にイラついたりしていた。なのでLive Photosが自動的に機能しないように設定していた。だがたまに前述のLive Photosボタンに触れちゃってLive Photosが有効になって動画撮っちゃってイラッ……みたいな?

 だが2024年の7月のある日、突如、Live Photos機能が好きになった。そして「ちょっとオモシロいかも」とLive Photosを使っていくうちに大好きとなり、現在はLive Photosだけしか使わないほどのLive Photos野郎になってしまった。

 それは、7月のスゲく暑い日。外出先で1時間ほどの空き時間ができてしまい、クルマのなかで待……無理〜絶対無理って暑さだったので、カフェで時間を潰していた。そこで気の迷いから嫌いなハズのLive Photosを使ってみたら、「あっなるほど、これなら決定的瞬間を逃しにくいかも」などとわかった。食わず嫌いでいたものの、じっくり試したら「コレいいじゃん」となったのだ。

3秒の音入り動画が記憶を強く呼び起こす

 俺の場合、iPhoneで動画を撮るのが好きである。ただ、通常は長い動画は撮らない。後で観るのがメンドクサいからだ。早送りとか時間軸トリムの手間ばかりかかるので、通常は5〜10秒くらいの動画しか撮らない。長く撮るのは後からちゃんと編集したい場合とか、興味深い事象が長く続いているとか、そういうときだけだ。

 短い動画を撮るのは、あとで観て記憶が強く呼び起こされるから。というか、「なんかこの状況は心を動かすものがあるかも」と思ったときに、短い動画を撮る。たぶん「この瞬間の独特のテイストをあとでまた味わいたい」という気分になっているんだと思う。

 そんなふーに動画を撮る俺にとって、Live Photosはまさにモッテコイな感じのショート動画撮影機能だった。3秒というのが絶妙にイイ。たまに「あーこのときは10秒くらい撮っておけばよかった」と思うこともあるが、多くの場合で3秒で「いいねぇ〜」となる。

 少しの動きと少しの音が入った3秒のショート動画。その前後の時間軸上にも、もっといろいろあったわけだが、3秒の動画が「前後のいろいろ」を強く呼び起こしてくれるような気がする。

 たぶんちゃんと思い出しているわけではない。脳内で記憶が美化されたり加工されたりして再生されているのだと思う。

 日常で写真や動画を撮るのは、前述のように「なんかこの状況は心を動かすものがあるかも」と思ったときが多い。その状況を「イイ」とか思っているわけだ。俺は「イヤ」と思ったら一切記録しないタイプで、それは早く記憶から消し去りたいから、だと思う。

 で、「イイ」と思って残して撮った写真。iPhoneで撮る写真は全部Live Photosなので、最近撮ったものは全部「イイと思えるようなショート動画」になっている。たった3秒だが、そんな「イイと思える短い動画記録」を観ると、その前後も「イイもの」として再構成されて脳内で再生されるのだと思う。

 そういう理由でも、Live Photosを非常に気に入って使っている。

 最近は全写真をLive Photosで残しているわけだが、全部を動画として再生しているわけではない。「あぁコレってあのときの」って感じで気になって再生すると、「あーそうだったそうだった」といろいろ思い出せて愉快。

 全写真をLive Photosで撮って、iPhoneの容量圧迫されない? って思ったのだが、どうも高効率記録(HEIF・HEVCの組合せでの保存)がされるようになってから、Live Photosのファイルサイズはかなり小さくなったようだ。

 被写体や動きにもよると思うが、同じ被写体をただの写真とLive Photosで撮り比べると、Live Photosのほうがファイルサイズが小さいことがある。また、写真でもLive Photosでも、1枚が1〜2MB程度。だったら全部Live Photosでいいやって感じになった。

ブレてなーい! シャッター音も最小?

 Live Photosだけ使うようになってから、仕事でもけっこう大きめなメリットが得られた。

 e-bikeの記事で使う写真で、広角でダイナミックな雰囲気にしたい場合はiPhoneで撮ることが多い。すごく低い位置からe-bikeを見上げて大空も入れて、みたいな写真。

 ただ、非常に撮りにくいアングルなので、帰宅してから写真を見ると「あーっブレてる!」みたいなコトも。しかしLive Photosで撮ると、3秒間(29.6fps)で約90フレームあるので、数フレームくらいはブレていない瞬間が得られる。

 Live Photosのなかからブレていない部分を得る方法は、キー写真位置の変更だ。キー写真はLive Photos中のデータから写真として扱われたりサムネイル表示されるデータだ。

Live Photosは、写真アプリ内での編集によりキー写真位置を変えることで、3秒動画のうちの1フレームを写真として扱うことができる。
これはLive Photosの動画データのなかで、ピンボケの部分を選んだ様子。これとは逆に、写真にピンボケやブレがあった場合、動画のなかからクリアな1フレームを選んで写真として扱うことができる。

 ただ、キー写真の位置を変更すると、写真としての画質が劣化するようだ。これはたぶん、サムネイル・写真として扱うために1枚撮影された静止画データとは違い、動画のなかの1フレームを静止画データとして扱っているからだと思う。

 また、キー写真の位置を変更すると、iPhone上でHDR表示ができなくなるようだ。これもやはり、動画中の1フレームを静止画として扱っているからだと思われる。

 必要がない限り、キー写真位置を変えないほうがいいかも。静止画の表示も画質も、ちょっと残念な感じになってしまう。まあ「オリジナルに戻す」という操作が簡単なので大きな問題ではないかもしれないが。

 それから、Live Photosだとシャッター音が小さいのもイイ感じ。iPhone標準のカメラアプリでの写真撮影時のシャッター音は、ご存知のとおりあのデカい「カシャーッ」。動画撮影モードだと「カカン……ココッ」みたいな優しい音。標準カメラアプリで撮影すると、「カシャーッ」か「カカン……ココッ」というシャッター音が出てしまう。

 しかし、Live Photosだと撮影終了時に「ココッ」という音がするだけ。しかも、ほかのモードの「カカン……ココッ」の「ココッ」よりも、音量が抑えめのように聞こえる。

 つまり、iPhoneの標準カメラアプリで撮影時に、もっとも音量が少ないのがLive Photos撮影なのだ。音量に関しては微妙な違いか聞き違いって感じなので断言できないが、シャッター音的にも都合がいいLive Photosなのであった。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。